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鹿狩りの季節 ハヤカワ・ミステリ
定価 ¥2,420
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2023/01/06 |
JAN | 9784150019877 |
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鹿狩りの季節
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商品レビュー
3.7
12件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
アメリカの作家、エリン・フラナガンのデビュー作。 ネブラスカ州ガンスラムに暮らす女子高生ペギーが行方不明になる。家出か事件か。一方、障害を持つ男性、ハルを我が子のように思う中年夫婦は、ハルが運転するトラックに血の跡と凹みを見つける。 所謂、スモールタウンもの。非常に息苦しさを感じる作品。 視点は三つで、中年夫婦のアルマとクライフ、ペギーの弟のマイロ。特にアルマの視点が多いのだが、このアルマの性格が悪すぎて受け付けない人がいるかも。我が子のように思うハルに対する差別に颯爽と立ち向かう母、なんだろうけどあんまりにも意地悪おばさんすぎてちょっと。。。マイロの成長譚として見ると非常に良いのだが。。。 事件そのものというより、スモールタウンの閉塞感を味わう作品。ミステリ要素は弱め。
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更年期を迎え、様々な症状に苦しんでいるアルマ。 夫クライルの親の介護のため、数年前にシカゴからネブラスカ州の田舎町ガンスラムに移り住んできた。 いわゆるシティガールのアルマ、越してきた当初はこのスモールコミュニティに馴染もうと努力するが、元来の歯に衣着せぬ物言いや、生産性のない物事はすぱっと断ずる性格から、どちらかというと次第に周囲から浮く存在に。 クライルとアルマの間には子どもはいないが、もうほとんど彼らの息子同然という関係を築いているのが、クライルの営む農場で雇っている知的障がいを抱えるハル。 ハルの両親は毒親で、父親は服役後離婚し行方知れず、母親は2歳のとき、ハルがビーチで水難事故に合う傍らで酒に酔いうかれてた。 ハルはその時の事故の影響で、外見は一般的な基準からするとハンサンムな顔立ち、180cmを越える長身の28歳だが、12歳の少年のような言動をとってしまう。 アルマはあるとき、ハルの生みの母親から引き剥がすようにハルを引き取り、ハルが一人立ちできるよう、愛情を注ぎ何かと面倒を見ている。 物語はある週末の晩、彼らの暮らす田舎町に住む女子高生ペギーが失踪する事件から始まる。 当初は家出と思われていたが、時間が経つに連れ事件性の臭いを誰もが感じ始める。 事件の夜、ハルは友人らと鹿狩りに出ていた。 週明けに農場にやってきたハルのトラックの荷台は血まみれで、前部には何かにぶつかったようなへこみが。 ハルは鹿を仕留め、処理しようと乗せてきたが、上手く出来ずに捨てたと言う。 クライルとアルマはハルの話を聞き、彼は何かを隠していると思う。そもそも彼に鹿を仕留めることなんてできるのか!?。。。 ハルが少女失踪の事件に関係しているのかどうなのかが牽引するサスペンス。 その裏で繰り広げられる、クライルとアルマ夫婦のやりとりが印象的。 冷静で、温厚、それでいて芯がある、善良さの象徴にも見えてくるクライル(実は後ろめたいこともあるのだが)。 かつてはそれに惹かれると感じていたアルマの尖った個性が次第に痛い程の鋭さを見せてくる。 とにかくアルマの毒がすごすぎて、おいおい何もそこまで言う?って思ってしまう。 それでも、アルマはちょっとした瞬間に言い過ぎたことを後悔したり、クライルがかつてを懐かしむような場面に根底の絆を感じもどかしい。 失踪事件の真相究明もさることながら、この辺の今やマンネリ化した夫婦関係の機微の匙加減が絶妙で胸が苦しくなるのだ。 読書をして、正しさのヒントとなるような生き様を見て感動したり、考えを改めさせられたりすると、自分も真っ当に生きようと志すのだが、ついどうしてもこう出来ればと思うのと違う行動、言動をしてしまう。 ヒステリックな妻と、ともするとめそめそしているようにも映る覇気の薄い夫。 わかっていても直せない噛み合わせの悪くなった歯車、彼らにもそんなジレンマを見て、リアリティを感じる。 さらに事件から試されているかのような、ハルを思う心。 ハルを心配し、助けようとする気持ちは間違いないのだが、果たして本当にやっていないと信じられているのだろうか。 知的障がいがあることに、どこか色眼鏡で見てはいないだろうか。 そうは言ってもの部分もあるし、この辺の尊厳を損なわない接し方というのも答えがない問題でもやもやした。 結末はほろ苦くもあるが爽やかさもあり、良き幕引きだった。
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マイロの姉、ペギーがいなくなった。夜にこっそり家を出て帰ってこない。家出か、事故か? やがて、近くに住む障害のあるハルが殺したのでは、という噂が町中に広まっていく。母親に見放され一人暮らすハルを気にかけている農場主の妻・アルマとマイロの視点でストーリーは進んでいく。 田舎の町特...
マイロの姉、ペギーがいなくなった。夜にこっそり家を出て帰ってこない。家出か、事故か? やがて、近くに住む障害のあるハルが殺したのでは、という噂が町中に広まっていく。母親に見放され一人暮らすハルを気にかけている農場主の妻・アルマとマイロの視点でストーリーは進んでいく。 田舎の町特有の秘密の作れない環境や、障害があるだけで疑われがちなことなどなど、国が変われど同じなんだなぁと感じた。姉を失ったマイロのこれからに、ちょっと希望が持てる。
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