![いなくなっていない父](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/002004/0020042880LL.jpg)
- 中古
- 書籍
- 書籍
- 1220-04-00
いなくなっていない父
![いなくなっていない父](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/002004/0020042880LL.jpg)
定価 ¥1,870
1,100円 定価より770円(41%)おトク
獲得ポイント10P
在庫わずか ご注文はお早めに
発送時期 1~5日以内に発送
![](https://content.bookoff.co.jp/assets/images/banner/campaign/limited/blank-750-120.png)
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 晶文社 |
発売年月日 | 2023/04/25 |
JAN | 9784794973542 |
- 書籍
- 書籍
いなくなっていない父
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
いなくなっていない父
¥1,100
在庫わずか
ご注文はお早めに
商品レビュー
3.9
9件のお客様レビュー
短いセンテンスが続く文章はとても鋭い。書かれているのは“本音”だと感じる。父親に対する想い、家族、血のつながり、他人と交わること。そこにあるわからなさ。そこで感じ考えたことが取り繕うことなく書かれた、そう思える文章には「不気味」さや「息苦し」さもたしかに感じたけれ...
短いセンテンスが続く文章はとても鋭い。書かれているのは“本音”だと感じる。父親に対する想い、家族、血のつながり、他人と交わること。そこにあるわからなさ。そこで感じ考えたことが取り繕うことなく書かれた、そう思える文章には「不気味」さや「息苦し」さもたしかに感じたけれど、同時にそれを書いても良いんだなという、ひとの普段は表には出てこない部分を肯定出来るような驚きがあって。当然あるわからなさも含めて、真摯に書くことは、答えを出す、解決すること以上にたくさんのものを肯定する、してしまうのだと思う。いつか書こうと思っている父親のことはこんな風には書けないなとも思ったけれど、それでも書いてみようという勇気も出て来た。そんなことを思える文章は、やはりとても優しいのだと思う。 友人の父親の精神科医との会話で、ある言葉を聞いて驚くシーンがあるのだけど、そこでの「それは考えてもみないことを言われて驚いたというのではなくて、思ってはいたけれどそれを言ったらおしまいというか、思っていても口にしにくいというか……」というその驚き、今この本を読んで感じています、と思ったりもして。上に書いたみたいにその驚きと同時に肯定感も強く感じたのだけど、それは単純にそれらの言葉にというよりも、この文章、本の中にそれがあるからなのだとも思っていて。その理由みたいなものはまだうまく言葉に出来ないけれど、やっぱりここに感じている優しさが関係しているのではと考えているところ。 ここに載せられた写真にあるような生々しさみたいなものは苦手なのだけど、とても好みな乾いた文章の間に挿入される写真を見ていくと、そこで受ける印象には乖離と同時に統一感があったりもして。当然だけど文章、写真も含めてこの本はひとつの作品なのだなと納得したし、とても素晴らしいと思った。
Posted by
何かを行う行為や発せられた言葉にいちいち意味をつけたくなるのは人間のさがか、それとも本能的な動物らしい欲求か。 蒸発を繰り返す自身の父を著者、金川晋吾氏が何年もかけて撮影し、写真を通して親子関係を写真と共に淡々と綴っていくエッセイ。 写真を撮り続けることに意味はあるようでなく...
何かを行う行為や発せられた言葉にいちいち意味をつけたくなるのは人間のさがか、それとも本能的な動物らしい欲求か。 蒸発を繰り返す自身の父を著者、金川晋吾氏が何年もかけて撮影し、写真を通して親子関係を写真と共に淡々と綴っていくエッセイ。 写真を撮り続けることに意味はあるようでなく、蒸発を繰り返す父に対して真意を問いただすことにも意味は特にない、という境地に辿り着く金川氏の作中の描写は、広い運河を流れに沿ってプカプカ浮遊しているような強さと柔らかさと覚悟がうかがえた。 それは父と向き合うことを放棄したわけでは決しってない。 意味をあえてつけないことは、意味をつけることの先にあるお互いの共存を認め合う信頼であり、愛であり静かな肯定そのものだったのだ。
Posted by
金川さんの作品は何度か見たことがあるが、この本を読んで、改めて見てみたくなった。 金川さんの写真との向き合い方、お父様との向き合い方が、困惑も含めて赤裸々に書かれ、もはや哲学書のよう。 粘り強く、誠実に綴られた言葉が持つ面白さがある。
Posted by