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川と人類の文明史
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 草思社 |
発売年月日 | 2023/02/27 |
JAN | 9784794226389 |
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川と人類の文明史
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3件のお客様レビュー
川が人類に及ぼし得る影響や相互作用について、あらゆるトピックをカバーして、しかも様々な具体例を示して、予想よりも読みごたえがあった。 特に、当然だが米国の事例も多く出てきて、その点でも面白かったし参考になった。 冒頭の口絵だけでも既に面白そうでわくわくするし、プロローグもいい。川...
川が人類に及ぼし得る影響や相互作用について、あらゆるトピックをカバーして、しかも様々な具体例を示して、予想よりも読みごたえがあった。 特に、当然だが米国の事例も多く出てきて、その点でも面白かったし参考になった。 冒頭の口絵だけでも既に面白そうでわくわくするし、プロローグもいい。川から人間が得られる基本的な利益は「アクセス、自然資本、テリトリー、健康な暮らし、力を及ぼす手段」の5種類があり、これらの利益に対する人間の根本的なニーズは変わっていない、ーーという指摘も面白い着眼。 エジプトで為政者たちがナイル川の氾濫度合いを推しはかり、ひいては収穫量をもとに統治に役立てるため「ナイロメーター」(要は水位計)を長年活用してきたという話も面白かった。 とりわけ災害(ハリケーン)や復興とそれにまつわる政治との連接を描いた第4章「破壊と復興」は面白い。 ハリケーンカトリーナとハービーの話。水害などの自然災害のあと一般に人口が増加する(&急激な経済成長)という指摘は面白い。曰く、外部からの復興資金・雇用機会・そして保険金や融資や寄付金さらに再開発計画等が流入して動き出すからだ、と。 また、カトリーナ後の共和党ジョージ・W・ブッシュが、被災地やFEMAの現状を把握できず(FEMA長官を「すばらしい仕事wした」と評してしまう等)批判を招き、ブッシュ率いる共和党の印象が「取り返しがつかないほど悪化した(特に黒人に対して)」とか。 そもそもその前の20C初めはむしろ共和党が黒人の指示を集めていたのに1927年ミシシッピ川洪水では共和党のクーリング大統領は被災地訪問を拒み、マイノリティから支持を失うという失態を招き、さらにその後大統領となったフーバーは被災地の黒人に同情的態度をとるようにみせかけつつ何もしなかった(嘘をついた)ことで次の選挙で黒人票を失いほどなく民主党に大敗したとか。 以後の大統領はすぐ現地に姿をみせて救援機関のリーダーらと深刻そうに話し合い対応者を称賛し被害者を抱きしめるのだと。 中国では満州事変の後に蒋介石が黄河を決壊させ日本軍(と多くの地元国民)に被害を与えたもののその後新流路は毎年洪水となり、終戦後流路を戻すかどうかで共和党と争いになった末身勝手に戻したことで国民の支持を失い共和党支配(1949~)にいい立った、とか。 また米国の「訴訟社会」を招いたのは1889年ジョンズタウンでの老朽化ダムを用いた大富豪向けクラブでのメンテ不足によるダム決壊(2000人超が死亡)やそのころの英米での同種の「人工洪水」が原因だった、とか。 このほか第7章も出色。 国際河川のダム建設(大エチオピア・ルネサンスダムとか)や、導水路(インドの河川連結事業)、環境問題はもちろんのこと、ダムのインパクトについて、流況のデザインによる経済と環境の最適化(デザイナーフロー)、土砂管理(排砂)、流れ込み式ダム(落差がほぼない、水をほぼためない)、更に小水力発電やRFF(Rice Field Fishery)といった新しい話題も網羅的に述べている。 単なる叙述でなく、大事な話題・論点を全体的に体系立ててカバーしていることに感銘。 終盤には「ビッグデータ」と称して衛星観測の可能性が語られている一方で、都市の中で河川空間やウオーターフロントのもつ可能性も世界の実例を伴って紹介されていて、、、 まだまだ川は面白い未来を秘めているし、多方面の可能性があるよなと実感さえさせられた。 ちょっと長かったけど、面白かったし読んで良かったな。 ただ、自分は川のことが好きなのであって防災(だけ)がしたいわけではなかったんだよなあ、とも考えさせられたり。 いずれにせよ、いつかはこういうこういう思索、そして文章を書くことをしてみたい、とも思ったのである。
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川の働きで最も重要なのは山間部の養分を海に運ぶことである。プランクトンが増えれば昆虫や川魚の種類も増える。それらの死骸も含んだ水が海を豊かにする。ダムや護岸工事は川の「砂漠化」に他ならない。 https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2024/03...
川の働きで最も重要なのは山間部の養分を海に運ぶことである。プランクトンが増えれば昆虫や川魚の種類も増える。それらの死骸も含んだ水が海を豊かにする。ダムや護岸工事は川の「砂漠化」に他ならない。 https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2024/03/13/122227
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歴史は川(水)と共にあると言っても過言では無いだろう。 このことから、川を知ることはその土地の歴史を学ぶことができると手にした本です。 古の川についてだけでなく、現代の川の利用やその変化についてもあり、時代的には話が飛ぶので少し戸惑う。 興味深く感じたのは、川で溺れかかった少...
歴史は川(水)と共にあると言っても過言では無いだろう。 このことから、川を知ることはその土地の歴史を学ぶことができると手にした本です。 古の川についてだけでなく、現代の川の利用やその変化についてもあり、時代的には話が飛ぶので少し戸惑う。 興味深く感じたのは、川で溺れかかった少年である。 助けられた少年は大人になり世界的に大きく歴史に登場する人物。この少年がもし助けられなければ歴史は変わっていただろうか。そうでなくてもまた欲深きものは現れたものだろうか。
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