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宇宙・0・無限大 光文社新書1261
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2023/06/14 |
JAN | 9784334046682 |
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宇宙・0・無限大
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
宇宙にゼロは存在するのか?宇宙に無限大は存在するのか?ということをテーマにした本書だが、自分にとっては高校物理(と、少しの大学物理)の復習として読むことができた。 世界が重力、電磁気力、強い力、弱い力で構成されていることは言葉として知ってはいたものの、後ろ2つについては全くイメージができていなかったので、ここの説明が丁寧にされていたことがありがたかった。 特に素粒子論の章では、研究が現在も盛んに進んでいることを実感できて楽しかった。 スーパーカミオカンデってそういう装置だったのか…!とか。 初学者にもわかりやすいようテーマを抽象的にしたことで、ともすると観念的な語りになってしまいそうなところを、うまく最低限の計算式・公式を活用して0,無限大が存在しないことを論じていたのは見事だと思った。
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著者は天文学、宇宙論を専門とする放送大学教授の谷口さん。数学や物理学、宇宙論での0や無限大についての話題がとても興味深い。
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宇宙や素粒子を扱いながらも、哲学的でポエトリーな書である。もしかすると、根源的な思索に対して物理学と哲学の目指す所が一致するからかも知れない。例えば、「オルバースのパラドックス」宇宙は無限に広く、無限の星があるならば、夜空はそれらの星で明るくなるはずだ。しかし実際には、そうではな...
宇宙や素粒子を扱いながらも、哲学的でポエトリーな書である。もしかすると、根源的な思索に対して物理学と哲学の目指す所が一致するからかも知れない。例えば、「オルバースのパラドックス」宇宙は無限に広く、無限の星があるならば、夜空はそれらの星で明るくなるはずだ。しかし実際には、そうではないというもの。夜空は暗い。物理における思考実験の範疇が哲学のそれと重なる。 大きさがゼロの素粒子は、この宇宙に存在しない。宇宙には、重力、電磁気力、強い力、弱い力が働いているが、これらはすべて遠隔力であり、接触力ではない。物体同士が厳密に接触している事は無いので、物体同士の距離がゼロになることもない。電子は一番エネルギーが低い状態になっても動いている。ゼロ点振動と呼ばれる現象である。この振動のエネルギーのために絶対零度にはなり得ない。つまり、「ゼロ」は思考実験上の産物であり、存在しない。 本書の中に核心をつくような、しかし詩的な文章がある。引用に著者自身が言葉を付け加えたものだ。 神は数学者である。 しかし、神はゼロと無限が嫌いである。 そして人間はゼロと無限が大好きである。 人間はゼロや無限にとらわれがちだ。今より更に多くを手に入れようとしたり、幸せな時間の永遠を期待したり。または、ウイルスの根絶、身綺麗な状態などではゼロを。ゼロか百かを求める。数の区切りとしての分かりやすさと序列化の習癖、不安定で半端な状態からの回避欲求があるからだろうか。 ランダム性こそがゲームであり、デジタル化が進めば人生は予測可能なゲーム性なき世界に突入する。思考実験の産物であるはずの「無限とゼロ」を再現するのは、仮想世界ゆえだ。チート可能な仮想世界で何を見るのだろうか。
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