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百合小説コレクション wiz 河出文庫
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百合小説コレクション wiz 河出文庫

アンソロジー(著者), 深緑野分(著者), 斜線堂有紀(著者), 宮木あや子(著者)

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百合小説コレクション wiz 河出文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2023/02/04
JAN 9784309419435

百合小説コレクション wiz

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商品レビュー

3.4

16件のお客様レビュー

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2024/03/08

――  アメリカの俳優ニック・オファーマン出演作品について、「なぜ同性愛者の物語にする必要があったのか?」と訊かれて「そういうくだらない質問するやつがいるからだ」って言い返したというニュースを気に入ってたんだけれど消えてる…フェイクだったのかな?  久々に百合アンソロジーなど...

――  アメリカの俳優ニック・オファーマン出演作品について、「なぜ同性愛者の物語にする必要があったのか?」と訊かれて「そういうくだらない質問するやつがいるからだ」って言い返したというニュースを気に入ってたんだけれど消えてる…フェイクだったのかな?  久々に百合アンソロジーなどを。百合でなきゃ得られない養分が…とかってわけではないけれど、やはりなんというか、この関係性じゃないと生まれない痛み、のようなものがある。でもそれって普通の恋愛小説と何が違うの? と思うことも。純度の問題なのだろうか? LGBTQに配慮も忖度もしないオレのような者が、しかしなぁ。  全8編。特に気に入った(そして気に入らなかった)ものだけを掻い摘んで…と思ったけれど毎度、ほとんど全部。それだけ良作揃いではあるのだけれど、残念な部分もあります。         ****  選挙に行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい/斜線堂有紀  普通に考えて頭がこれって失敗でしょう。1編読んで一旦お腹いっぱいになっちゃうよぉ←  やっぱりストーリーテラーとして飛び抜けているなぁと思う。面白いんだよなぁ…選挙を切り口に、これくらいの世代なら誰もが持っている素材をこんなふうに料理できる小説家はこの世代にはなかなか居ないでしょう。斜線堂全肯定botになりそう。嘘です。  エリアンタス・ロバートソン/宮木あや子  なんとも純度の高い百合小説だなぁ、と思ったらとても書き慣れてらっしゃるようで。流石だな、と思いました。こういう、自分の作品群の中に確固たる百合枠、みたいのを持っているひとが書くキャラクタはいいなぁ、と楽しく読んだ。  嘘つき姫/坂崎かおる  斜線堂が書いたのが日常の中の地獄なら、やはり戦争という真物の地獄の中での百合もまた、映えるもので。次に出てくる南木義隆が「ソ連百合」で名を馳せたように、大戦中を舞台にした百合小説は十指に余るだろう。  どうしても写実的になりがちな戦争ものでありながら、物語的な細工が全体に光るこれも良作。個人的に、おすすめの百合作品が萩尾望都『半神』で同い年、というのもまた痺れた…謎の嬉しさったら。  魔術師の恋その他の物語/南木義隆  エンタメばくはつ、という感じ。「月と怪物」、『蝶と帝国』など、重厚な作風のイメージが強くあったのだけれどこれはもう、逆のベクトルに突き抜けていてとっても面白かったです。中編程度の頁数の間、ずっとワクワクしていた。嬉しい。  運命/深緑野分  これだけはマイナス評価。  こういう、小説家を志す思春期の少年少女が必修で書きました、みたいな物語を直木賞候補になるような作家さんに書かせてちゃいけない。もっとあるやろ、というのが正直なところである。残念。         ****  ところで小説、漫画を問わず若いひとたちの作品を読んでいると、いまの世の中ほんとに何でバズるか解らないからペンネームだけはまじでちゃんとつけておきなさい、と思う。まじで。  粒ぞろいのアソート。☆3.4

Posted by ブクログ

2024/02/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

宮木あや子さんのファンとして、宮木さんの小説ベストだと思っている「雨の塔」の続編が読めたことに感動しての☆5です。 全体的には......百合小説アンソロジー「彼女。」でこういったものが面白いな、と感じて同じような趣旨のこのアンソロを買ってみたのですが、小説に性的な表現が入ると嫌悪感を抱いてしまうタイプなので、なんというか「彼女。」よりも生々しい関係の話が多くて苦手でした。 「彼女。」の方は、友情以上の何かがある女性同士の人間関係を描いたお話が多かったですね(高校のクラスメイトしかり、殺し屋姉妹だったり) 前述の宮木あや子さんの「雨の塔」は、上流階級の訳ありの子女が「捨てられる」女子大学、「岬の大学」を描いた小説です。 高校卒業時に「使われる」(嫁に出される)ことになったクラスメイトと心中騒ぎを起こした少女が転入してくるところから始まり、学校で交流する三●グループを思わせる日本屈指の大企業「三島」の翁が可愛がる愛人の娘「三島」と、その子の付き人のようなピアニストを目指す「都岡」。 「都岡が三島の奴隷なら、三島は三島の父の奴隷」と評されていたふたりの、高校時代と、その後が垣間見える短編集。短編の主人公は、ふたりの高校のときの担任なので、直接ふたりが描かれるわけではないのですが、彼女たちが自由を手にしたことが見られてよかった。 三島が可愛い、ということは雨の塔の中でいろいろな婉曲表現でわかっていたけれど、改めて「東京で一番顔がいい」と直接書かれると、やっぱり、という気持ち、

Posted by ブクログ

2023/12/29

それぞれにけっこう違う味わいの構造、物語。現代から戦争、魔術師、物語の内側。 ど正面な感じなのは『選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい』(斜線堂有紀)。タイトル通りの主張を持つ女と、正式に結婚したいから投票に行き、デモにも行く女。好き合って一緒に暮らしている...

それぞれにけっこう違う味わいの構造、物語。現代から戦争、魔術師、物語の内側。 ど正面な感じなのは『選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい』(斜線堂有紀)。タイトル通りの主張を持つ女と、正式に結婚したいから投票に行き、デモにも行く女。好き合って一緒に暮らしているけれど、熱意の量も向かう先も違いすぎてケンカする。 「ズルい。それが私の根源的な気持ちだ。――こんなパレードをしなくても普通に結婚出来る奴らはズルい。――怠惰な自分が赦されないのに、そっちは問題にもならないのがズルい」 『エリアンタス・ロバートソン』(宮木あや子)では、一途な想いがあるとき表裏ひっくり返って暗闇におちてしまう。 「綺麗なものだけ食べて育った感受性のうさぎたちも、親の監視下にあった三年間で一匹残らず死に絶えた。」 自分の元から去った恋人との思い出を、ピアノの音色が弔ってゆくのが哀しくも美しい。

Posted by ブクログ

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