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存在しない時間の中で ハルキ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川春樹事務所 |
発売年月日 | 2023/03/15 |
JAN | 9784758445511 |
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商品レビュー
4.1
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私、701…覚えているわ…あれはそう… とは残念ながらならない。私は光の人でも周辺人物でも無いんだなぁ。 科学と宗教とメタ認識のSF的融合。 山田宗樹さんのSFをいくつか読んできて、中でも最も観念的な作品だと思うのだけれど、そういう作品に起こりがちな置いてけぼり感が殆どない。個人的にはもっと分厚くなっても良かったなぁと思う。観念的だからこそ丁寧な心理描写が欲しい。宗樹SFを好む者は分厚くってもついて行く。と、思う。 エンターテイメントと言うほどの起伏は無い。ただ、自己認識が変容する不思議な作品だった。 以降は感想とは呼び難い連想文章となります。 消去された時間は巻き戻されるが同じ経過を辿らない。かと言ってパラレルワールドではない同一世界。ループというより螺旋様。トルネード広場はそう言う暗示かな。 生命の樹の様に放射状に広がるのではなく、単線がぐるぐる伸びるイメージは、私の中で新しかった。 まったき真理が存在するとして、意識的でも無意識的でも、それを感受、発見出来た人間が居たとして、自分と同じ生物にそれを伝えるための技術を持たないか、或いはまだ開発されていないので証明出来ない、示せないとして、だが伝えなければならないとなるとどうするか。 そこには飛躍が必要になる。 数学、科学、物理学、哲学、宗教、物語エトセトラエトセトラ。 数学と物理学の驚くべき一致。 宗教は解釈によって出来上がる。物語が広がるように。深まるように。 無数の思想、全ての到達点が一つなのではないか。そんなふうに考えることがままある。 物理的な身体としての世界は入れ子式だと思っていて、それが全部だと思っていたのだけれど、精神的な世界もまたそういう風に存在するのかもしれない。物語の中で世界は閉じた。脳内で出来上がった『存在しない時間の中で』という世界もまた閉じた。私という世界もいつかまた閉じる。私という世界を認識していた世界もまた… 頭の中でずっと平原綾香さんの『君といる時間の中で』が流れていた。わたし的にこの作品のテーマ曲。 良い時間を過ごした。
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山田宗樹のsf小説は何故なのか非常に面白い。一気に読んでしまう面白さがある。 ある日突然現れた不可思議な数式を書いて消え去る少年。そこから神?との交信ひいては世界の有り様を変えてしまう出来事に発展していく。 世界を生きる意味とは何なのか、結局些細な事柄で自分の世界は変わってい...
山田宗樹のsf小説は何故なのか非常に面白い。一気に読んでしまう面白さがある。 ある日突然現れた不可思議な数式を書いて消え去る少年。そこから神?との交信ひいては世界の有り様を変えてしまう出来事に発展していく。 世界を生きる意味とは何なのか、結局些細な事柄で自分の世界は変わっていく。全体としての世界は変わらなくとも自分から見た世界は変わっていく。そんな中に自分の生きる意味を見つけ出せるのか。 『気をつけなければならないのは、人はもやもやすると、相手も自分と同じ世界を見て、自分と同じように感じ、自分と同じように考えると、無意識のうちに決めてつける傾向があることです。そうすると、相手がどう考えいるかではなく、自分ならどう考えるかという基準で相手の行間を埋めてしまい、それを相手の真意だと思い込んだまま、そのじつ相手の真意とはまったく無関係の概念に到達するという過ちを犯しかねません。』
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感動した。ホログラフィック理論をベースにしたSFエンタメ。「人類滅亡小説」を読んだ時と同じような感動を味わわせてもらった。山田さんの、迷いながらも雑草魂を体現したかのような人間賛歌の物語は本当に面白い。10次元の存在が4次元の存在へメッセージを送る方法として選んだがこのやり方かよ...
感動した。ホログラフィック理論をベースにしたSFエンタメ。「人類滅亡小説」を読んだ時と同じような感動を味わわせてもらった。山田さんの、迷いながらも雑草魂を体現したかのような人間賛歌の物語は本当に面白い。10次元の存在が4次元の存在へメッセージを送る方法として選んだがこのやり方かよ!っていう突っ込みは当然あるものの、とても素敵な人間賛歌であった。シュミレーション仮説がますます現実味を帯びている昨今ではあるが、だからなんなの?それがどうした!って気持ちで生きていこうと思います。 終盤の、各人との再会の描写が本当に素晴らしい。
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