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流人道中記(下) 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2023/02/21 |
JAN | 9784122073166 |
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流人道中記(下)
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流人道中記(下)
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商品レビュー
3.9
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流人道中記・下巻。 青山玄蕃という人間の思想の高潔さ、というものに打ちのめされる下巻。ただ彼のそれは、武士道への反感や格差社会への諦念、といった鬱屈した部分が大きく作用したように思えます。その暗い気質を抱えながら、その上であの境地に至ったということが、高潔であると思うのも事実。...
流人道中記・下巻。 青山玄蕃という人間の思想の高潔さ、というものに打ちのめされる下巻。ただ彼のそれは、武士道への反感や格差社会への諦念、といった鬱屈した部分が大きく作用したように思えます。その暗い気質を抱えながら、その上であの境地に至ったということが、高潔であると思うのも事実。 その一方で、理想を貫くことを選び、世間への反骨を示すことで、失わなくてもよいものを失ってしまうことになった、という一面もあるのが一滴の染みになってしまっているのか、とも思う。家族・家臣たちへ残したものが、それ。 玄蕃の生き様を見た乙次郎。彼がこの先の人生において、どんな行状を取るのか。怒涛の幕末、これまでの幕藩体制が崩壊し、価値観が一変する時代の中で、何を思い何を抱え何を支えとして生きてゆくのか。 最後、言葉を交わさずに別れた二人の間にあった、渡された残されたものがなんであったのか。それは、今後の乙次郎が人生を賭して表現してゆくしかないわけで。 それを見ることのできない「流人道中記」の終幕の仕方は、甚だ卑怯だと思います。 答えは与えられるものでなく、自ら見出すものである、と言われればそれまでですが、覚悟を持って幕末を生き抜いてゆくであろう乙次郎の姿を見たいという望みは、卑怯でしょうか。
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武士の生き様、信念を感じられる物語。 玄蕃と乙次郎の道中記。 下巻です。 無罪の罪をかぶり、磔となる少年との出会い。 そして、敵討ちの結末は? 玄蕃の導いたこの落としどころはちょっと悲しい。 さらに、故郷の水が飲みたいと願う病状の女との出会い。 ここちょっと面白い! 変なお決ま...
武士の生き様、信念を感じられる物語。 玄蕃と乙次郎の道中記。 下巻です。 無罪の罪をかぶり、磔となる少年との出会い。 そして、敵討ちの結末は? 玄蕃の導いたこの落としどころはちょっと悲しい。 さらに、故郷の水が飲みたいと願う病状の女との出会い。 ここちょっと面白い! 変なお決まりがあったんですね。 旅も終盤になってきて、この旅を通して語られるのは、武家の辛さ、厳しさ。「礼」と「法」の意味。 そして、いよいよ、旅の最後で語られる玄蕃の罪の真実。 そこにあった玄蕃の武士としての矜持。 家と取り潰してまで貫いた玄蕃の信念。 これは、唸ります。 そして、最後、乙次郎との別れには、熱いものがこみ上げました。 お勧めです。
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旗本の流人と見習与力の押送人の道中記。 玄蕃の犯した罪はなかなか語られない。 道中に出会う色々な事情を抱えた人々への深慮と筋の通った振る舞いを見れば見るほど、聡明さと信念、透ける孤独に魅かれていく。 これだけの人が切腹を拒否した理由は単純ではないとわかりつつ、後半につれて語ら...
旗本の流人と見習与力の押送人の道中記。 玄蕃の犯した罪はなかなか語られない。 道中に出会う色々な事情を抱えた人々への深慮と筋の通った振る舞いを見れば見るほど、聡明さと信念、透ける孤独に魅かれていく。 これだけの人が切腹を拒否した理由は単純ではないとわかりつつ、後半につれて語られる正体と罪をどこか知ってしまいたくない。知れば罪を撤回したくなるから。 信念を貫くのは簡単ではない。でもそれを玄蕃は選んだ。旅の中で玄蕃の生き様を見て生まれた乙次郎にとっての礼が新しい道の導になっていくのだろう。 歴史小説が苦手な私が浅田次郎さんの小説を好きな理由は人物が本当に魅力的な所。存分に味わいました。
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