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ウクライナ戦争の200日 文春新書1378
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ウクライナ戦争の200日 文春新書1378

小泉悠(著者)

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ウクライナ戦争の200日 文春新書1378

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2022/09/20
JAN 9784166613786

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ウクライナ戦争の200日

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2024/10/16

著者の小泉氏の奥さんはロシア人らしい。軍事評論家である同氏が、東浩紀をはじめとし、元陸上自衛隊員であり小説家である砂川文治、防衛防衛研究所政策研究部防衛政策研究室長の高橋氏、他アニメ監督や漫画家とウクライナ戦争について語った本。人選は「?」と思う所もあったが、それが面白く感じる部...

著者の小泉氏の奥さんはロシア人らしい。軍事評論家である同氏が、東浩紀をはじめとし、元陸上自衛隊員であり小説家である砂川文治、防衛防衛研究所政策研究部防衛政策研究室長の高橋氏、他アニメ監督や漫画家とウクライナ戦争について語った本。人選は「?」と思う所もあったが、それが面白く感じる部分もあった。 考えさせられたのは、この本に通底するテーマでもあるように見えたが、戦争の変容。核を用いる事での、「エスカレーション抑止のためのエスカレーション」と呼ばれるロシアが有する核戦略思想。他方で核を脅しに使いつつ、実際には、ゲリラ戦のように非近代的な側面も持つ。 ― 小泉 ほとんどゲリラ戦の戦い方に近いです。毛沢東が「抗日遊撃戦争論」でも昔いていますが、ゲリラ戦の神髄は、いかに国民の支持を取り付けるかということ。国民が味方になってくれれば、ゲリラの戦士は生まれてくるし、物資や敵の情報を渡してくれたりもする。市民のハーツ・アンド・マインズの争奪戦なんですね。その争奪戦においてウクライナは成功している。ロシアの侵略に抵抗するという明らかな理由があるので、今回のウクライナはこの点で非常に優位にある。 また、戦い方だけではなく、戦争における意思決定も人間によるものであり、決して合理的ではないと指摘する。度々引用されるマーチン・ファン・クレフェルトの「戦争の変遷」だが、これはクラウゼヴィッツの「三位一体論」に対する批判的な視点から生まれた理論を含む。クラウゼヴィッツの「三位一体論」は、戦争を政府、軍隊、国民の三つの要素が相互に作用するものとして捉えるが、ファン・クレフェルトは、国家対国家以外の戦争に変容していくという話だ。 ロシア対ウクライナ、という構図は一見、国家対国家の戦いに見えるが、中身は、ロシアの正規軍とウクライナの正規軍の戦いが中心だが、ゲリラ戦術や非正規戦術も駆使され、さらにはサイバー攻撃や情報戦など、従来の戦争の枠を超えた手法が多用されている。また、民間企業や個人が戦争に関与し、ハッカー集団や民間のボランティアがサイバー攻撃や情報を提供。近代的な兵器や技術が必ずしも戦争の勝敗を決定するわけではなく、こうした武器や手法が効果的に使われており、戦争の形が変わった現代、どのように終戦すべきなのか、最終的にはやはり人間による意思決定であるが、その決定に至る情報の質や扱い方が複雑化している。 ― 小泉 人間って、それほど合理的な生き物ではありませんよね。先ほど砂川さんが紹介された「戦争の変遷」は、人間の非合理性を的確に突いています。この本でクレフェルトは、ヨーロッパの戦争の歴史を遡り、非合理的な戦争のほうが多かったと言っている。人間は政治的な目的追求のためだけに戦争をやってきたわけでは決してなくて、スポーツの延長だったり、目的達成から見れば不必要なくらいに人間を殺したりする。プラスマイナスを考えながら、人間が戦争をしていると思ったら大間違いなのだと。 ― 小泉 将来の戦争を予見することがいかに難しいかということですよね。 イスラエルの歴史学者マーチン・ファン・クレフェルトが、冷戦の終わりに著書『戦争の変遷」の中で、将来の戦争は近代以前の戦争に戻っていくと言っている。最近でもアメリカの国防大学のショーン・マクフェイトが同じような話をしている。ロシア軍の中でも、依然として独ソ戦のような戦争に備えなければいけないと言う人もいれば、とにかくハイテクに投資すべしみたいな人もいるし、あるいはプロパガンダとテロを使って戦争を起こさずして敵国を瓦解させられると主張する人々もいます。結果的に二十一世紀の現在にこういう戦争が復活してきたのを見ると、いろいろな戦争の形態がある中で、ある形態からある形態に移り変わって行くというよりは、その時代に取り得る戦争の幅が広がったり縮んだりする、スペクトラムなものであるという印象を受けます。 ― 高橋 当初は非常に使いやすいと言われたジャベリンですが、実際のところは扱いが難しいらしいです。というのも、ジャベリンの操作運用マニュアルは二百六+ページほどもあって、本来なら八十時間の講習が必要とされている。特に、赤外線センサーを冷却するプロセスが複雑とのことです。それをウクライナ軍はいきなり実戦現場に放り込んだので、混乱してしまう兵士もいた。ジャベリンには、製造元であるロッキード・マーティンのカスタマーサービスのフリーダイヤルが記載されているらしく、前線から電話するケースもあるようですが、実はつながるのは広報部署で、すぐには答えられない。

Posted by ブクログ

2023/07/10

この戦争で一躍有名になった感のあるロシア軍事安保研究者である著者の対談集。 7人の対談相手の人選が面白く、この戦争を契機としてロシアの軍事、文化、歴史、地誌などいろいろな側面が語られる。 ある時点の断面なので戦況など既に古びてしまったものもあるが、普遍的な考察も多々含まれる。...

この戦争で一躍有名になった感のあるロシア軍事安保研究者である著者の対談集。 7人の対談相手の人選が面白く、この戦争を契機としてロシアの軍事、文化、歴史、地誌などいろいろな側面が語られる。 ある時点の断面なので戦況など既に古びてしまったものもあるが、普遍的な考察も多々含まれる。 バランスが取れつつ徹底してマニアックな著者ならではの奥深い対談と思う。

Posted by ブクログ

2023/03/14

ウクライナ戦争をテーマとして7つの対談(うち1つは鼎談)が収録されています。「ドイツと中国から見るウクライナ戦争」(×マライ・メントライン×安田峰俊)、「ロシアは絶対悪なのか」(×東浩紀)が特に面白かった。

Posted by ブクログ

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