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権力は嘘をつく ベトナム戦争の真実を暴いた男 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズⅣ-5
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 亜紀書房 |
発売年月日 | 2022/09/22 |
JAN | 9784750517599 |
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権力は嘘をつく
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ベトナム戦争時代の戦略家エディスバーグにスポットをあてた本。 今のプーチンとは違うが独りよがりの恐ろしさを感じます。
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1945年から1967年までの米国のベトナムへの政治的および軍事的関与を記した文書、「ペンタゴン・ペーパーズ」を題材としたノンフィクション作品。ペンタゴン・ペーパーズをリークした主要人物であるダニエル・エルズバーグ氏が本書の主人公にあたる。アメリカがベトナム戦争に本格介入し、エル...
1945年から1967年までの米国のベトナムへの政治的および軍事的関与を記した文書、「ペンタゴン・ペーパーズ」を題材としたノンフィクション作品。ペンタゴン・ペーパーズをリークした主要人物であるダニエル・エルズバーグ氏が本書の主人公にあたる。アメリカがベトナム戦争に本格介入し、エルズバーグがペンタゴン内部で勤務していた1964年から、米軍撤退が完了する1975年までを扱う。「インサイダー」「秘密と嘘」「アウトサイダ-」の3部、約360ページ。 米国のベトナム撤退とニクソン失脚の一因となったエルズバーグによる政府機密文書の漏洩だが、当初のエルズバーグはタカ派で米国の軍事行為を支持していた。本書はそんなエルズバーグがベトナム駐留や恋人であるパトリシアとの関係を経て反戦派へと転向し、自らが逮捕されて罪に問われる危険をかえりみず機密文書の公開に踏み切るにいたるまでの過程を描いている。 ベトナムにおける米軍の活動と米国政府中枢の動向を伝える本書は、エルズバーグの物語であるとともに、ジョンソンとニクソンという二人の大統領の物語でもある。とくに後半ではニクソン失脚の直接的な原因となったウォーターゲート事件の経緯にも触れ、実行犯たちがエルズバーグの破滅を目的とした工作を指示されていた事実も明かされる。 読み終えての感想として、帯にある「推理小説のように息つく間もなく描く歴史ノンフィクション」という謳い文句については、テンポは悪くないため嘘ではないが、誇張気味に感じた。また、エルズバーグの内面の葛藤と主戦派から反戦派への転向という起伏はあるものの、そもそもエルズバーグ自身が機密文書をリークしたという以外には、政府内部でとりわけ重要な人物だったわけでもないらしく、スパイ小説のような面白さはない。それを補うためか、所々でエルズバーグと二人の大統領以外の人物にスポットが当たる場面もあるのだが後に回収されるというわけでもなく、むしろ唐突で取って付けた感が残されてしまう。 ストレートな書名に偽りはなかった。ベトナム戦争が当初から負け戦として正確に分析されていたにも関わらず、歴代の大統領による「米国初の敗戦の将になるわけにはいかない」というメンツを実利に優先した結果、多大な犠牲者を生み出してしまった歴史的な教訓は十分に伝わった。一方で先述のとおり、漏洩行為に関する勇敢さを除いた主人公・エルズバーグのインパクトの薄さもあって物語としての魅力には乏しく、ストーリー構成の取捨選択にも疑問が残る。ノンフィクションながらストーリーテリングが問われる部類の作品だと思うのだが、お話としての面白さは物足りず、とりたてて史実としての意外性も見当たらなかった。
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