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農協のフィクサー
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2023/02/21 |
JAN | 9784065308912 |
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商品レビュー
3.4
12件のお客様レビュー
京都の農協を牛耳った中川氏とその悪行(道徳的な意味)を知らしめる内容。野中弘務氏との闘いは読みごたえがある。 惜しいのは週刊誌的な「質問したが期限までに回答がなかった」という表現がいくつか残っているところ。雑誌風になってしまい読む人によっては信憑性を低くみるかもしれない。
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自分は農業を営んでいないものの、親族がJA組合員かつJA職員ということでなんとなく”フィクサー”というワードで興味を持って読んだ。 それもあるので、農協のフィクサーとあるが、ほぼJAグループ京都の話であるのは少し興味が削がれた。 とはいえ、現職会長の中川氏の問題点を丹念な取材で暴...
自分は農業を営んでいないものの、親族がJA組合員かつJA職員ということでなんとなく”フィクサー”というワードで興味を持って読んだ。 それもあるので、農協のフィクサーとあるが、ほぼJAグループ京都の話であるのは少し興味が削がれた。 とはいえ、現職会長の中川氏の問題点を丹念な取材で暴いていくところは多少なりとも政治に興味があるとやはり面白い。 ただ、上記の中川氏の問題はあるのだが、京都に限らず日本の農業を推進・支援していくはずのJA(京都)が営農支援に注力せず金融業を強化していくのは、経営的観点ではやむ得ない部分はあるものの、農家生まれとしては残念さが否めない。地元のとある公共のシステムを担当しているシステム会社営業部長からも、似たような話を聞いていてそもそも農協とは何のためにあるのか?という根本的な意義に対する疑問を持った。 audible版
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障害をバネにのしあがり、政治の世界にも進出しつつ、京都の農協のトップに長年君臨して、数々の「悪事」にも手を染めてきた「農協のフィクサー」、あるいは「農協の独裁者」といえる中川泰宏とは何者かに迫ったノンフィクション。 中川泰宏という人物については、小泉チルドレンにいたかなという程度...
障害をバネにのしあがり、政治の世界にも進出しつつ、京都の農協のトップに長年君臨して、数々の「悪事」にも手を染めてきた「農協のフィクサー」、あるいは「農協の独裁者」といえる中川泰宏とは何者かに迫ったノンフィクション。 中川泰宏という人物については、小泉チルドレンにいたかなという程度でほとんど何も知らなかったが、京都の農協を支配し、野中広務とも激しい政争を繰り広げたこんな特異な人物がいたのかと驚いた。本人には取材できていないものの、関係者への聴き取りや著書の分析など丹念な取材により中川泰宏の人物像を克明に浮かび下がらせており、とても読み応えのある本だった。本人や農協からの強い抵抗を受けつつも数々の「悪事」を暴き続けた著者のジャーナリストとしての矜持と能力にも敬意を表する。 中川泰宏という男は障害をも味方につけ自らの才覚により京都の農協や政界で勢力を伸ばしてきたということで、ある種の人間的魅力のある人物なのかとは思うが、個人的にはアクが強すぎて、決して関わりたくはないなぁと思った。著者が明らかにした中川の数々の「悪事」、特に、被差別部落でないのに同和対策補助金を受領したことや、農産物輸出促進につながりそうもない海外での晩餐会の開催といった私腹を肥やすためとしかいえない公私混同的な公費の使用は許しがたいものがある。著者などにより問題が公になっているのに、なかなか改められないことにも闇の深さを感じる。 個人的に、現在の農協は農業振興の役に立たずむしろ足枷になっている部分もあるのではないかと批判的に捉えているのだが、中川のような人物が経営層としてのさばっているところに農協をめぐる諸問題の一因があるのではないかと感じた。ただ、著者も最後に指摘しているように、中川のような「独裁者」が跋扈しているのは農協だけでなく、政界、会社、大学など日本社会の様々なところで存在していると思われ、そのような支配を打破していくことが今後の日本社会にとって不可欠だと思う。そのためには、なかなか難しいとは思うが(自分も当事者なら声を上げられるか自信はないが)、周りがちゃんと声を上げていくということが必要だし、著者のような心あるジャーナリズムの役割が重要だと考える。
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