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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | U-NEXT |
発売年月日 | 2022/10/07 |
JAN | 9784910207230 |
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商品レビュー
5
1件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
何のはずみで読みたいリストに入れていたのか記憶にないが、たぶん「翻訳ミステリー大賞シンジケート」ではないかと思うのだが、裏が取れなかった。 下調べせず、図書館に予約して取りに行ったら(分厚っ!)。 他にも予約本があったこともある上、会社帰りのYシャツ姿だったせいか、はたまた顔に出てしまっていたのか、初めて「全て貸し出しでよろしいですか?」と声を掛けられた。 でも、読んでよかった。 自分の中では隠れた大作。 ともするとゴシップまがいの犯罪実話記事ライターとしてかつかつの生活を送るキャシー。 婚約者のデュークとその家族はこの上ない程に自分を受け入れてくれているが、金欠、そして今や疎遠な家族の問題が横たわる。 そんな中、Googleアラートから舞い込んできた10年以上前の事件記事。 ひとりの女性をきっかけに起きた三角関係に端を発する殺傷事件。 その中心人物ドロレスは、なんと国境を境にテキサス州ラレードとメキシコシティーで二重婚を行っていた。。。 女性の二重婚は異例。 しかもその行く末が、最初の結婚相手ファビアンが二番目の結婚相手アンドレスを銃殺するというどろ沼。 ファビアンは刑務所に入るも、彼女自身は塀の外で何食わぬ風に暮らし、子ども達とも関係を保っている模様。 一体どんな心持ちでこの二重婚に至り、その後の日々を過ごしているのか。 キャシーは単独インタビューを試み、彼女の側の物語を詳らかにしようと接触を試みる。。。 ミステリっぽくもなく、かといって文学作品という感じでもなく。 キャシーのパートに横たわる、今ここにある困難と秘密こそ物語性を高めているが、ファクトの中に織り入れる意識を持って行かざられるを得ない極めて個別の事情に、ノンフィクションリポートの風情が強く漂う。 カポーティに関する言及なんかもあり、彼の著作もこんな感じなのだろうかと興味が湧く。 何だろう、そこまで強烈な秘密や動機があるわけでもなさそうな中での、人間の複雑な心境の生まれ方、身勝手さに不思議と共感したり、逆に呆気にとられたり、恐れ慄いたり。 ところどころ言及される「人間の矛盾」感が凄まじかった。 と思いつつ読み進めていく中で終盤訪れるミステリ性混じりの思いもよらぬ舵切りが、気を抜いていたというか、嬉しい誤算というか。 とにかくいろんな感情がごちゃ混ぜになる一冊だった。
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