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人類はどれほど奇跡なのか 現代物理学に基づく創世記
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 技術評論社 |
発売年月日 | 2023/03/03 |
JAN | 9784297133467 |
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人類はどれほど奇跡なのか 現代物理学に基づく創世記
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難しいがおもしろい! 物理学には関心あるが苦手意識もあるわたしにとって最初から身構えて入った。単に物理学かと思ったらエントロピー増大(と減少)の話とミックスされた宇宙論などが来てムムムとなり、脳神経科学や心理学、哲学も混ざり混んでくる。最後の方には場の量子論が入ってきて、いよいよ...
難しいがおもしろい! 物理学には関心あるが苦手意識もあるわたしにとって最初から身構えて入った。単に物理学かと思ったらエントロピー増大(と減少)の話とミックスされた宇宙論などが来てムムムとなり、脳神経科学や心理学、哲学も混ざり混んでくる。最後の方には場の量子論が入ってきて、いよいよ迷路に入りかけた。でも脳味噌の中がグルグル回転して、過去に読んだあの話とつながるのか!とそれこそシナプス結合みたいなことが起きるのが楽しかった。 筆者が目指したのは、あとがきによると 「複雑に相互作用するそれぞれの要素に目を向けつつ錯綜しながらも明瞭な具体性を持つ全体像をつくり上げること」てあり、目指したのはマックス・ヴェーバーのアプローチだという。なるほど、と思った。自らの専門領域に籠りがちな現代の研究者の枠を越えようとしている。 宇宙から人類が誕生したことは物理学として説明はできるようであり、それが知性を持った経緯やその意味、さらに意識の意味まで入っていく流れは読み応えあります。最終章の「心と物」は近代哲学の呪縛から解き放ってくれて心地よい。宇宙誕生と人類の誕生・進化の間の途方もない時間と格差があったからこそエントロピー減少が起き、今に至ったのだという。 3回出てくるコラムも面白く、特に最初の道元の話しはストンと落ちた。ここで出会えたので難解なこの本を最後まで読めたともいえる。道元の考えは筆者のによれば、「自分という実体は存在せず、仏が自分という姿をとって現れている」「人間は実体ではなく現象だ」 という。科学とは最も遠いととらえられがちな宗教ではあるが道元の教えは極めて親和性が高いようだ。 物理学を中心に様々な科学的アプローチをもってしても神秘性は感じる。そこは筆者の最後の言葉でも感じられる。 「人間は、宇宙の片隅で生まれた。 とてつもなく巨大な宇宙と比べると、どうしようもないほどちっぽけな存在でしかない。 だが、別の見方もできる。人間というちっぽけな生き物を誕生させるにも、 宇宙の広さと長い長い歳月が必要なのである。 人間とは、そうした存在である。」 深いなあ。ということで、吉田伸夫さんの本はまたトライしてみたい。脳味噌が溶けかねないので少し時間は空けたいが。
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