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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 主婦の友社 |
発売年月日 | 2023/04/20 |
JAN | 9784074543915 |
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商品レビュー
3.1
18件のお客様レビュー
中島京子さんの著書は何冊か読んだけれど、エッセイは初めて手にした。 「やさしい猫」や「夢見る帝国図書館」など、緻密な取材を重ねて書いていらっしゃる様子から、すごく几帳面で真面目な方なのかなと勝ってに想像していた。 このエッセイでは驚くほどのんびりした雰囲気が伝わってきた。年齢特有...
中島京子さんの著書は何冊か読んだけれど、エッセイは初めて手にした。 「やさしい猫」や「夢見る帝国図書館」など、緻密な取材を重ねて書いていらっしゃる様子から、すごく几帳面で真面目な方なのかなと勝ってに想像していた。 このエッセイでは驚くほどのんびりした雰囲気が伝わってきた。年齢特有のあらゆる悩みなんかも吐露されていて、共感することも多い。 そして、コロナ前とコロナ禍の世の中の様子を中島さんの観点から描かれていて、忘れ去られそうなあの世の中のおかしさを思い出させてくれる。 バブル世代でお子さんのいない中島さんの華やかな生活も描かれている。美味しい食べ物と旅行。 バブル崩壊後の就職で三人の子育てにとんでもなくお金がかかる私には羨ましい限り… でも、エッセイに書かれている中島さんの経験のあれこれが、あの作品この作品に出てきたなぁと思い起こすのもまた楽しい。 美味しいものをたくさん食べて旅行もして、中島京子さんだからこそ書ける小説をこれからもたくさん生み出して欲しいなぁと思う。
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▼四年間というのは、それなりの期間で、この時間の中で顕著なのは、コロナ前とコロナ後で、生活のスタイルが一変しているところだと思う。 (中略) もう一つ、はっきりしているのは、五十代の半ばから後半にかけての記録となったということ。これは、自分にとってのメモとして、それなりにおもし...
▼四年間というのは、それなりの期間で、この時間の中で顕著なのは、コロナ前とコロナ後で、生活のスタイルが一変しているところだと思う。 (中略) もう一つ、はっきりしているのは、五十代の半ばから後半にかけての記録となったということ。これは、自分にとってのメモとして、それなりにおもしろかった。というのは、やっぱり五十代は四十代とすごく違う、ことに後半はそれがはっきりわかる。その感覚を書いているので、こればっかりは、この年齢じゃないと書けないことではないかと思う。(pp.268-269、「おわりに」) 中島京子の本はほとんど読んでいるはずが、久しぶりにチェックすると、未読本があった!そのうちの一冊を図書館で借りてくる。 ちょうど、コロナ禍の前後4年間の話が収められていて、そういう点でも、また少し年上の人の50代に入ってからの話という点でも、おもしろかった。 ▼昔の小説や随筆を読んでいると、「彼女は五十がらみの老婆」とか、書いてある。いやいやいや。五十歳は老婆ではないでしょう、と思うけれども、もちろん、寿命が延びて、常識が変わったせいなのだ。 (中略) …「老」になる年齢が先延ばしされるとなると、「中年」が間延びするような感じになるのだろうか。 NHKが二〇一五年に行った「中年は何歳から何歳まで?」という調査の結果は、回答結果を平均すると「四十歳から五十五・六歳まで」と、なったのだという。昔なら、三十過ぎれば、あるいは、三十五歳くらいから、「中年」枠だっただろう。五歳くらいずつ、感覚が以前と変わった感じ? 自分の年から七歳引いたものが、気分的にぴったりくるという話も聞いたことがある。(pp.257-259、「七十歳は、老婆か否か? グレイヘア問題、その他」) 「中年」て何歳やったっけ?と、私も思うことがあった。中島が書くように、私の認識でも「三十代は中年枠」だったが、読んだり、話したりする中で、(え?中年てなんぼ?)と思うことがあった。 辞書を引いてみる。(ドラマ「舟を編む」を見ていて、同居人が最近続けざまに買ってきた新しい辞書である。) ▼ちゅうねん【中年】①青年と老年との中間の年頃。四〇歳前後の頃。壮年。 広辞苑(第七版)2018年刊 ▼ちゅうねん【中年】人を年齢によって分けた区分の一つ。五十代から六十代の前期にかけての年。 新明解国語辞典(第八版)2020年刊 えっ、すでに語釈にズレがある。「四〇歳前後」と「五十代から六十代の前期」って、重なってさえいない! では、うちにある古い辞書を引いてみる。 ▼ちゅうねん【中年】①青年と老年との中間の年頃。四〇歳前後の働き盛りの頃。壮年。 広辞苑(第二版)1969年刊 ▼ちゅうねん【中年】青年と老年の中間。四十歳前後。 岩波国語辞典(第三版)1979年刊 どちらも岩波だからか、中年は「四十歳前後」である。前後、というからには「前」をとると三十代(の後半?)も入るだろう。こうなると、他の辞書も引いてみたい。新しいのも古いのも。いったい「中年」はどう定義されているのか、語釈の変化はあるのか。 ちなみに、広辞苑(第二版)は、私が生まれたときに、両親が「記念に」購入したもので、後ろの見返しに「誕生を記念して」と父と母がサインをしている。第二版の第一刷発行日は、私の誕生日の一週間ほど後で、両親が購入したのはさらにその一週間ほど後らしい。 (2024年4月22日 了)
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中島さんの作品が好きであるが故に、エッセイを読むことを少しだけ懸念していた。が、結果まったくいらない懸念でした。作品の背景が垣間見えたり、より魅力的に感じたり、中島さんの作品だけでなくひととなりも好きだ〜じわじわ〜という気持ち。
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