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観音様の環 100 min. NOVELLA
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | U-NEXT |
発売年月日 | 2023/04/07 |
JAN | 9784910207759 |
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観音様の環
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商品レビュー
3.5
8件のお客様レビュー
U-NEXTの100min.NOVELLAシリーズ、四冊目は、日中二言語作家で翻訳家でもある、李琴峰(り・ことみ)さん。 本書の物語の主人公「寒川マヤ」は、台湾人の母と日本人の父を持つハーフであり、瀬戸内海の島で生まれ育った彼女は、小二の頃に亡くなった父の常軌を逸した母への...
U-NEXTの100min.NOVELLAシリーズ、四冊目は、日中二言語作家で翻訳家でもある、李琴峰(り・ことみ)さん。 本書の物語の主人公「寒川マヤ」は、台湾人の母と日本人の父を持つハーフであり、瀬戸内海の島で生まれ育った彼女は、小二の頃に亡くなった父の常軌を逸した母への暴力を目の当たりにした後、今度は母から種類の異なる、一方的な束縛を受けたことにより、母には何も告げず逃げるようにして東京へ行き、そこで知り合った「ジェシカ」と共に暮らすため、先に帰国した彼女の後を追うようにして台湾へ渡る。 父親だけではない男達への恐怖心に近いイメージと、母の束縛が影響したのか、台湾で暮らす今でもマヤ(茉彌)の中で渦巻くのは、支配や従属への過敏な拒絶反応であり、更に彼女を思い悩ませていることに、善意から派生したものが含まれていることによって、善意に満ちた国民性が宝でもある、台湾に対する印象も悪くさせていることには、以前、オードリー・タンに関する本を何冊か読んでいた時の、私の台湾に対する印象が、まさにそうした素晴らしいものであったため、そんな立場の異なる人から見れば全く違った景色に変わる、一通りではない国の姿に感じられた、台湾生まれの李さんならではのニュートラルな視点が、私にはとても新鮮だった。 そしてマヤの、頑なまでに自分の領域をはっきりと線引きしたような拒絶反応には、実は別の大きな理由があり、その真相に意外性こそ無かったものの、そこに至るまでの過程には確かな説得力を感じられた、そんな李さんの物語の構成には、過去の作品の人物を再登場させることも含め、どこか自ら構築する作品の世界観に対する温かさや信頼感があるようにも思われる。 そんな信頼感は、決して相容れないように思われた親子関係が、台湾から日本へ来た母と日本から台湾に行った娘とが交差するのをきっかけとして、様々な共通点が幾重にも重なり続けてゆくように、マヤの中ではおそらく、結婚したジェシカとも分かち合えないのではないかと思われた、その彼女の壮絶な過去に起因した、絶対的とも思われた見えない鎖から解き放たれるような展開には、まるで彼女のことを後ろからそっと見守ってくれている仏様の慈悲を感じられるようで、そうした今の時代に於いて蔑ろにされがちな昔からある変わらないものと、コロナ禍に於ける国の姿勢から垣間見えた保守的な日本と、多様な価値観を認めている台湾との比較から、ごく自然な形で映し出された同性婚の在り方といった、それら新旧のものが溶け合いながら不思議な融合を遂げた物語には、いつの時代に於いても、世の中に絶対なんてものは無いのだということを、私に実感させてくれた。
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母親が台湾出身で小さな島で育った主人公は幼い頃からいじめられて育った。母親は日本語が理解できないのでただただ勉強、勉強と繰り返す。 母親の束縛から逃れるため東京まで家出をし、そこで出会ったバーの女主人の助けを借りて生きていく術を得る。そしてパートナーを見つけて自分の過去を回顧して...
母親が台湾出身で小さな島で育った主人公は幼い頃からいじめられて育った。母親は日本語が理解できないのでただただ勉強、勉強と繰り返す。 母親の束縛から逃れるため東京まで家出をし、そこで出会ったバーの女主人の助けを借りて生きていく術を得る。そしてパートナーを見つけて自分の過去を回顧していくが穏やかな波に漂っている話で、母親が自分を父親から助けてくれていた事に気づき、母親の偏った愛情に至った経緯も大人になって気づく。 そこから和解など感動ものじゃないけど、いつか親に会いにいきたいと願い呪縛から解かれる 有様が目に浮かぶ。家族とは??と考えさせられる内容だった。
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ちょっと理屈っぽくって生真面目。そしてそれに照れながらも、自分の思いを文章にのせていく。李琴峰の話はちゃんと聞こうと思える。
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