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ペルシャの神話 ちくま学芸文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2023/04/12 |
| JAN | 9784480511799 |
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ペルシャの神話
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商品レビュー
4.7
3件のお客様レビュー
古代ゾロアスター教に連なるペルシアの神話、及び中世ペルシアの一大文学「王書」の内容を分かりやすく、要点をつまんで記載した入門書。2023年と直近に出版されており、最新の情報が使われている。著者の岡田恵美子先生は岩波版「王書」の訳出にも携わっており、研究の第一人者が平易な言葉遣いで...
古代ゾロアスター教に連なるペルシアの神話、及び中世ペルシアの一大文学「王書」の内容を分かりやすく、要点をつまんで記載した入門書。2023年と直近に出版されており、最新の情報が使われている。著者の岡田恵美子先生は岩波版「王書」の訳出にも携わっており、研究の第一人者が平易な言葉遣いで書き記した傑作入門書といえる。
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「インド神話(上村勝彦)」を読んだときと(わざわざ比較するのも妙な話ではあるが)まるでちがって、読む端から火花がぱちぱちと散るように感じた。咄嗟に思ったのは、『水』のめぐりが意識されがちなアジアとの異なりーー筆者が文に表したとおりの、いのちをうばわんばかりの陽の照りつけ、ぱっと炎...
「インド神話(上村勝彦)」を読んだときと(わざわざ比較するのも妙な話ではあるが)まるでちがって、読む端から火花がぱちぱちと散るように感じた。咄嗟に思ったのは、『水』のめぐりが意識されがちなアジアとの異なりーー筆者が文に表したとおりの、いのちをうばわんばかりの陽の照りつけ、ぱっと炎を燃やすような『油』の印象の強さだった。 けれどページをめくっていき、天地創造といきもの、人間誕生、王と英雄の時代ーーひいて、「めぐる天輪」の容赦ない運命の与え方ーーと進んでいくにつれて、考え方がもしわたしたちと、それこそ『水と油』ほどにちがっているとしても、見過ごしてはいけない情、気持ちと愛の通い合いはかれらにもある/あったのだと深く感じ得た。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これは面白かった。善の神と悪の神の戦い、天地創造の神話以降は神そのものの姿は遠のくものの、人間離れした寿命と才を持つ王族や英雄の物語はわくわくする。解説にも書かれているが、まるでおとぎ話のように善と悪がくっきりしてして禁断のロマンスあり、心燃え立つ復讐の戦あり、変わった外見故に捨てられた子供が神獣に育てられる話あり、と読者(本来は聴衆なのだろうか)を飽きさせない。 イスラーム化以降もイランの人々の心にこの神話は深く根付いているとのことだが、そりゃあこんなかっこいい英雄や麗しい姫君揃いの面白い話ならそうだろう、と納得した。イランの英雄ザーベと敵国の姫ルーダーベの秘密の恋が成就するあたりが特に好き。 ペルシャ神話には、人間の儚い生への諦念が常に付きまとっている。 「しかし、現世はわれらに何をしてくれるのでしょう。ついには死の苦痛と、土のしとねを与えられない者が一人としているでしょうか。」 このような台詞を、栄華の極みにあるはずの王や英雄が幾度となく口にする。あとには何も残せない、後には散る花のような人生(とはいっても、何百年も生きたりするのだが)を、彼らは立派に咲かすのである。 読みやすく落ち着いた語り口ながら、ときたま抑えきれず興奮と感嘆の!が出てしまう著者の書きぶりも良かった。著者自身がこの物語に魅せられているからこそ、一緒に物語の中に心地よく浸かりきることができる。神話の成立など学術的な話はまえがきで本当に最小限にし、物語の筋に集中できるようにしているのも魅力を最大限に活かしたいからなのだろう。 あとがきにさらっと書かれている続きの部分もものすごく面白そうなんだけど、続きは一体どこで読めるのだろうか。続編求む!
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