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日本語の発音はどう変わってきたか 「てふてふ」から「ちょうちょう」へ、音声史の旅 中公新書2740
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日本語の発音はどう変わってきたか 「てふてふ」から「ちょうちょう」へ、音声史の旅 中公新書2740

釘貫亨(著者)

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日本語の発音はどう変わってきたか 「てふてふ」から「ちょうちょう」へ、音声史の旅 中公新書2740

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2023/02/20
JAN 9784121027405

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商品レビュー

4.1

17件のお客様レビュー

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2024/03/29

新書にして230ページほどの分量だが、8世紀から18世紀の千年以上にわたる日本語の音声変化をたどる好著。当然ながら、変化をたどるためには聞いたこともない当時の音声を「再建」する必要がある。その材料となるのが、奈良時代の万葉仮名であり、室町時代のキリシタン文献だった。万葉仮名につい...

新書にして230ページほどの分量だが、8世紀から18世紀の千年以上にわたる日本語の音声変化をたどる好著。当然ながら、変化をたどるためには聞いたこともない当時の音声を「再建」する必要がある。その材料となるのが、奈良時代の万葉仮名であり、室町時代のキリシタン文献だった。万葉仮名については漢語音韻学に基づいて精緻な研究が行われ、上代特殊仮名遣、8つの母音の存在、甲類音と乙類音の区別、音節結合の法則などが明らかにされる。こうした複雑な音声や法則は、もともと単語の音節が少なかったことによるものだ。社会情勢の変化は言語情報の必要性を増加させるが、初期の段階では少ない音節に多くの音声を盛り込むことでこれに対応していた。しかし、更に情報が増えると少ない音節では対応しきれなくなり、単語の音節そのものが増えてくる。すると複雑な音声や法則により単語を弁別する必要性が薄れ、母音は減少、甲類音・乙類音の区別は相対化し、音節結合の法則も崩れていった。このような観点から、日本語の音声が具体的にどのような変化を経てきたのか、その変化を先人たちがどのように対自化してきたかを描く。どの言語にも同様の変化は見られると思うが、ひらがなの発明、ひらがなと漢字の混合文体など日本語の特殊性を考察する上でも必須の情報が詰まっている。

Posted by ブクログ

2024/02/24

かねてより「昔の日本語はこんな発音でした」みたいな記事を読むたびに、どうやってそんなことを調べられるのだろうかと不思議に思っていた。本書によりおおむね疑問氷解。スッキリしました 日本語は五十音図の母音と子音がクロスした発音であると思ってふだん疑うこともないが、たとえばタ行などは...

かねてより「昔の日本語はこんな発音でした」みたいな記事を読むたびに、どうやってそんなことを調べられるのだろうかと不思議に思っていた。本書によりおおむね疑問氷解。スッキリしました 日本語は五十音図の母音と子音がクロスした発音であると思ってふだん疑うこともないが、たとえばタ行などは、同じt音で揃えると実はタ・ティ・トゥ・テ・トになる。そんな身近すぎて逆に意識できていないことが見えてくる快感もあった

Posted by ブクログ

2024/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

題は「日本語の発音」だが、広範囲な言語学研究の成果の一部として日本語発音変遷を描いた、重厚な背景を持つ本。 第一章の奈良時代の日本語の発音で言えば、万葉仮名から「上代特殊仮名遣い」を再発見した橋本進吉の話は知っていたが、語根内の「音節結合規則」を発見して有坂秀世の話は全く知らなかった。そしてこの規則が、語と語根の範囲を示す、現代でのアクセントに類するものであることなど全く知らなかった。 次いで第二章、平安時代では、語が長くなることにより文節が生じ、そして文節を示すために音便が生じたとのこと。また奈良時代までは連続母音を避ける傾向だったが、語の接続が増えてゆき連続母音が許容されるようにもなったと。そして仮名文字の出現により、発音と文字との一致、そして(漢字で書く面倒が減ったことで)散文という文学が発生したと。 またハ行の発音変遷も面白い。奈良時代のp音から中世近世のf音、そして18世紀前半ごろからのh音への変化。 第三章、鎌倉時代では巨人藤原定家によるルネサンス。仮名遣いの乱れの指摘だけではなく、漢字かな混じり文を一般的にしたのも定家だとは知らなかった。漢字を組み込むことにより単語が明確になるわけで、逆に言えば平安時代に書かれたかなのみの文章が、鎌倉時代には既に読みづらくなっていたことを示しているようだ。ただ、定家が写本をつくるときに本文改変をしているのは、現代人からすればとても気にかかる。 第四章、室町時代にはポルトガル人宣教師により、当時の発音がローマ字音写されて「日葡辞書」として現代に伝わったことで、当時の発音が明確に判明する。ハ行がf音だったこと、そしていわゆる四つ仮名「じぢずづ」の区別の存在。ダ行にまだ鼻濁音が残っていたために、すんなりと合流しなかったとか。ちなみにいわゆるズーズー弁ではこの四つ仮名の区別が無いとの余談も入る。またオ段長音オーがもともとau(開音:逢坂(あふさか)京(きやう)など)とeu/ou(合音:今日(けふ)蝶(てふ)/法(ほふ)など)とだったのが合流した(「オ段長音の開合の別」)のは江戸初期らしく、日葡辞書の頃は合流前なので区別されて記録されているのだとか。 第五章、江戸時代の話の前に、漢字の音読みに呉音漢音唐音の区別の話が出てくる。ここは「日本語の発音」であっても中国での漢字発音の話と、日本国内での発音変化の話(ハ行の発音変化など)が両方絡んでくるのでとてもややこしい。しかも日本語は音節末尾が(「ん」を除いて)必ず母音で終わる(開音節)が、中国語での漢字発音は子音で終わる閉音節も存在するため、閉音節の漢字発音を開音節で取り込むときに音がズレてしまうこともさらにややこしさに拍車をかける。中国の入声(漢字発音が-k/-t/-pで終わる)や鼻音(-ŋ/-n/-m)に関する話もあり、日本国内での変化前の発音は地名などに残存しているところが面白い。 第六章、江戸時代には「近世ルネサンス」が生じ、例として契沖による万葉集研究(および定家仮名遣いの訂正)、本居宣長による古事記研究が挙げられている。このルネサンスの根本が、上流階級による中世歌学の「みやび(都会的洗練)」継承への対抗として新興知識層が上代古典に注目した、との話に驚いた。都会以外の文化の根拠とするものが「やまとごころ」「やまとだましひ」などの民族主義から生じてくると。ただ、契沖による定家仮名遣いの理論的修正は残念ながら権威により完全無視され、評価されたのは70年後の楫取魚彦「古言梯」までかかったのだとか。そして契沖の仮名遣いを更に修正したのが本居宣長。宣長の時代まで下ると、漢字かな混じり文の書物が一般大衆にまで広まり、そのために漢字の音読み表記が著者たちの勝手な類推などで不安定化した。ここで宣長が(中国語に基づく発音だった)漢字と日本語とを分離して、理論的に発音分析することで日本語発音を整理することができた(ただしその裏には彼の排外的思想が蠢いているわけだが)。また宣長の頃には契沖の頃から更に発音変化が生じて、ア行が全て平安時代と同じく単独母音に戻っていたことも幸運したらしい。 なお契沖や宣長は五十音図に基づいて発音研究を行っている。余談として、アカサタナの順は円仁「在唐記」にある梵音の順序によるものだそうで。 第六章末尾で近代が取り上げられる。歴史的仮名遣いが「中世仮名遣いを否定して十八世紀に確立した」ものであり「口語体は、東京語を基盤としてそれに歴史的仮名遣いが乗るおかしな代物」として歴史的仮名遣い論者を切り捨てているのも興味深い。 知らない話がとてもたくさんあり、読んでいて興奮する本でした。この本も図書館で借りた本なのだが、ぜひ手元に置いておきたい。

Posted by ブクログ

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