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小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか 現代の災い「インフォデミック」を考える 集英社新書1152
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2023/02/17 |
JAN | 9784087212525 |
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小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか
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商品レビュー
3.4
16件のお客様レビュー
著者と私は同世代。というか全く同い年。たぶん同じ頃に、フリッパーズ・ギターやコーネリアスの音楽をリアルタイムで聴いていた。そして、ロッキング・オン・ジャパン1994年1月号と、クイック・ジャパン第3号を読んだ時のこともよく覚えている。それぞれの雑誌を立ち読みした具体的な書店の場...
著者と私は同世代。というか全く同い年。たぶん同じ頃に、フリッパーズ・ギターやコーネリアスの音楽をリアルタイムで聴いていた。そして、ロッキング・オン・ジャパン1994年1月号と、クイック・ジャパン第3号を読んだ時のこともよく覚えている。それぞれの雑誌を立ち読みした具体的な書店の場所まで思い出せるくらいだ。 でもこの著者と決定的に違うのは、私は当時から、うわこいつ最低だな、作る音楽は確かにちょっとセンスあるけど、別にそこまですごくないし、もうこんなやつの音楽二度と聴かねえわ、と心底軽蔑するに至ったのに対し、この著者は、徹底的に小山田のことが大好きで、「特定の地域性を超えたところで聴かれる普遍的な音楽のつくり手」(p31)と異様なまでの過剰評価をし続けていることだ。 そして、週刊文春2021年9月23日号に掲載された中原一歩によるインタビューで、過去のインタビュー内の、「オナニーさせて、ウンコを喰わせた」のは事実ではなく、自身がまとっていたポップな見られ方をアンダーグラウンドの方に変えようとして、編集者と共に模索しつつ行ったイメージチェンジ戦略であることを著者はやたらと繰り返し強調する。まるで、そのことで小山田は完全に免責されるかのように。 そして、小山田本人が実際に行ったと認めた「ロッカーに同級生を閉じ込めて蹴飛ばしたこと。それと小学生の頃、知的障がいを持った同級生に対して、段ボールの中に入れて、黒板消しの粉を振りかけてしまったこと」(pp107-108)は、「およそ40年の時を超えて国際的スキャンダルの素材となるほどの悪辣非道な行為とみなすのは難しいのではないだろうか」(p108)「こうした行為は、たしかに「いじめ」とみなすこともできるかもしれないけれど、これ自体としては極端に深刻なものとはみなしがたい」(p119)とこの著者はこれまた繰り返し主張する。 ロッカーに閉じ込められて蹴飛ばされたり、段ボールの中に入れられて黒板消しの粉を振りかけられたりすることは、どう考えても「いじめ」であり、「悪辣非道な行為」であり、永久に許されるべきではないと私は思う。そして、自身の売り出し方のイメージ戦略として、それに「オナニーさせて、ウンコを喰わせた」という実際には他者が行っていたことを上乗せしたことが事実だとしても、本当にやっていたいじめの内容まで免責されるわけではないし、それがイメージ戦略だと思って行っていた、過去の自身の浅はかさに対しての責任を当然一生をかけて取り続けるべきだろう。
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小山田圭吾に対する批判が、雑誌を恣意的に切り抜いたブログに依拠してなされていた、という話をもう少し掘り下げて知りたくて読んでみました。 ある意味当然ではあるのですが、恣意的な切り抜きかどうかは、結局のところ原典(音楽雑誌記事)に当たってみないと分からないところがあります。 それで...
小山田圭吾に対する批判が、雑誌を恣意的に切り抜いたブログに依拠してなされていた、という話をもう少し掘り下げて知りたくて読んでみました。 ある意味当然ではあるのですが、恣意的な切り抜きかどうかは、結局のところ原典(音楽雑誌記事)に当たってみないと分からないところがあります。 それでも、小山田圭吾が、発達障害的な同級生との間でそれなりに親しい交流があったことを踏まえると、本書の主張にも説得力があるように感じました。 今後も同様の現象は起きると思いますが、情報源や原典に当たることの重要性は心に留めておきたいものです。
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読み物としてもおもしろかった。 著者の小山田圭吾への愛が感じられ、そこに感動した。 実際には犯罪を犯していないのに、民衆によって犯罪者のように断罪される。この事例はなにも現代特有のものではなく、人間社会では常に起こってきたこと。(様々な冤罪事件含めて) そして、小山田氏の事例も例...
読み物としてもおもしろかった。 著者の小山田圭吾への愛が感じられ、そこに感動した。 実際には犯罪を犯していないのに、民衆によって犯罪者のように断罪される。この事例はなにも現代特有のものではなく、人間社会では常に起こってきたこと。(様々な冤罪事件含めて) そして、小山田氏の事例も例に漏れず。 ただ、問題を矮小化することなく多岐にわたる視点で総括し、(インターネット空間で起こるエコーチェンバーとインフォデミックを細かく検証しているのは意義があるが、インターネット以前のメディアでもこうしたことは起こっていたと思う。巻き込む民衆の単位の桁が違うが。しかし、こういった総括や反論のスピード感もこの時代ならではとも言えると思う。)それらを踏まえて、今後への展望を語っているところに愛と本書の意味を感じた。 帯が「出会い直し」やもんね。
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