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フランスの街の夜 遠藤周作初期エッセイ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2022/11/22 |
JAN | 9784309030807 |
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フランスの街の夜
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商品レビュー
4.3
7件のお客様レビュー
キリスト教徒の作者らしい考えを知る事ができて、面白かったです。タイトルの通り、フランスでの生活の事や戦後の日本の事も書いていて、貴重な体験を数多くした方だったのだなと思いました。
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「誰もが一度は味わってみたいとお思いになるフランスの魅力の一つを少し考えてみたいと思います。」から始まる表題のエッセイ。 イメージとかけ離れたところは私の感じたことと共通する。決して「おしゃれ」とか、「きれい」なところばかりではないという…。 彼から見た「今」も今は昔。 それ...
「誰もが一度は味わってみたいとお思いになるフランスの魅力の一つを少し考えてみたいと思います。」から始まる表題のエッセイ。 イメージとかけ離れたところは私の感じたことと共通する。決して「おしゃれ」とか、「きれい」なところばかりではないという…。 彼から見た「今」も今は昔。 それでも「読書について」の他、主に新聞に掲載されたエッセイは、さすがに読みやすく面白いと思いました。 特に 「文学碑不要論」 「修学旅行」 「大学入試の文章」 「しゃべれぬ外国語」 はフムフム、と。 その他にも「良夫賢父の弁」はユーモアがありました。 2023年は遠藤周作生誕100年とのことで、また他の本も読んでみようと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1950年代から1990年代に書かれたエッセイ。再掲もありますが多くは遠藤周作文学館の資料室で見つかったものだそう。遠藤周作が語る書籍、映画など当時の文化を感じられる。個人的に印象に残ったものをピックアップ。 ※巻末の初出一覧から発表年を書き出しました。 ・フランスの街の夜 表題作。再掲。戦後が色濃く残る1951年。周囲の小国から入ってきた人たちの悲しみ、フランス人自体の悲しみが空気となり存在している。 「誰もが一度は味わってみたいとお思いになるフランスの魅力」(P12) とありますが1951年発表のエッセイなので今の若い人にはもうそういった感情はないかもしれませんね。私もフランスは好きなのでちょっと寂しい。 ・時間励行 1955年。時間を守るイギリス人と守らないフランス人と日本人。この頃は日本人も時間にルーズだったのかな。 ・若さの情熱ーその生命のみずみずしさ 1959年。 「有名なプルーストの言葉に「安定は情熱を殺し、不安は情熱をたかめる」というのがあります。けだし至言というべきでしょう。」(P44) ・一人の若い作家として 1956年。自分の体験を書き綴る作家に対し 「だが他人にとっては彼の苦悩や孤独など、犬にでもたべられてしまえである。」(P48) ばっさりいきすぎ(笑)現代は「共感」が大切にされているので新鮮に感じました。 ・読書について 1959年。遠藤先生の読書論。 「自然の風景一つを描写した部分から作者の人生観を読みとるのは(これが小説の読み方である)文中の思想的会話を読むよりももっと大切な場合がある。そのためにには一つの小説を三、四度読み返してこそ感得できるのだ。」(P51) すみません…と謝ってしまいたくなる。10年後ぐらいからそういった読み方をする予定です。今は自分にとっての良書を探しているところなのです(汗) ・外国文学にみる「愛の告白」 1954年。 世間の恋人達をみるがよい やつと告白がはじまると もう彼らは嘘言を強ひられてゐるのだ。 P56の引用はリルケから。 西洋文学における愛の告白の淵源とは 「中世の騎士が貴婦人たちをほめたたえ、美化する頌歌から始まっています。つまり、陶酔を土台にした愛の告白です。」(P62) 少女漫画みたいだなぁ。 ・世界映画の「つながり」の中で 1957年。 「「映画は生まれつつある思潮のもっとも鋭敏な触覚だ」とは武田泰淳氏の言葉だが、私もそれには賛成なのだ。」(P138) 私も諸手を挙げて賛成です。 ・変質者の時代ーあらゆる世界に草加次郎的人物がいる 1963年。草加次郎という人物を初めて知りました。同性愛については古い考え方ですが、犯罪者については現代と変わらない、ああ、怖い…。 「変質者が我々に与える恐怖はこのナチの使った偶然の恐怖に似ている」(P182) こういった内容の中にさらっと 「私は子供の時、関心ある女の子の髪の毛をひっぱったり、馬糞を放りつけたことがあったが、それはその女の子が憎いからではなく、彼女の関心を惹きたいためだった。」(P186) さくっとこういう文章を入れてくる狐狸庵先生(笑)私は馬糞を放りつけてくる男性は好きにはならないなぁ。 ・歩き歩き、物思う… 1992年。蕪村の句について。味わい深い。
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