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虚ろな革命家たち 連合赤軍森恒夫の足跡をたどって
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2022/11/25 |
JAN | 9784087817294 |
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虚ろな革命家たち 連合赤軍森恒夫の足跡をたどって
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商品レビュー
3.6
10件のお客様レビュー
興味があったので手に取ってみました。 連合赤軍による山岳ベース事件から50年が経ち、当時のことを知る人は少なくなりました。そういう意味で、このような著書の存在は大きいと思います。 個人的には暴力による革命には賛成できません。しかし、革命を目指す人々は1970年代のチリでの共産主義...
興味があったので手に取ってみました。 連合赤軍による山岳ベース事件から50年が経ち、当時のことを知る人は少なくなりました。そういう意味で、このような著書の存在は大きいと思います。 個人的には暴力による革命には賛成できません。しかし、革命を目指す人々は1970年代のチリでの共産主義化が暴力によって覆されたトラウマがありました。暴力による革命を目指す人々はその人々なりの論理があるということを知り、腑に落ちた部分がありました。
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1992年生まれの著者が50年前の連合赤軍のリーダー森恒夫を中心に取材し、考察する。 第1章中学校高校と同級生から人柄を聞く 在日朝鮮人差別、日韓条約の反対闘争で初逮捕 著者の日韓の歴史的国民的微妙な関係についてあまりに素朴なので驚く。 第2章北野高校で剣道部部長就任事情と頼りないリーダーシップを同部員が語る 第3章よど号ハイジャック事件で北朝鮮に渡った若林氏と70年代の政治闘争の取材。 第4章連合赤軍アジト榛名山現調 第5章植垣取材 赤軍派と革命左派の合流の主導権をめぐる心理的相克。 第6章総括連合赤軍の全体像を残す会雪野取材 印旛沼事件での二人殺害を端緒とする主導権争い 第7章森の自殺と妻子 第8章中核派取材 所属組織の独善的信仰と組織防衛の類似性 現実から遊離した組織体の危険性を再確認。 一般大衆、労働者が支持する政権像を提示できない空虚さが際立つ。 焦点の当て方がやや雑な気はするが自らの足、頭で考察したルポとして興味深い点も多くあった。
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2022年開高健ノンフィクション賞受賞作 著者は早稲田の院生時代に学生運動について研究していたというフリーランスの若手記者です。 著者は院生時代に連合赤軍のリーダーだった森恒夫が子供に宛てた思いのこもった手紙を読む機会があった。 いくつもの凄惨な事件を起こした凶悪犯罪者の一面と...
2022年開高健ノンフィクション賞受賞作 著者は早稲田の院生時代に学生運動について研究していたというフリーランスの若手記者です。 著者は院生時代に連合赤軍のリーダーだった森恒夫が子供に宛てた思いのこもった手紙を読む機会があった。 いくつもの凄惨な事件を起こした凶悪犯罪者の一面と、手紙の内容とのギャップに森恒夫の生涯に興味を抱き調べることに。 どうして二十代の青年が暴力革命を志したのか、なぜ志しを共有した仲間を殺してしまったのか、さらにはなぜ公判で自らの信念を主張することもなく拘置所で自殺(73年元旦)してしまったのか。 そんな謎を解き明かすために、森の高校の同級生や北朝鮮に渡った大学時代の後輩や連合赤軍の生き残りメンバーやよど号ハイジャック事件実行犯・若林氏らに取材を試みる。 森恒夫という名前。私は知っていたような知らなかったような…。連合赤軍、あさま山荘事件のキーワードといっしょに説明されると、「あ~知ってる、知ってる」という程度のものだった。本書を読むまでは。 森は大阪では名門として名の通っている府立北野高校の剣道部で主将だった。主将と言っても猛者とかでなく誰も主将やりたがらないのでおとなしい森が押しつけられてなったと…とても革命戦士のイメージはない。ちなみに北野高校は梶井基次郎や手塚治虫、橋下徹他多数の政治家の出身校だ。 どうやら大阪市立大に入り、先輩に誘われて学生運動を始めて激変したようだ。 紆余曲折を経て、とうとう森は連合赤軍のリーダーになる。 ちなみに連合赤軍は赤軍派と革命左派の統合組織で森は旧赤軍派側幹部だった。 合併組織の常なのだが、赤軍派と革命左派のどちらが主導権を握るかという暗闘が繰り広げられ、それが仲間への激烈な総括=リンチへとつながる。 私も今の勤務先に入り2度も合併を経験しており上層部の主導権争いはたくさん見てきたのでよくわかる。まさに生きるか死ぬか、食うか食われるかだ。 連合赤軍結成時、赤軍派メンバー9人、革命左派は19人。数的不利なのは赤軍派だ。赤軍派は主導権を握るのに必死で些細なことでイチャモンをつけ革命左派の追い落としを図る。 これに対して革命左派の責任者だった永田洋子は赤軍派の女性メンバーが指輪をしていることを「革命戦士としての資質に反する」と批判したりする。 総括=リンチは日常のささいなことをきっかけに行われ、次々と犠牲者を増やしていく。 総括に異議を唱えるメンバーも総括されていく。当時指名手配されていたメンバーらは閉鎖的な山奥のアジトで、不安と恐怖を増幅させていく。疑心暗鬼からくる敵意は次々と仲間へと向けらていくことに。結果連合赤軍は、12人もの仲間を殺害。 半世紀前の大事件なのだが私はまだこの世に生を受けておらずリアルタイムでは知らないが、オウム事件と同じぐらいにインパクトがあったんだろう。 この事件をきっかけに政治的なポリシーをもつことに、日本人全体が特に若者たちが忌避感を持つようになったのではないか。現代における若者たちの選挙の投票率が象徴する政治の無関心はこの事件が原因のうちの一つではないかという思いを抱いた。 それはオウム事件後に宗教全般に対するもやもやとした嫌悪感が広まったことに相通じるように思う。 世界ではたくさんの国の若者が、母国をよりよくするために政治に関心を持ち政治談義に花を咲かすという。また人生にとってよりよく生きるために宗教は必要欠くべからざるものだという考えがグローバルスタンダードだと聞く。 自戒も込めてこの国はこれからどうなっていくのだろうか…
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