存在しない時間の中で の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
私、701…覚えているわ…あれはそう… とは残念ながらならない。私は光の人でも周辺人物でも無いんだなぁ。 科学と宗教とメタ認識のSF的融合。 山田宗樹さんのSFをいくつか読んできて、中でも最も観念的な作品だと思うのだけれど、そういう作品に起こりがちな置いてけぼり感が殆どない。個人的にはもっと分厚くなっても良かったなぁと思う。観念的だからこそ丁寧な心理描写が欲しい。宗樹SFを好む者は分厚くってもついて行く。と、思う。 エンターテイメントと言うほどの起伏は無い。ただ、自己認識が変容する不思議な作品だった。 以降は感想とは呼び難い連想文章となります。 消去された時間は巻き戻されるが同じ経過を辿らない。かと言ってパラレルワールドではない同一世界。ループというより螺旋様。トルネード広場はそう言う暗示かな。 生命の樹の様に放射状に広がるのではなく、単線がぐるぐる伸びるイメージは、私の中で新しかった。 まったき真理が存在するとして、意識的でも無意識的でも、それを感受、発見出来た人間が居たとして、自分と同じ生物にそれを伝えるための技術を持たないか、或いはまだ開発されていないので証明出来ない、示せないとして、だが伝えなければならないとなるとどうするか。 そこには飛躍が必要になる。 数学、科学、物理学、哲学、宗教、物語エトセトラエトセトラ。 数学と物理学の驚くべき一致。 宗教は解釈によって出来上がる。物語が広がるように。深まるように。 無数の思想、全ての到達点が一つなのではないか。そんなふうに考えることがままある。 物理的な身体としての世界は入れ子式だと思っていて、それが全部だと思っていたのだけれど、精神的な世界もまたそういう風に存在するのかもしれない。物語の中で世界は閉じた。脳内で出来上がった『存在しない時間の中で』という世界もまた閉じた。私という世界もいつかまた閉じる。私という世界を認識していた世界もまた… 頭の中でずっと平原綾香さんの『君といる時間の中で』が流れていた。わたし的にこの作品のテーマ曲。 良い時間を過ごした。
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山田宗樹のsf小説は何故なのか非常に面白い。一気に読んでしまう面白さがある。 ある日突然現れた不可思議な数式を書いて消え去る少年。そこから神?との交信ひいては世界の有り様を変えてしまう出来事に発展していく。 世界を生きる意味とは何なのか、結局些細な事柄で自分の世界は変わってい...
山田宗樹のsf小説は何故なのか非常に面白い。一気に読んでしまう面白さがある。 ある日突然現れた不可思議な数式を書いて消え去る少年。そこから神?との交信ひいては世界の有り様を変えてしまう出来事に発展していく。 世界を生きる意味とは何なのか、結局些細な事柄で自分の世界は変わっていく。全体としての世界は変わらなくとも自分から見た世界は変わっていく。そんな中に自分の生きる意味を見つけ出せるのか。 『気をつけなければならないのは、人はもやもやすると、相手も自分と同じ世界を見て、自分と同じように感じ、自分と同じように考えると、無意識のうちに決めてつける傾向があることです。そうすると、相手がどう考えいるかではなく、自分ならどう考えるかという基準で相手の行間を埋めてしまい、それを相手の真意だと思い込んだまま、そのじつ相手の真意とはまったく無関係の概念に到達するという過ちを犯しかねません。』
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感動した。ホログラフィック理論をベースにしたSFエンタメ。「人類滅亡小説」を読んだ時と同じような感動を味わわせてもらった。山田さんの、迷いながらも雑草魂を体現したかのような人間賛歌の物語は本当に面白い。10次元の存在が4次元の存在へメッセージを送る方法として選んだがこのやり方かよ...
感動した。ホログラフィック理論をベースにしたSFエンタメ。「人類滅亡小説」を読んだ時と同じような感動を味わわせてもらった。山田さんの、迷いながらも雑草魂を体現したかのような人間賛歌の物語は本当に面白い。10次元の存在が4次元の存在へメッセージを送る方法として選んだがこのやり方かよ!っていう突っ込みは当然あるものの、とても素敵な人間賛歌であった。シュミレーション仮説がますます現実味を帯びている昨今ではあるが、だからなんなの?それがどうした!って気持ちで生きていこうと思います。 終盤の、各人との再会の描写が本当に素晴らしい。
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次女が手に入れて読んでいたけど、少し難しくて途中でやめてしまったみたい。その後「おかあさん 好きそうじゃない?」とオススメされて。 物理学の話なんかが出てくると、たしかに少し難しかった。でもストーリー展開はわかりやすいし、どうなるのかなーという興味も手伝って割とスラスラ読めた。...
次女が手に入れて読んでいたけど、少し難しくて途中でやめてしまったみたい。その後「おかあさん 好きそうじゃない?」とオススメされて。 物理学の話なんかが出てくると、たしかに少し難しかった。でもストーリー展開はわかりやすいし、どうなるのかなーという興味も手伝って割とスラスラ読めた。 この世界は実は…という部分は突拍子もないような仮説ではあるものの、あり得なくもないなあと思えてくる。すごい次元の話なんだけど、具体的に語られているできごとは身近なことの延長という感じなので自然に受け入れられた。 第四部が特に面白かった。今までのあれこれはそういうことだったのかーとわかったり、切なくなる部分があったり。読後、いろいろな登場人物たちに対してあれこれ思いを馳せてしまった。 登場人物たちが、自分の思いや未来のことなどに誠実に向き合っているのがよかったな。 読み終わってすぐよりも、しばらく経ってからの方が『この本 好きだなー』と思ってる。
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パソコンの中のようなデータ世界に人工生命を作ろうとする試みや、その中で生命が暮らす居住空間ができた時に私達の住む世界の存在を疑わなければならない。 鈴木光司氏の『ループ』や野崎まどさんの『helloworld』を読んだ時に思いました。 仮にデータ世界に人工生命が生み出された時...
パソコンの中のようなデータ世界に人工生命を作ろうとする試みや、その中で生命が暮らす居住空間ができた時に私達の住む世界の存在を疑わなければならない。 鈴木光司氏の『ループ』や野崎まどさんの『helloworld』を読んだ時に思いました。 仮にデータ世界に人工生命が生み出された時に私達はその生命が人格や意識を持っているかについて認識できるのか? 最近のAIは人間のように思考しているように見せているだけで、実際はとてつもなく膨大な量の計算を短時間にやっている事と経験則(過去データ)に基づく判断を行っているらしいのですが、それって人間の脳でやってる事と変わらないのでは?と思ったり、じゃあ『心』って何なの?と考えてしまい、個人的に心を持っているものとそうでないものに主観でまとめてみると 0.自分は心を持っている 1.結果的に同じ人間である他人にも心はある 2.人によって意見は分かれるものの動物にも心はありそう 3.虫のような生き物に心は無さそう 4.植物に心は無さそう 5.ウィルスや菌類に心は無さそう 6.地球や宇宙にも心は無さそう まとめていて気付いた事は心があるか無いかは自分の主観が勝手に決めているもので、自分の心以外の『心』の存在を証明する事は不可能なんじゃないかなぁと思いました。 そうなると ≒AIやデータ世界の人工生命にも心や人格が存在するかもしれない 若しくは ≒人格や心のようなものは、思考と記憶の残滓のようなもので、私達人間も心や人格は持っていないかもしれない と勝手に結論づけてしまいました。 世界各国から物理学や数学の研究員が集まる『天文数物研究機構』の若手研究者達が主宰するセミナーに謎の青年が現れ荒唐無稽か?と思われる数式を残していく!? その数式は世界生成の秘密を示しており、神の存在を示唆していた!!! 世界は神の存在を受け入れる事が出来るのか? 神の存在が証明された時、人々はどう生きていくのか・・・ そんな物語です。 そして最後に【私に701の記憶は無かった・・・】
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壮大な世界観のもと行われる異文化理解ならぬ、異次元理解。宇宙消滅を前にして、人類は何ができたのか、、、。
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難しい数式や理論がでてくるのかと思いきや、単純でわかりやすかった。ただ、世界が10次元で出来ていると仮定している割には単純でよくあるSFにしかみえなかった。高次元の世界が人間には理解できないと吟っているので、我々に対してあえて分かりやすくなっているのかも。物語の最後に読者が巻き込...
難しい数式や理論がでてくるのかと思いきや、単純でわかりやすかった。ただ、世界が10次元で出来ていると仮定している割には単純でよくあるSFにしかみえなかった。高次元の世界が人間には理解できないと吟っているので、我々に対してあえて分かりやすくなっているのかも。物語の最後に読者が巻き込まれるような構成になっているのは面白かった。
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