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じゃむパンの日
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | palmbooks |
発売年月日 | 2022/12/01 |
JAN | 9784910976006 |
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商品レビュー
4.2
66件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
エッセイ55篇 最初の1篇「じゃむパンの日」を読んで、まず困惑。インド人?新妻?ラプンツェル? 私の読解力がないからかしら?赤染晶子さんが掴めない。と、あせっていたら、オチにポーレチケ!久しぶりに聞いた!つい吹き出してしまった。 調べてみたら、同年代。あぁ~やっぱり。 そこからは読めば読むほど、世界観にはまっていった。作者の想像力と言葉とテンポに引き込まれ、ニヤニヤしたり、吹き出したり。 交換日記もめっちゃ面白い! でも、なぜか、読むほどに、胸の奥がキューっとなる。家族との関係、ちび君たち子どもへの眼差し、京都や北海道への郷愁。なんだか、たまらない気持ちになった。 ノスタルジックで、センチメンタルで、なんせエモいのよ。このエッセイ。同年代だからかしら?
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母から勧められて読んだ本 日常のなんでもないことも 赤染さんの観察眼とたくましい想像力で こんなに豊かに面白くなる
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赤染晶子さんについての予備知識はなかった。タイトルの「じゃむパン」が気になったからこの本を手にした。なぜ「ジャムパン」ではなくて「じゃむパン」? それは読了後にわかった。詳しく説明しろと言われると窮するのだが、この作家には「じゃむパン」が合っているのだ。 まず冒頭のエッセイ「じ...
赤染晶子さんについての予備知識はなかった。タイトルの「じゃむパン」が気になったからこの本を手にした。なぜ「ジャムパン」ではなくて「じゃむパン」? それは読了後にわかった。詳しく説明しろと言われると窮するのだが、この作家には「じゃむパン」が合っているのだ。 まず冒頭のエッセイ「じゃむパンの日」を読む。とりたてて何か事件や面白いことが起こるわけでもない。続けて数本のエッセイを読む。そこで私は思った。これって落語やん。文の最後は「オチ」のようなわかりやすく仕立てられた結末ではなくて、まさに「サゲ」の名がふさわしいすぅっと下げる終わり方。この人もしかして噺家?だって名字も赤染さんって、そんな人、町なかで見聞きしたこと無いし。 まあ冗談は置いといて、ここで私が特に気に入ったエッセイを紹介したい。 1 チェンジ!(P75) 成人式。この本の中盤近くまで読み、赤染さんだったら役所主催のコスプレ披露目的の同窓会に成り下がっている成人式なんか絶対に行かないだろうなと思っていたら、やっぱり「成人式には行かなかった。行きたくなかった」と書いてある。私と同じだ。 でも赤染さんは成人式の前日、せめて今までの自分と変わろうとするために美容室に行った。その美容室がとてもいい感じで描かれている。蛍光灯は切れていて美容室のおばちゃんはとうに蛍光灯の交換をあきらめているから自然光でカットすることになるし、一番いいのは、この美容室は成人式の前日も当日の朝もすいていること。だから赤染さんとおばちゃんとの会話は端折られることはない。 2 路地裏で(P137) 京都の路地裏にある古いお好み焼き屋。ふだん来るのは地元客のみだけれど、たまに観光客が迷い込んでやってくる。関西以外の人はピンと来ないかもしれないけれど、関西ではたまにある、カップに入った具材をお店の人に置かれ、そのあとは自分でお好み焼きを目の前の鉄板で焼く方式だ。お好み焼きをひっくり返そうとする観光客に、相席で座っていた常連客は「それ、まだやで…」と話しかける。観光客は京都の人はイケズだと思っていたが案外親切で安心する。しかしお好み焼きが焼けて観光客が青のりをかけようとしたとき、とんでもないイケズが待っていた。それが何かは読んでのお楽しみ。 3 かまい(P147) 京都の小さな商店街にある小さな本屋。赤染さんの母が下宿していたことがある。芥川賞を受賞した赤染さんが、当時も残っていたその本屋に自分の受賞作を注文した。しかし小さな書店ゆえに入荷が遅れていて、店主は出版社に督促の電話を入れる。そのときの店主が赤染さんに言った言葉。「新潮社にばあんと言うたりましたわ」。 この一言は簡単なようでいて、関西弁のニュアンスとして正確に復元するのは難しい。それを目ざとく切り取って文章化した赤染さんも見事。私はドラマでヨソ出身の俳優が変な関西弁をしゃべるのを聞いてよく辟易するが、この「ばあんと言うたりましたわ」が上手に言えるようになったらその役者は合格。逆にこの一言がうまく発音できなければ、関西弁をしゃべる役は諦めたほうがいい。 ほかにも、東寺の弘法市で見た老夫婦の寄り添いあう姿をやさしい視線で書いた「弘法さん」(P140)もいいし、京都以外にも、大学院で過ごした札幌や、留学したドイツの話題など、google mapで例えると地図の拡大や縮小を赤染さんが楽しみながら自由自在にしているような印象だ。 それと他の同年代の作家は決して書かないであろう「口三味線」「蠅取り紙」などの語句が文中に出てくるあたりは、この人は読み手の期待や関心を闘牛士のようにひらりとかわして喜んでいるのかな、とふっと笑みもこぼれる。
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