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目的への抵抗 シリーズ哲学講話 新潮新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2023/04/17 |
JAN | 9784106109911 |
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目的への抵抗
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商品レビュー
4.3
54件のお客様レビュー
ひま師匠から素敵な提案があった。 『ユッキーも「哲学」好きだから、みんなで読んで一Qさんを追い込むのだw』 素晴らしい!一休さんを追い込むのだ!! ひま師匠から一冊選んで頂き、早速読んでみた。 うん。私は小説しか読めない体だったことに気付いてしまった。 まず、哲学とは...
ひま師匠から素敵な提案があった。 『ユッキーも「哲学」好きだから、みんなで読んで一Qさんを追い込むのだw』 素晴らしい!一休さんを追い込むのだ!! ひま師匠から一冊選んで頂き、早速読んでみた。 うん。私は小説しか読めない体だったことに気付いてしまった。 まず、哲学とは何なのかですよ! 私は分かっておりません。 でも小説を読んでいると、京極夏彦先生の狂骨とか、鉄鼠とか凄く哲学的だと感じたし、平野啓一郎先生も哲学的だなぁと感じる。 じゃ、何で哲学的だと感じるんだろ? 物事を深く、深く考えるとこなのか?? コロナ禍では、命を守るために移動の自由を制限した。 移動の自由かぁ。。。 移動出来ることが自由であると考えたことが無かった。 人間の命を守るだめなのだからと、移動の自由を制限されても、一つも疑問に思わなかった。 移動出来るって自由なんだ! 言葉を使って話をすることで、同意を取り付けて、その同意に基づいて一緒に行動ができる。僕らが話をすることが、結局は大きな規模の政治にもつながっていく。 つまり、ひま師匠が言っていた 『ひたすらに考えるのはそうなんだけど、ちゃんと問題解決の道筋を見つけるのが「哲学」の役割なんよ』 これがこの本の私なりの答えだった。
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コロナ禍における不要不急の外出の制限から「自由」や「目的」を哲学する、といった内容。 実際の大学の講義を文字起こししたような形式なので話し言葉で哲学書にしてはかなりわかりやすいものになっている。ただし、『暇と退屈の倫理学』の実質的な続編になっているため、そちらを先に読んでおくこと...
コロナ禍における不要不急の外出の制限から「自由」や「目的」を哲学する、といった内容。 実際の大学の講義を文字起こししたような形式なので話し言葉で哲学書にしてはかなりわかりやすいものになっている。ただし、『暇と退屈の倫理学』の実質的な続編になっているため、そちらを先に読んでおくことを強くお勧めする。 二章構成になっており、前者はコロナ禍の外出制限を強く批判して炎上したアガンベンという哲学家の発言から哲学家の社会的役割を考察するというもので、後者はコロナ禍における不要不急の外出の制限から「自由」と「目的」を考察するというもの。 個人的には二章目の「自由」と「目的」に関する考察が非常に興味深かった。 コロナ禍によって不要不急の行為を自粛するという風潮になっていたが、実は、清貧の思想などに代表する、贅沢などの非効率的なことを良しとしない考えという形で、コロナ禍前から潜在的に存在していたのではないか?と語られている。さらに、今の社会は目的が先行しすぎていて、目的に縛られない自由を獲得できていないのではないか?とも語られており、真の自由とは、目的を超えてなされる事柄であり、その余裕や、アクセルやブレーキでいう「遊び」を実感することが、人間が人間らしく生きる喜びと楽しみを見出せるのではないか、と結論づけている。 この著作で特に印象に残っているのは、チェスをするためにチェスをする、などのように「AをするためにAをする」という構図以外は、全て自由ではない、としている点である。(例えば、栄養を摂取をするために食事をするなど、AのためにBをする、は完全に自由な意思での行動ではないとする、ということ) この考えは目から鱗が落ちるとはまさにこのことか、と言わんばかりの考え方であり、自分が自由意志で行っていたものは、実は自由意志ではなかったのではないか、と再考するきっかけとなった。 よりよく生きるためには、AのためにAをする、という構図を意識して真の自由を目指してみたいと思えた。 最後に、『暇と退屈の倫理学』があまりにも卓越しすぎた内容であったため、星4としたが、他の哲学本と比べたら、星5の内容であったと思う。
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コロナ禍の行動制限をきっかけとして自由にまつわる哲学的議論を整理した講演録。剥き出しの生の現実の前に不要不急のものとして容易に制限される自由に対して異を唱える哲学の役割や、目的の外にはみ出していくものの中に生きることの本質をみようとする考え方には前著『暇と退屈の倫理学』との共通点...
コロナ禍の行動制限をきっかけとして自由にまつわる哲学的議論を整理した講演録。剥き出しの生の現実の前に不要不急のものとして容易に制限される自由に対して異を唱える哲学の役割や、目的の外にはみ出していくものの中に生きることの本質をみようとする考え方には前著『暇と退屈の倫理学』との共通点が見いだせる。講話のあとの学生との質疑応答からも色々な気づきが得られる。 本書では触れられていないが、例えば結婚や出産をコスパで評価するような考え方も経済的目的合理性を人間の生の上に位置づけているものだ。預金残高やインプレッションの数字を目的として生きる、というと誰もがそんな馬鹿なと笑うだろうが、実際にはそうした考えが人生を絡め取ろうとする力は思いの外強いのかも知れない。
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