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所有とは何か ヒト・社会・資本主義の根源 中公選書138
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2023/06/08 |
JAN | 9784121101396 |
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所有とは何か
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商品レビュー
2.5
5件のお客様レビュー
執筆者の1人がいみじくも書いている通り「寄り合い所帯のショッピングモール」で「基礎工事の部分において見切り発車で建てられている」。章立てはあるものの、各論者の専門分野や関心から「所有」が語られているが、各章のつながりが希薄で全体結局何が言いたいのかわからない。 あえていえば、...
執筆者の1人がいみじくも書いている通り「寄り合い所帯のショッピングモール」で「基礎工事の部分において見切り発車で建てられている」。章立てはあるものの、各論者の専門分野や関心から「所有」が語られているが、各章のつながりが希薄で全体結局何が言いたいのかわからない。 あえていえば、「所有」って難しいよね、ヒトとモノとの関係って簡単に割り切れないし、所有をめぐるヒトとヒト、ヒトとモノとの関係も社会や文化の変化で流動的になるしね、というのが総意かな。 勿論、個別には鋭い分析や新たな知見も含まれている。第2章のタンザニアのインフォーマル経済については、現地での実証研究に基づいていて面白かった。第1章は沖縄の戦後の地方紙での貧困や犯罪を題材にしているが、それが「所有」とどう関わるのかは全然わからず、読了するのに苦労した。 後、他の方も書かれているように、法制史や法哲学、民事実体法等の法学者を執筆者に入れていないのは、「所有」を語るうえで不充分。法学者を入れたら、伝統的な議論に終始するって、あえて外したのかな、と邪推してしまう。
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2章、3章は秀逸。4章も経済学説の整理としてわかりやすい。タンザニアでの観察研究の結果や中国の歴史的経緯を経済学で整理していただければ更に良かったと思う。欲を言えば、法学者による論考も。
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面白かったけどなかなか難しかった。 3〜5章は特に。 5章は、世界システム論から所有を語っているということで大変関心を持って読んだ。 世界システム論と所有の接続ポイント(「外部の内部化」=収奪)まではよく理解できたが、その後、リオリエントのくだり以降は議論を追えなくなってしまった...
面白かったけどなかなか難しかった。 3〜5章は特に。 5章は、世界システム論から所有を語っているということで大変関心を持って読んだ。 世界システム論と所有の接続ポイント(「外部の内部化」=収奪)まではよく理解できたが、その後、リオリエントのくだり以降は議論を追えなくなってしまった。 1章は、新聞記事を並べるだけじゃなくてもう少し論じてほしかった。 あの新聞記事と所有権の解体には飛躍があるのに、そこを埋める議論が抜けている。 戦後沖縄の空気感はよく伝わった。 圧倒的にわかりやすく面白かったのは2章。 さすが小川さやかさん。 どうしたら私は所有の欲望まみれのこの私から解放されるだろう?という問いのヒントをタンザニア商人から教えてもらうつもりで読み進めた。 まず所有しないことのメリットは、『チョンキンマンションのボスは知っている』で論じられていた通り、リスクヘッジであることはよくわかった。 ひとまず私は銀行口座をもう一つ開設しないとタンザニア人に卒倒されてしまう。 一方でいま我々は、いろんなものを所有することで自分を打ち立てている。 私もそうで、服やアクセサリーが好きだしどういうものを身につけているかで自分を規定している部分は大きい。 でもタンザニアの人は、「手放すことで自己を打ち立てる」のだという。 手放すこと(贈与したり売ったり貸したり)は自己を打ち立てることと反対のように思えるが、手放したものにも自己は宿っていて、手放した先の新たな所有者が自己の存在をそこに感じてくれる。 そうして手放すことでも自己の唯一無二性を他者から承認してもらうことができる=自己を打ち立てることができる。 このような理屈だった。 とても納得できるものだったし、凝り固まった所有欲に支配されている自分に新しい風を吹き込んでくれると思う。 ただ、一つ気になったのが、「上記のような自己の打ち立て方は、人との関わりが煩わしくないだろうか?」ということ。 所有なら、他人が単に外から見るだけである程度自己ブランディングに成功するわけだけれど、手放すことによる自己の打ち立て方は他人との濃密な(?)コミュニケーションなしには成立しない。 それを煩わしいのでは?とか思ってしまう私は、さめざめとした現代人なのだろうか…
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