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データにのまれる経済学 薄れゆく理論信仰
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本評論社 |
発売年月日 | 2023/06/26 |
JAN | 9784535540385 |
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データにのまれる経済学
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序盤は経済学におけるデータ分析、計量経済学の位置づけをノーベル経済学賞の歴史によって振り返る。経済学がいかにして、今の因果推論に基づく実証を重んじるようになったかの過程が詳しくわかる構成になっている。 第3章では、因果推論の難しさを基本的な哲学に立ち返って分析している。経済学で...
序盤は経済学におけるデータ分析、計量経済学の位置づけをノーベル経済学賞の歴史によって振り返る。経済学がいかにして、今の因果推論に基づく実証を重んじるようになったかの過程が詳しくわかる構成になっている。 第3章では、因果推論の難しさを基本的な哲学に立ち返って分析している。経済学で近年使われている手法も完全ではなく、因果を完璧に解き明かすことは難しく様々なモデルや仮定に依拠していることを忘れてはならないことを喚起している。 第4章は因果推論のゴールド・スタンダードであるRCTについて、その利点と限界について経済学の文脈で論じている。とくに、経済成長理論が結局成長の要因を突き止められておらず具体的な政策に結びついていないというデュフロらの主張を引き、RCTは貧困撲滅の具体的な政策を明らかにしうるという点からもRCTの実証方法としての強みにスポットを当てる。しかし、一方では外的妥当性やスピルオーバー、一般均衡効果など、RCTで示せる因果関係にも限界は存在し、万能ではないと警鐘を鳴らす。 最終章では、経済学という学問の位置づけが理論と実証の間で揺らいでいる様を描いている。多くの研究者が識別戦略や機械学習、RCTなどデータ分析に没頭している一方で、経済学が対象とする経済や社会の理想像が揺らいでいる。RCTなどで行う「介入」は何か問題がある状態に介入し正しくすることを意図しているが、それは本当に正しいのか。その正しい状態を描く理論がなおざりにされると、経済学は漂流してしまうのではないか。 どういう研究をしていくべきか、経済学者の端くれとして考え直す機会を与えてくれる本であったと思う。
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著者自らが前作「経済学の壁」の姉妹書と位置ずける。 前作が象牙の塔の学会の限界を表したものとしたら、本作はデータ分析の手法を中心に政策提言やビジネスへの応用することで理論だけの象牙の塔から社会にその有用性をアピールしようとする新しいトレンドを描写する。 ジャーナリストらしい視点か...
著者自らが前作「経済学の壁」の姉妹書と位置ずける。 前作が象牙の塔の学会の限界を表したものとしたら、本作はデータ分析の手法を中心に政策提言やビジネスへの応用することで理論だけの象牙の塔から社会にその有用性をアピールしようとする新しいトレンドを描写する。 ジャーナリストらしい視点からのアプローチはよいが、どうも総花的なまとめ方が読みにくさ知的刺激に乏しい印象。
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だいぶ前から違和感を感じている現代経済学について問題提起した書籍。 私は90年代初頭で経済学の専門書を読まなくなったので、本書の議論の多くにはついていけない。 個人的には、駒場で直接講義を聴講できた西部氏のように、経済学と社会学を統合する方向で研究するべきだと思う。ないしは、現状...
だいぶ前から違和感を感じている現代経済学について問題提起した書籍。 私は90年代初頭で経済学の専門書を読まなくなったので、本書の議論の多くにはついていけない。 個人的には、駒場で直接講義を聴講できた西部氏のように、経済学と社会学を統合する方向で研究するべきだと思う。ないしは、現状の経済学はガラポンして、経済は社会学の延長で研究すべき領域ではないか。
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