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防衛省に告ぐ 元自衛隊現場トップが明かす防衛行政の失態 中公新書ラクレ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2023/01/10 |
JAN | 9784121507853 |
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防衛省に告ぐ
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現場トップの自衛艦隊司令官を務めた海上自衛官OBの著者が、日本の防衛行政の構造的な問題点を厳しく批判。主旨としては、日本では文民統制が歪な「文官統制」となっており、現場の実情に無理解で軍事の専門性に欠けた防衛相官僚である「背広組」が幅を利かせ、実際に現場で戦闘任務を担う「制服組」...
現場トップの自衛艦隊司令官を務めた海上自衛官OBの著者が、日本の防衛行政の構造的な問題点を厳しく批判。主旨としては、日本では文民統制が歪な「文官統制」となっており、現場の実情に無理解で軍事の専門性に欠けた防衛相官僚である「背広組」が幅を利かせ、実際に現場で戦闘任務を担う「制服組」の自衛官の意見が反映されにくいシステムになっており、そのことによって日本の防衛上様々な支障が生じているというもの。 推測に基づくような指摘があったり、「背広組」に対する感情的な愚痴の要素が強いという印象を受けたりはしたが、著者の指摘には一理あると思う部分が少なくなかった。 特に、軍事の実情に通じた「制服組」も防衛政策に関与すべきであるし、文民統制を真に実現するために「制服組」も国会答弁をすべきということ、防衛費を単に増額すればよいのではなく、戦闘機やミサイルなどの「正面装備」だけでなく「後方」や「教育・訓練」のバランスが重要ということ、国産装備にこだわるのではなく、先頭実績が多くスケールメリットもあるアメリカ製のメリットも認識し、費用対効果をよく検討すべきということなどの主張は、確かにそのとおりだと思った。
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当初は防衛省の文官統制を批判する本だと思い、制服だってどうなのよと思っていたが、官邸が強くなり過ぎて霞が関が永田町の顔色ばかり見て仕事するようになったことを指摘している。 海自の艦艇乗りの代休買上げなどは現役の人は言いにくいだろうから、後輩たちのために一市民として訴え続けてほしい...
当初は防衛省の文官統制を批判する本だと思い、制服だってどうなのよと思っていたが、官邸が強くなり過ぎて霞が関が永田町の顔色ばかり見て仕事するようになったことを指摘している。 海自の艦艇乗りの代休買上げなどは現役の人は言いにくいだろうから、後輩たちのために一市民として訴え続けてほしい。GDP 1%枠文化という表現と、防衛大綱で基盤的防衛力が出てきたというのも面白いし、別表の数字を守ろうとして弾薬や燃料が薄くなるとか。いずも改修も、本来米空母が来援できるよう対潜戦を実行するための艦を、制服に詳細な検討をさせずに背広が決めたのではと推測。文民統制の一丁目一番地は国会だが、現在は規則はなくなったのに国会で自衛官が答弁できない。これを改めるのが文民統制に有用。誤った国産信仰は改めるべきで、アメリカからの購入と国産とのプロコンをよく検討しなければならない。著者は憲法に軍の保持を明記せよと言うが、個人的には今までも書いてきた理由から反対。東日本大震災のトモダチ作戦を美談に終わらせず、顧みた方がいいというのは賛成。名誉については、わからんな。
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これまでも問題提起されてきた内容ではあるが、元海将の体験から教訓を得た提言は、政治家のみならず国民自身が安全保障に関心を持ち、戦争は政治の一手段との認識のもと、真の文民統制が行われなければ、この国の将来に禍根を残すだろう。
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