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駆け入りの寺 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2023/06/07 |
JAN | 9784167920531 |
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駆け入りの寺
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自らの専門分野である、古代や仏教を題材にした小説で作家としてスタートした、澤田瞳子。 近代を題材にした作品で直木賞も受賞し、作品の幅も広がってきています。 『星落ちて、なお』 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B094HZ...
自らの専門分野である、古代や仏教を題材にした小説で作家としてスタートした、澤田瞳子。 近代を題材にした作品で直木賞も受賞し、作品の幅も広がってきています。 『星落ちて、なお』 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B094HZY84B 未読の文庫化された作品がないかと探していたところ、この短編集があることを知ったので、読むことにしました。 時代は江戸時代中期(18世紀初め)。 京都の中心部から北東に一里離れた場所にある比丘尼御所、林丘寺というお寺が舞台になっています。 比丘尼御所とは、天皇の血を引く女性が住持(住職)をつとめる尼寺。 この林丘寺に持ち込まれる問題と、その対処の顛末が、7つの短編に分けて描かれています。 各作品を通じて登場するのが、この寺を守る役目の青侍、梶江静馬。 25歳の彼は、この寺に勤めるきっかけとなった、子供の頃の出来事を今でも、後悔しています。 もう一人、中心人物として各話に登場するのが、80歳をこえて今なお元気な前の住持、普明院元瑶。 後水尾天皇の第八皇女で、開山(初代住持)として林丘寺に迎えられたという高貴な血筋ながら、静馬をはじめとする寺の面々にも、気さくに話しかけるお人柄。 寺で起こる/寺に持ち込まれる騒動を解決しようと奔走する、生真面目な静馬。 そんな静馬をやんわりと諭しながら、時には探偵のように、時には裁定者のように、自らも騒動に関わる元瑶。 やわらかい「御所ことば」で交わされる会話もあいまって、心穏やかに読み進めました。 作品を通じてテーマになっているのが、「逃げる」ということ。 ・大事なことに立ち向かわずに逃げてしまうと、場合によっては一生、後悔することになる ・では人は、どんな時でも、逃げてはいけないのか? 逃げた人間は一生、責を負うのか? 作品の中で繰り返されるこれらの問いかけに、自分自身も考えさせられました。 作品の舞台となっている比丘尼御所については、鎌倉などでの寺社参拝を通じて、存在は知っていました。 しかしそれ以上のことは知らず、本作品を読んではじめて、具体的なイメージを描くことができました。 資料も多くはないであろう、江戸時代の比丘尼御所を題材に、このような作品を書こうとよく考えたものだと、感心してしまいました。 ますます、この作家さんの作品の幅が広がってきたようなので、さらに文庫化された未読作品を探して、読んでいきたいと思います。 .
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優しい元揺の登場が毎度待ち遠しく読み進めてました。歴史背景知識はあまり必要なく読み進められるので、澤田瞳子小説にしては読み進めやすい作品だと思う。
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202306/最初は登場人物がわかりにくかったのと、文中()での注釈説明文が世界観を邪魔するので読みにくかったけど面白かった。この舞台でこの展開を作り出すのは澤田瞳子ならでは。
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