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古代ギリシアの民主政 岩波新書1943
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古代ギリシアの民主政 岩波新書1943

橋場弦(著者)

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古代ギリシアの民主政 岩波新書1943

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2022/09/24
JAN 9784004319436

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古代ギリシアの民主政

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商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2026/04/17

古代ギリシアの民主制と言えば我々が現代に続く民主的な政治体制を思い浮かべる時、それが世界史上初めて確立されたものとして、世界史で習った記憶を思い浮かべるだろう。現にこれまでの歴史研究に於いて、古代ギリシア、特にアテナイ(アテネ)では紀元前5世紀頃には、民主政(デモクラシー)が確立...

古代ギリシアの民主制と言えば我々が現代に続く民主的な政治体制を思い浮かべる時、それが世界史上初めて確立されたものとして、世界史で習った記憶を思い浮かべるだろう。現にこれまでの歴史研究に於いて、古代ギリシア、特にアテナイ(アテネ)では紀元前5世紀頃には、民主政(デモクラシー)が確立された。若干今と違うのは、それが全男性市民が参加する直接民会であり、参加者全員が投票並びに審議する(権利を持つと言うよりはそれが当たり前にされている状態)直接民主制であった。現代でいう議長、進行役などの様々な役割・役職は抽選によって選ばれており、それこそ運のみが左右する、誰にでも平等に支配と被支配の関係が生まれる制度であった。ひとつ特徴的な面では、参政権が成人男性市民のみに限定されていたことで、女性や当時は当たり前に存在していた奴隷、そして外国は除外されていたことだろう。因みに本書タイトルにある「民主政」とは本書で説明される様々な制度を通して確立された民主的な政治そのものを指し、それを支える仕組みや制度が「民主制」である。よって古代ギリシアは民衆が全員参加する民主政であり、投票や議会などの民主制により支えられていた、という事だ。 本書は民主政について、それが生まれた起源から、制度としてどの様に確立していくかの様を説明する内容となっている。私は世界史先行だったから難しいカタカナに当時は悩まされた記憶があるが、それを成し遂げた今で言う政治家のような優れた人材や制度を一つずつわかりやすくおさらいする内容となっている。特に古代の(人々が集まり徐々に共同生活を営む規模が大きくなっていくような)都市の成り立ちや周辺都市との関係性(争いを含む)の中で、現代に生きる我々にも当然必要となっていく話し合い、そして意見を集約するという当然の流れが分かりやす描かれている。物わかりの良い家族だけの共同体から、農耕技術や海運技術の発展に伴い次第に家族と隣人に共同体が拡大し、それに伴い生まれてくる利害関係。人々がそれらを調整し争いなく平穏な生活を送るためには話し合いが必要だ。我々が単純に民主的と考える際は多数決ばかりに目が行きがちだが、基本的な多数決だけではなく少数意見を無視しない現代風な制度も当初からあったようだ。全員参加、議場となる広場、陶片追放や任期の考え方など様々な工夫が凝らされながら発達してきた民主政。選挙権を持ちながら政治に不審を抱いている事を理由に選挙に行かない現代人。当時(古代ギリシア)の人々に習う部分も多いのではないか。 今世界は混乱し、世界情勢の影響を強く受けながら強い政党に牽引されながら劇的に変わろうとしている日本の政治。永らく日本の平和の礎となってきた日本国憲法も、改正される可能性もある。働き方も産業構造も様々なものが変化の兆しを見せ始める。良い方向に向かうかその逆に行ってしまうかは、数年後にならないとわからない。だがその推進力を与えているのは我々国民の投票であり考え方にある事は間違いない。民主制を選んでいるのも我々自身だ。投票したのは別の党とか、自分は投票していない事を理由に、この社会変化を受け入れない姿勢は無責任だ。そうならばより深く考え、一層声を上げるべきではないだろうか。自分一人の声では届かないと諦めてはいけない。 本書を読み改めて自分で考え、意見を表明し、自分たちが社会を作っていく主体である事を学ぶ必要性を感じる。

Posted by ブクログ

2025/03/18

また最高に良い本に巡り会えた。  ソクラテス、プラトンそしてアリストテレスなど、教科書的には伝説の哲学者のように扱われるが、アテナイにおいて政治に経済に深く関わり、血の通った姿が鮮やかに現れてくる。アテナイの民主政を現代の代表制の民主政は認めていないようだが、いかがなものか?少な...

また最高に良い本に巡り会えた。  ソクラテス、プラトンそしてアリストテレスなど、教科書的には伝説の哲学者のように扱われるが、アテナイにおいて政治に経済に深く関わり、血の通った姿が鮮やかに現れてくる。アテナイの民主政を現代の代表制の民主政は認めていないようだが、いかがなものか?少なくとも、情報の透明性を強く訴えた時点で、現代より素晴らしかったのではないか。文明、科学ではまだ未熟で、奴隷制のような非人道的な部分もあるが、民力としてはアテナイのほうが成熟していたように感じる。  碑文習慣が発達していたというくだりでは、「そんなに識字率が高かったのか?」という私の疑問にも、成人男性で15%ほどで、理解した人が口伝で伝えていたと、すぐに答えをくれた。  ソロン、ペイシストラトス(僭主)を経てクレイステネスで民主政は萌芽を見て、ペリクレスで確立したが、じつはペロポネス戦争でスパルタに敗北した後の方が、アテナイの民主政は絶頂期であったとは驚きだった。

Posted by ブクログ

2024/08/22

古代ギリシアの民主政について、最新の知見に基づいて書かれた概観書である。古代ギリシアにまったく詳しくないため僭越ではあるが、とてもよくまとまっており、おもしろく読めました。 古代ギリシアにおけるポリス群も出てくるが、本書における主役はやはりアテナイである。アテナイにおいて、どの...

古代ギリシアの民主政について、最新の知見に基づいて書かれた概観書である。古代ギリシアにまったく詳しくないため僭越ではあるが、とてもよくまとまっており、おもしろく読めました。 古代ギリシアにおけるポリス群も出てくるが、本書における主役はやはりアテナイである。アテナイにおいて、どのように民主政が生まれ、盛衰を繰り返しながら、歴史のなかに溶暗していったかが書かれている。 本書の終盤でも触れられているが、思想史にすこし詳しい方なら、いかに民主政が嫌われてきたかを知っているかと思う。それは、民主政を衆愚政治と捉えたり、君主制や貴族制が支配的であったり、最終的にアテナイがローマに支配されたこともあってアメリカやフランス革命がローマ共和政を範としたり、ソクラテスの処刑やプラトンの民主政批判が影響していたり、理由は様々である。現代の民主主義は恐ろしく歴史が浅い。 われわれが馴染みのある民主主義は間接民主主義だが、アテナイの民主政は直接民主主義である。代議制などといったまだるっこしいことはせず、抽選で選ばれた民衆たちが政治の意思決定をし、権力の行使をする。 そのため、本書でも個人名が頻出する。陶片追放(現代でもなぜ行われていたのかはっきりとはわからないようだが、特定の人物を投票によってアテナイから10年間追放する制度である)の話では、追放された人物たちもほぼ判明しているらしいが、なかにはなぜ追放されたのかわからない人物もいる。(おひとよしのメノン。特に有名人でもないらしく、いくつもの陶片にわざわざ「おひとよし」と書かれているらしい。おひとよしなのに、なぜ追放されたのかもよくわかっていない) 民主政とタイトルにあるが、抽象的な概念の話は少なく、固有名詞で話が進んでいくので具体性をもってイメージができ、わかりやすいと思う。

Posted by ブクログ

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