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ものまね鳥を殺すのは アラバマ物語 新訳版
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2023/06/20 |
JAN | 9784152102508 |
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ものまね鳥を殺すのは
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商品レビュー
4.3
13件のお客様レビュー
妻から『アラバマ物語』って知ってる?と聞かれたので、そのとき読んでた津村記久子著『やりなおし世界文学』に載ってるよと言うと、それはスルーされて、妻の通う英会話教室生徒の元高校英語教師のかたとアメリカ人講師のかたが「アラバマ物語はよかった」と話していたそうだ。 たしかにこの本は...
妻から『アラバマ物語』って知ってる?と聞かれたので、そのとき読んでた津村記久子著『やりなおし世界文学』に載ってるよと言うと、それはスルーされて、妻の通う英会話教室生徒の元高校英語教師のかたとアメリカ人講師のかたが「アラバマ物語はよかった」と話していたそうだ。 たしかにこの本はおもしろかった。通勤のとき、1回乗り過ごし、3回乗り過ごしかけた(たんに暑さ?でボケてるだけで指標として不適切説あり)。 何がおもしろかったのか?いちばんは主人公の女の子だと思う。 主人公のスカウトは、父アティカスと4歳年上の兄ジェムの3人家族だ。 物語は、スカウト6歳のころから始まる。母はスカウトが赤ちゃんのころ亡くなっている。それで家には、黒人の家政婦カルパーニアが通いできている。 夏休み、近所にスカウトより一つ年上の男の子、ディルがやってきた。夏休みだけ叔母さんの家に世話になっているのだ。 この子どもたち3人の夏休みを読むのは、ほんとうに楽しかった。いろんな遊びをかんがえだしていく。この子たちと近所の人たちとのやりとりも、また楽しい。 そこではられた伏線は、最後にしっかり回収されていた。 スカウトは女の子だが、兄といつも遊んでいるためか、あるいは母をしらないからか、「女の子らしさ」は好まないようだ。 大人のつかう言葉の意味も、まだ、よく分かっていないみたい。 だが、スカウトは自分が見たままに、感じ考えたことを言葉にし、そして質問する。「白人」「女性」「宗教」「大人の事情」などに関係なく。 物語はスカウトの目をとおして、1930年代のアメリカ南部の世界がかたられていく。スカウトの語り口は颯爽としていて、すがすがしい。 1930年代は、大恐慌の余波が残り、第二次世界大戦前であって、アドルフ・ヒトラーがいる時代だ。 スカウトは率直に、当時の黒人への差別がどのようなものであったか語っている。白人たちは、普通に黒人に対する差別ワードを言いまくっている。 スカウトが子どもであるためか、正面切って語られていないが、女性の権利も制限されている。 差別や蔑視はいまも続いている。当時と比べて少しずつよくなっていると思いたい。読んでいると、理性に訴えてもどうしようもないことなのかとも思える。 思いだしたのは、神を信じ創造説を信じるひとたちだ。ひとのことは言えない、創造説は?だが、自分だって神社やお寺にお参りにいく。 脳の神経回路をひとつひとつつなぎ直さないとダメなような気もする。モジュールぽんなら楽だけど。 本とは離れるけど、映画『アラバマ物語』に主演したグレゴリー・ペックは、この『アラバマ物語』が代表作だとアメリカでは言われているそうだ。映画の中のグレゴリー・ペックはアメリカの理想の父のひとりとされているらしい。 確かに立派なお父さんだ。ただ、本を読んでも、どのへんが理想的なのか、わたしにはよくわからなかった。子どもたちとの接し方とか、公平で正義をもとめる姿だろうか。とにかく、読書が趣味で生活に余裕があるようにみえる「父」だった。長距離の通勤がないからかな? そもそも、わたしは父ではあるが自分で「理想の父」なんて考えたことがなかったように思う。それは子どもが願うことか? 子どもたちが小学生のころ、毎日がバタバタしていて、とにかく必死だったことを思いだす。 いまこの時を父として頑張っているかたは、アメリカの標準タイプの「理想の父」と今の自分を比較してみてもおもしろいかもしれない。 わたしは、過ぎたことでもあり、遠慮しておきますけど。
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「でもね、ディル、トムはしょせん黒人なのよ」 スカウトでさえ、黒人には父親同様礼儀正しく接していながらも、どこか下に見ている。それをこんなにも分かりやすく表した一文は無い気がする。ディルが泣いてしまった理由に理解と共感をすることが出来たのは、ミスターレイモンドだけだ。彼もまた混血児を持ち、どこか距離を置いて皆と接している。その彼の、町の人に理由が必要なんだ、だからそれを与えていると、袋に隠したコカコーラをディルにあげるシーンが強く心に残る。裁判の場面も確かに印象的だが、父親が子供に対して誠実に振る舞う場面や、階層意識に囚われまくりのご婦人達との会食など、その他の何気ない日常的な場面でさえも、考えさせられる所が多々ある。混血故にどちらのグループにも属せない子供達、白人でありながら白人と見なされない子供達、色々な人間が居るが、今よりこの時代は差別が露骨で、読んでいるこちらが辛くなる。黒人に罪を被せることを思いついたユーウェル家の人間も、考えれば貧困と差別の犠牲者側の人間なのだ。一方でまた、自分達より下の人間が居ることに安心して、平気で罪をなすりつけることに抵抗を覚えない。これはこれで、恐ろしい発想だ。黒人のトム、白人貧困層のユーウェル家、謎に満ちたラドリー家と、不幸には本当に様々な形ものが世の中には存在している。差別や偏見を無くすのは、それを生み出すより余程難しい。
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2023/12/25~2024/2/2読了 前半はジェムとスカウトと時々遊びに来るディムとのアメリカ南部の子供たちの生活が描かれる。 後半は父親で弁護士のアティカスは黒人のトム・ロビンソンを弁護することになるが、そのことから彼はニガー好きと村人から揶揄される。 無罪となる証拠か幾...
2023/12/25~2024/2/2読了 前半はジェムとスカウトと時々遊びに来るディムとのアメリカ南部の子供たちの生活が描かれる。 後半は父親で弁護士のアティカスは黒人のトム・ロビンソンを弁護することになるが、そのことから彼はニガー好きと村人から揶揄される。 無罪となる証拠か幾多と上がりながらもトムはマイエラ・ユーウェルの強姦の罪で有罪となってしまう。トムは絶望して護送中に逃亡を企て射殺されてしまう。 一方原告のユーウェルは黒人の弁護を引き受けたアティカスを憎みジェムとスカウトを殺害しようと企むがブー・ラドリーが現れユーウェルを殺してしまう、たがこれは事故だとして片付けられてしまう。 ものまね鳥は人々に歌を聞かせるだけで何もしていない、罪のない人を殺してはいけないという意味が込められている。 ものまね鳥はトムやラドリーを象徴している。 アメリカ南部の黒人差別を描いた作品。
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