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殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 二見書房 |
発売年月日 | 2022/12/12 |
JAN | 9784576221960 |
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殲滅特区の静寂
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初めて怪獣が現れたのは1954年のこと。日本領海だった。以来、世界は度重なる怪獣襲来に悩まされる事態となった。特に四方を海に囲まれた日本の被害は深刻だ。 そこで日本は怪獣対策のため1970年に「怪獣庁」を設立。さらに2000年に「怪獣省」に昇格させた日本は、他国の追随...
初めて怪獣が現れたのは1954年のこと。日本領海だった。以来、世界は度重なる怪獣襲来に悩まされる事態となった。特に四方を海に囲まれた日本の被害は深刻だ。 そこで日本は怪獣対策のため1970年に「怪獣庁」を設立。さらに2000年に「怪獣省」に昇格させた日本は、他国の追随を許さない対怪獣防御システムを誇るまでになっていた。 これは怪獣襲来に際し、その進路および迎撃方法を分析し決定する怪獣予報官と、怪獣絡みの犯罪を捜査する怪獣捜査官の活躍を描いた物語である。 ◇ 太平洋沖の日本領海に突如現れた怪獣。怪獣省第1予報官の岩戸正美は特徴を分析し、対象をグランギラスと特定した。 グランギラスについては1971年に襲来したときのデータがある。 体長 53㍍、体重 2.3万㌧。水陸両棲で全身を覆っている硬い鱗には物理的な攻撃は通用しない。 この鱗は体内の水分が蒸発するのを防ぐ役目もしているが、逆に言えばグランギラスは乾燥に弱いということだ。 熱攻撃兵器を沿岸部に設置して迎撃すると決定した岩戸は、続いてグランギラスの上陸予定地を静岡市清水と割り出した。 ただ岩戸には懸念があった。 グランギラスは大きな動きを見せるものに興味を示す習性がある。そして、清水区沿岸には風力発電用に多数の風車が設置されている。このままではグランギラスは風車目がけて上陸する。そして沿岸部の殲滅特区に熱攻撃兵器を設置するには風車が邪魔になる。 岩戸はすぐさま、第3予報官の橋本に命じて静岡県の管理機関に風車停止を要請した。 だがグランギラスが間近に迫っても、なぜか風車は回転を止めず……。( 第1話「風車は止まらなかった」) 全3話。 * * * * * 物語は怪獣省チーフ予報官である岩戸正美の視点で描かれるのですが、彼女は狂言回しの役割です。 真の主人公は船村秀治という警察庁から特権を与えられた怪獣捜査官でした。この船村が魅力的なのです。 風采の上がらぬ見た目。穏やかで言動はとぼけていても、頭脳のキレは抜群で格闘技の達人でもあるという人物像は、『死神刑事』の儀藤堅忍とほぼ重なります。 そんな船村が岩戸を相棒にして、硬軟使い分けた捜査で事件を解決していく過程は非常に読み応えがありました。 ただし船村が扱うのは、怪獣絡みで人間が起こした事件です。そう、物語のメインは怪獣との戦いではないのです。 そして事件の謎を解いた船村に追い詰められていく犯人の、動機も含めた人間臭さにはリアリティーを感じます。 だから本作は、パニックファンタジーと言うよりも、できのよいミステリーとして出色でした。大倉崇裕さんの、そんな巧者ぶりも窺えておもしろかったです。 怪獣に対しては有効な対策を構築できた日本ですが、人間が身勝手な欲望から起こす犯罪を防ぐ手立てはありません。ますます巧妙になる犯行の手口。 「怪獣は怖い。だけどね、人も怖いよ。私にとっては、怪獣なんて比べ物にならないくらい、怖い」 岩戸に向かって、つぶやくように言った船村のことばが印象的でした。
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怪獣を題材にした3つの連作短編集。 新聞でいちおしミステリーとして紹介されていたので読んでみました。 怪獣が台風災害のように発生する世界観。SF作品かと思いきや、リアリティのある設定に引き込まれた。スリリングな怪獣撃退と殺人事件が絡み合い、予想外の展開にハラハラドキドキでした。...
怪獣を題材にした3つの連作短編集。 新聞でいちおしミステリーとして紹介されていたので読んでみました。 怪獣が台風災害のように発生する世界観。SF作品かと思いきや、リアリティのある設定に引き込まれた。スリリングな怪獣撃退と殺人事件が絡み合い、予想外の展開にハラハラドキドキでした。 それにしても船村さん、かっこよすぎるかな〜
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怪獣が台風のように襲ってくる世界の日本が舞台の、怪獣の特定や対策を指示する予報官が主人公のミステリー短編集です。 どの作品も怪獣と事件が密接に絡んでいたり、探偵役はまた違うキャラ(タイトルの怪獣捜査官)だったりと結構面白い作りでした。映像作品の脚本も手掛けられている方だからか、絵...
怪獣が台風のように襲ってくる世界の日本が舞台の、怪獣の特定や対策を指示する予報官が主人公のミステリー短編集です。 どの作品も怪獣と事件が密接に絡んでいたり、探偵役はまた違うキャラ(タイトルの怪獣捜査官)だったりと結構面白い作りでした。映像作品の脚本も手掛けられている方だからか、絵映えしそうなシーンもたくさんあり、そこも読みどころでした。
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