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その昔、N市では カシュニッツ短編傑作選
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その昔、N市では カシュニッツ短編傑作選

マリー・ルイーゼ・カシュニッツ(著者), 酒寄進一(訳者)

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その昔、N市では カシュニッツ短編傑作選

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2022/09/30
JAN 9784488011178

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2025/01/06

ブクログメンバーの書棚にあって初めて知ったドイツの女性作家。表紙の絵にも惹かれた。おもに1960年代の作品、15が収められている。訳者酒寄進一氏の独自選集。 自分が当たり前と思っている日常がゆらぎだす、そんな小説群だ。静かな語り口のなかに不穏な?空気が漂っている。 「白熊」 ...

ブクログメンバーの書棚にあって初めて知ったドイツの女性作家。表紙の絵にも惹かれた。おもに1960年代の作品、15が収められている。訳者酒寄進一氏の独自選集。 自分が当たり前と思っている日常がゆらぎだす、そんな小説群だ。静かな語り口のなかに不穏な?空気が漂っている。 「白熊」 夫の帰りを待つ妻。やっと帰ってきた、と思うも夫は玄関から入ってこない。そこから夫と妻の間にちぐはぐな感情の会話がなされる。最後がこれはけっこうある設定かも、と思うが、夫と妻の思いの違い、というのが先ごろ読んだ、イーデス・ウォートンの短編「満ち足りた人生」と似ていた。・・「白熊」はデートの最中、よく首を振る妻に夫がつけたあだ名。これもこの二人の心底に関係しているのだった。 「ジェニファーの夢」 幼い娘ジェニファーが母に語る「夢」ともいえないお話。次第に母はそれに囚われるようになり・・ 実は何かが隠されていた現実だったのか、いや違ったのか・・ 「その昔、N市では」 ”その昔、大都市であるN市の黄金時代は終わった”で始まる。いまでいう4Kの仕事に誰もつこうとしなくなった。そこでとった方策とは? 巻末には遺稿とある。SF的なのだが、21世紀の現代につながる近未来とも想像してしまう。 「六月半ばの真昼どき」 私は家に帰ってきた。するとアパートの住人たちは、六月半ばに女がやってきて、あなたが死んだと言いまわった、といわれた。それにあなたは天涯孤独だとも言ったので、そんなことはない始終友人たちがやってきている、と言ってあげたのよ、と言う。私は手帳を確かめてみた。その日は海水浴をしていた。「白熊」と少し似ているかも。 マリー・ルイーゼ・カシュニッツ:1901-1974   ドイツ、カールスイーセに男爵家の三女として生まれる。父の任地がプロイセンに移ったので子供時代をポツダムとベルリンで過ごす。ベルリンの女学校を卒業後、ワイマールの書店で見習い修行をし、ミュンヘンの出版社に勤めた後、ローマの古書店に雇われた。  1925、ウィーン出身の考古学者であり美術史家であるグイード・フォン・カシュニッツ=ヴァインベルグ(男爵)と結婚し、ローマ(1926-32)、ケーニヒスベルク(1932-37)、マールブルク(1937-41)、フランクフルト(1941-53)、ローマ(1953-56)と夫の任地を転々とし、1956年、夫がローマのドイツ考古学研究所長を辞したのち、フランクフルトに居を構え1974没。  1930年代から自伝的小説(愛の始まり、1933)などの作品を散発的に発表。1947の詩集を皮切りに、短編小説、エッセイ、ラジオドラマ、伝記など本格的に作家活動を始める。1955にビオルク・ビューヒナー賞など数々の文学賞を受賞。  ナチ政権下では、ドイツ国内にとどまった内的亡命者に数えられる。 白熊1965 ジェニファーの夢1969 精霊トゥンシュ1966 船の話1964 ロック鳥1966 幽霊1960 六月半ばの真昼どき1960 ルピナス1966 長い影1960 長距離電話1966 その昔、N市では(遺稿) 四月1966 見知らぬ土地1948 いいですよ、わたしの天使1964 人間という謎(遺稿) 日本独自の短編集 装画:村上卓 銅版画「おどり」2021製作 2022.9.30初版

Posted by ブクログ

2024/12/01

夫かと思ったら白熊と話していたお話から始まり、第二次世界大戦を生きた作者であるからこそ生まれたであろう、夢と現実の狭間を浮遊するような感覚になる短編集だった。不思議な気持ちになりながらも次はどんな突飛な設定なんだろうという期待からページを捲る手が止まらなかった。

Posted by ブクログ

2024/11/09

20世紀に作品集を出し、いくつかの賞をゲットした女性。初めて名前を耳にしたが、男爵夫人、学者の妻といった経歴以上に、優れた素質を覆いに感じる。 文体うも読み易く、どこかで触れた記憶を受けた・・サモアラン、シーラッハでおなじみの酒寄氏の手になるもの。 彼女独特に独特な視点(ナチス...

20世紀に作品集を出し、いくつかの賞をゲットした女性。初めて名前を耳にしたが、男爵夫人、学者の妻といった経歴以上に、優れた素質を覆いに感じる。 文体うも読み易く、どこかで触れた記憶を受けた・・サモアラン、シーラッハでおなじみの酒寄氏の手になるもの。 彼女独特に独特な視点(ナチス支配下と言えども、アーリア人であり代々男爵の家に生まれたという高貴な血、結婚相手も考古学者というアカデミック環境から来るスノッブ臭やや強め)、言葉遣いは読む者の思惟を深めてくれる。 お冷められた15編はいずれも珠玉、素晴らしいが「いいですよ、私の天使」が秀逸だった。 当人と対峙する相手の視点の辛みが不安、恐怖、戦慄・・種々のネガティブな人間心理をぐさぐさ突いてくる。 日本でもこういった嫌ミスっぽい、嫌ホラー的作品ははやっているが、申し訳ないけれど、桁が違うなぁ~と舌を巻いた。 マリー女史からするとさっと振りかけたスパイス的ニュアンスは日本的平和、保守、安定が大好きな国民性からするといやはや・・他の作品を読みたい。

Posted by ブクログ

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