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日本の電機産業はなぜ凋落したのか 体験的考察から見えた五つの大罪 集英社新書1153
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日本の電機産業はなぜ凋落したのか 体験的考察から見えた五つの大罪 集英社新書1153

桂幹(著者)

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日本の電機産業はなぜ凋落したのか 体験的考察から見えた五つの大罪 集英社新書1153

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2023/02/17
JAN 9784087212532

日本の電機産業はなぜ凋落したのか 体験的考察から見えた五つの大罪

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商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

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2024/04/18

どこを読んでも痛いことが書いてあって反論もできない的確さなので、泣いちゃう。 電機業界のことを書いているけど、他の業界であっても思い当たる節があるのがツラい。 そのツラさから目を背けているから失敗が続くのだという指摘もあって、逃げ道がない。 平成版『失敗の本質』といえる本なの...

どこを読んでも痛いことが書いてあって反論もできない的確さなので、泣いちゃう。 電機業界のことを書いているけど、他の業界であっても思い当たる節があるのがツラい。 そのツラさから目を背けているから失敗が続くのだという指摘もあって、逃げ道がない。 平成版『失敗の本質』といえる本なのだが、よくよく見ると昭和版と似たような過ちを指摘している。 日本の組織が陥りやすい弱点を書いているということなのだろう。 著者自身はTDK出身で、シャープ副社長を務めた父親からのヒアリングと合わせた一冊。多分に個人的な経験に基づく内容なのだが、それでも読み手に「本質的だ」と感じさせるのは、いかに日本の組織が同じような陥穽に陥っているのか、という話だ。

Posted by ブクログ

2024/02/18

●=引用 ●その一方で、業績を大きく改善するためには、イノベーションが必要だ。新しい製品やサービスを生み出し、ヒットさせる必要がある。ところが、予算が乏しく、人手も足りず、おまけに結果を急かさせる組織でイノベーションを起こすなど無理な話だ。組織に余裕がなければ、画期的な製品やサ...

●=引用 ●その一方で、業績を大きく改善するためには、イノベーションが必要だ。新しい製品やサービスを生み出し、ヒットさせる必要がある。ところが、予算が乏しく、人手も足りず、おまけに結果を急かさせる組織でイノベーションを起こすなど無理な話だ。組織に余裕がなければ、画期的な製品やサービスは生まれない。 ●普通の企業ならば、市場性の見えない限り製品化には動かないものだ。ところが、同社には十五%カルチャーがあった。勤務時間の十五%を自分の好きな研究に充ててよいとする社内ルールだ。かの技術者はこのルールに則って先が見えないまま開発を進め、二年の歳月をかけてポストイットを製品化させたのだ。3Mが十五%カルチャーを重視する背景には、優れた新製品を開発するには大量のものを試し、うまくいったものを残すしかないという経験則があった。イノベーションを予測するのは難しく、やってみないとわからないという考え方だ。 ●計画的にイノベーティブな製品を開発するのは難しい。NAND型フラッシュメモリーやポスト・イット、電卓も、一つ間違えば日の目を見る機会さえなかったかもしれない。これらの成功例に共通しているのは、それぞれの組織に余裕があることだ。傍流の研究を続けさせて東芝、個人の裁量を許した3M、黙ってお上に従うことをよしとしなかったシャープ。どの組織にも、時間的、金銭的でなく、精神的な余裕を感じる。もし、それぞれが「選択と集中」の徹底されていた組織であったならば、異端の技術者は排除されていただろうし、出来損ないの接着剤に時間を費やすことは許されず、通産省に認められなかった事業は棚上げになったはずだ。このように、イノベーションと「選択と集中」は、親和性が低いのだ。 ●ビジョンとは、組織が目指すべき具体的な未来像だ。優れたビジョンには、未来像だけでなく、時間軸も明快でなければならない。いつまでに、何を達成するかが明らかなのだ。 ●それは、日本企業における圧倒的な議論の不足だ。儲かる、儲からない。売上が計画に届く、届かない、といった数字の議論には日々熱心なのだは、馴染みのない新しい技術の可能性を探ったり、新興勢力の影響を予測したり、物事の本質を探ったりする議論は不足していた。少し厳しい言い方をすれば、正誤がハッキリした安易な議論には熱心なのだが、意見の対立を生んだり、当事者の見識が問われたり、組織が目を背けている問題にあえて焦点を当てたりする議論を、無自覚のうちに避けてきたのだ。 ●さらに、エンゲージメントが低下した社員は、議論の場でも積極性を失う。(略)反対の意思があっても、あるいは優れたアイデアがあっても、「まあいいか」と口を閉ざしている社員の姿だ。日本では珍しい話ではない。ただ、このような状況に陥れば、言うまでもなく活発な議論など期待できない。

Posted by ブクログ

2024/01/21

財政出動と金融緩和が不徹底だったから日本は失われた30年になったと考えている人は是非、本書を読むべき。金融財政政策では電機産業の凋落はどうにもならなかったことが納得できよう。 提言されている雇用規制の廃止に私は賛同するが、日本は与野党ともに家族的共同体の会社を理想とする政党しかい...

財政出動と金融緩和が不徹底だったから日本は失われた30年になったと考えている人は是非、本書を読むべき。金融財政政策では電機産業の凋落はどうにもならなかったことが納得できよう。 提言されている雇用規制の廃止に私は賛同するが、日本は与野党ともに家族的共同体の会社を理想とする政党しかいないので、実現は不可能だろう。

Posted by ブクログ

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