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みずうみ 新版 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2023/01/18 |
JAN | 9784101002477 |
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
川端康成55歳の作品。 少女少女少女。見目麗しい少女や娘に異常に執着し、つけ回す。安定の川端康成だと思っていたら、赤ん坊が出てくるあたりで怪しくなりました。土手の中を這い回る赤ん坊は明らかに人外のもの。これまでの物語りもすべて銀平の幻想だったかも知れません。もう一回吟味しながら読...
川端康成55歳の作品。 少女少女少女。見目麗しい少女や娘に異常に執着し、つけ回す。安定の川端康成だと思っていたら、赤ん坊が出てくるあたりで怪しくなりました。土手の中を這い回る赤ん坊は明らかに人外のもの。これまでの物語りもすべて銀平の幻想だったかも知れません。もう一回吟味しながら読む必要がありそうです。 以下、思ったことを徒然に。 冒頭は硬質のクライム小説を思わせる書き出しでおやっと思いましたが、湯女を相手に語りだすと直ぐにキモいオッサンに変わりました。銀平の女慣れしていないキョドった態度と口調、流石です。 つけられる女のほうにも快感が生じると言う考えは観念としては妖しく魅惑的だけれど、現実的には気持ち悪いですね。 川端康成(や同時代)の小説を読んで思う事のひとつは「日本は階級社会だったんだな」と言うこと。今回はその象徴として、普段は人目に触れることのない「足の指の醜さ」に執着する点が面白い。 1章のラスト、蜘蛛の巣の幻と母の村のみずうみに映る夜火事が時系列的なラスト。巣にかかったメジロに腹を食い破られそうで、蜘蛛がじっとしてるのは判るけど、メジロ(娘)達はとっとと羽ばたいて何処かへ行っちゃうと思うけどなぁ。都合の良い幻想ですね。
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現実の世界に唐突にはさまれる主人公の見る幻、無意識の世界は、彼が危うい世界に片足、いや、ほとんど両足を突っ込んでいるのを感じさせる。発表当時でも嫌悪を示す読者がいたようだが、今の若い世代はどうだろうか。
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川端康成の文庫本としては、「山の音」「眠れる美女」に続いて3冊目になる。主人公の桃井銀平、回想の中で回想をしていることが多いので、ものすごく不思議な感じだった。少女の黒目がみずうみに見える、その黒い瞳のみずうみのなかで泳ぎたい、という描写がものすごく印象に残っている。
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