スクロール 講談社文庫

橋爪駿輝(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2022/12/15
• JAN: 9784065302033

商品レビュー

2024/12/02

GReeeeNと宇多田ヒカルの混合する世界線。
今はそんな世代と言われれば、そうかもしれないが、この話のリアリティはどこにあるのだろうか。
20代前半はわりかし近い私からすれば、悩みや葛藤に安易に第三者が入ってくる状況をうまく捉えられない。
鬱憤を、酒を煽った席の女性で解消する、急に飛び込んできた女子高生に心を奪われる。
葛藤してるものの、これはあくまで自己の解決や葛藤ではなく、成り行きの解決にすぎない。これは平和すぎやしないか？
僕らは一人で悩んでいたし、物語のような劇的な出会いもなく悩んでいる。
そのなかで何かをつかみ取ろうと、明日を生きようと足掻いている
他者や、低確率な偶然で救われたり、なにかが変わる現実なんてないに等しい。
若かりし頃のモヤモヤはなんなのか、そこにリアリティはなかった。　　　気がする。
ここまでの感想をみるとこれはリアリティがない安易な青春群像劇に思える。
ただそれは裏を返せば、一部自己に投影されてしまう部分がある（それが見たくない現実や自分であるから）小説で、現代の青春群像劇として、当てはまる部分があるのではないだろうか。

その当時のあなたを思い浮かべながら、読んでみてはいかがだろうか。

2024/03/18

読み始めた時点では、正直どうしたものかと思ったのだけれど、全て読み終えた現時点では、清々しい気分に浸っています。僕の大好きな俳優の松岡茉優さんが出演した映画の原作ということで、この本を手にしました。自身の出演作の原作なら、きっと彼女も読んだに違いない。読書は、松岡さんと僕を繋げる唯一の手がかり。そんな希望のひとつも無くして、たかが一般人の僕のごときが、何を心の支えに日常の難事に立ち向かうことができるでしょうか。きっかけなどは、そんなものであると同時に、それでじゅうぶんといえるでしょう。
物語は具現化された本というかたちで、これから先も存在し続けることになります。解説にもありましたが、10年後、はたまた20年後の未来に、この物語はどのように理解されるのでしょうか。個人的には、とても興味深いところではあるのですが、もしかしたら大きなお世話かもしれません。

2023/01/24

いろいろな想いが交差していて、あ〜これが青春だよ！って感じ。なんか儚い。貴重な時間大事にしなきゃだよね。