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十六夜橋 新版 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2023/01/12 |
JAN | 9784480438607 |
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十六夜橋 新版
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商品レビュー
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3件のお客様レビュー
最初に読みかけたときはうまくその世界に入って行けず、1章だけで放り出してしまった。半年ほど経ったであろうか。もう一度最初から読み始めると、すんなりと道子の世界に入りこむことができた。「椿の海 の記」などで、道子の家族のいろいろなエピソードは読んでいた。それらと重ね合わせながら本作...
最初に読みかけたときはうまくその世界に入って行けず、1章だけで放り出してしまった。半年ほど経ったであろうか。もう一度最初から読み始めると、すんなりと道子の世界に入りこむことができた。「椿の海 の記」などで、道子の家族のいろいろなエピソードは読んでいた。それらと重ね合わせながら本作を読み進めることができた。基本的には創作であろうが、かなりの部分は道子自身の経験によるものが題材にされているようだ。僕は特に第三章「十六夜橋」で志乃と綾と三之助の3人がおおきな梨の木近くのお糸さまのお墓参りに行く場面に心を強く動かされた。また同じように、最終章の最後の場面でも心は揺さぶられた。お咲が、満潮に漬かりながら祈願している人々の中に志乃を見つける。声明は途切れない。お咲は思う。この中には合掌する手のない人も、口の溶けた人も、耳たぶを失った人もいる。ああわたしも、灯りなど打ち捨てて一緒にお祈りせねばと。これを映像で観たとするならどれほど衝撃的なシーンとなるのだろうか。さらには第四章。みずなと小夜が次第に重なり合っていく。直衛が準備した家で、姉と弟が出会う。2人はどのような思いであったのであろうか。直衛はどの段階で2人の関係に気付いていたのか。そして、弟の立場を考えると相当の決心が必要だったはずだが、小夜と仙次郎の駆け落ちはあまりにも唐突であったと一読者には思われる。その後の直衛の言動はあまり大きく取り上げられていないが、みずなのことはあきらめて、三之助を手元に置いておこうとする直衛は思っていたよりも心の広い人物であったと感じられた。そして何よりも、幼いころの道子自身を投影しているであろう綾が三之助と離れる場面で見せる姿には、切ないけれど心の温まる思いにさせられた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
不知火の海辺の地で土木事業を営む萩原家。盲目で精神を病んだ当主の妻・志乃を中心に過去と現実を行き来しながら、彼等の愛や生が描かれる。生きることも愛することも儚く一瞬のうちに終わるかもしれないからこそ、もがき苦しみながらも求めていくのだと感じた。
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たいへん美しい小説です。すごいものを読みました。 人びとの、はかりしれない巡り合わせ。この世とあの世を繋ぎながら、連綿とつづくいのちの哀しみと愛しみ。すべてを大きく抱く海。 私たち一人ひとりのなかに、無数の名もなきいのちが溶けあい、そうして人は誰もが(たぶん生きものは皆)宿命的に...
たいへん美しい小説です。すごいものを読みました。 人びとの、はかりしれない巡り合わせ。この世とあの世を繋ぎながら、連綿とつづくいのちの哀しみと愛しみ。すべてを大きく抱く海。 私たち一人ひとりのなかに、無数の名もなきいのちが溶けあい、そうして人は誰もが(たぶん生きものは皆)宿命的に生まれ、畏れながらもただただ生き、還っていく。 真の文学だと思います。
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