差し出し方の教室

幅允孝(著者)

• 販売会社／発売会社: 弘文堂
• 発売年月日: 2023/01/23
• JAN: 9784335551802

商品レビュー

2025/11/30

本の良さ、私も、読まない人にも伝えたい、広げたいって思うので、とても参考になった。パークライブラリーの４年ぶりに本を開いたおじさまの話や、城崎の「本と温泉」の独自の出版物プロジェクトの話が面白かった。

p23 対象を詳しく知っている人が、その文脈を作り手と共有したうえで「いいね」「いいね」って言っているだけじゃなくて、暗黙のルールも何もかも通じない、容赦のない相手でさえ「なんか、いいかもしれない…」って立ち止まるぐらいの包容力とやわらかさがないと、伝わらないんじゃないかなって最近は思います。

p75 そうした身体的な余裕が、精神的な余白を生み出します。身体的な心地よさがあれば、本にまったく興味のない人にだって、それが届く可能性が生まれる。インターネット上ではなく、人が体を使う場所で行われる様々なコミュニケーションは、やはり体というものを中心に考えていく必要がありそうです。

p97 時間があいたらスマホを見る、という一連の流れが身体に刷り込まれているんでしょうね。本当にあの道具と機能は人間の脳をうまくハッキングしたものだと思います。テクノロジーによってもたらされたものの裏に、それに没頭する時間によって、できなくなったことがあることに意識的でありたい。

2025/04/17

人が本のある場所に来なくなった時代に、人が来る場所に本を置いていく。幅さんのプロフェッショナリズムが垣間見えた。

2024/06/04

我が家の近くにある本屋さんにはタリーズ珈琲が併設されていて、本屋さんの本を買わずとも、タリーズに本を持ち込んで過ごすことができます。この形態わりとよく見かけますが、これもひとつの本の差し出し方なのでしょう。

見えない大勢に向かって
近くまで寄ってくれた人に向かって
そこにいる一個人に向かって
自分の伝えたいものをどう差し出すべきか？
どうしたらそれは届くのか？

そんなもの皆んな知りたいに決まってる笑
答えは書かれているようなそうでないような。