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グランドシャトー 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2023/01/04 |
JAN | 9784167919863 |
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商品レビュー
4.1
32件のお客様レビュー
私自身は大阪に住んで2年。さすがに兵庫の方ということで方言が鼻につくこともなく、差別的なのが引っかかるわけでもなく古いもの苦手な私にもすっきりめに読めた。熱くなるところも多かった。にせものの光とか自分も最後に棄てるのかとか。
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矢継ぎ早に繰り出される大阪弁が、耳元でずっと聞こえている。 京橋という街で存在感を放つキャバレーの、きらめきと喧騒が目に浮かぶ。 ルーのたくさんの言葉や、行間からさえあふれ出てくるような強い気持ちが熱くて、応援したい気分になりながらぐいぐい読んだ。 仕事に誇りを持ち、性別による...
矢継ぎ早に繰り出される大阪弁が、耳元でずっと聞こえている。 京橋という街で存在感を放つキャバレーの、きらめきと喧騒が目に浮かぶ。 ルーのたくさんの言葉や、行間からさえあふれ出てくるような強い気持ちが熱くて、応援したい気分になりながらぐいぐい読んだ。 仕事に誇りを持ち、性別による差が社会の中にあると分かりながらもひざを折らないルーの、なんとまぶしいことだろう。 「にせもんでもいい、あれは光や。あの光の行き着く先はカネで、だけどカネになると不思議とちいとも光らん。――可能性、望みこそが光だ。」 キャバレーというビジネスの栄枯盛衰が描かれているのも興味深かった。戦後の発展、バブル、不景気。家電の登場やさまざまな新しいモノにより、キャバレーだけでなくたくさんのビジネスが変化し生まれては消える。どの時代でも止まることのない経済の流れの中で、ルーはひたすら前を向いて歩いて(走って)いた。 そして、そんなルーと対照的な真珠ねえさん。あらすじや帯文では真珠の抱える秘密がフォーカスされているが、実際ルーがそれを探ろうとするのは後半の後半。ひとにはそれぞれ事情がある、ただそれだけのことと思ってお互い干渉しすぎずにふたりはずっと暮らしてきた。 ある意味戦後から離れられなかった、立ち止まってしまった真珠の姿は、理由を知れば悲しいものだけど、歩き続けるルーのオアシスでもあった。長屋での生活を持っていたからこそのルーのまぶしさであると思うと、やさしいあじさい、たたずむ地蔵さんのような真珠との強い結びつきこそが、悲しさよりもずっと、胸にしみる。
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作品の主役はエミコさん!だと思って読むととても身近に感じられてスッとこころに入ってきました。出てくる人やもの、建物が実際にあるものが多くて主人公は誰なんやろ〜?なんて思いながら読んだからかもしれません。 じゃあ真珠はだれ?なんて考えてしまいますね。
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