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統合失調症の一族 遺伝か、環境か
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統合失調症の一族 遺伝か、環境か

ロバート・コルカー(著者), 柴田裕之(訳者)

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統合失調症の一族 遺伝か、環境か

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2022/09/14
JAN 9784152101686

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統合失調症の一族

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商品レビュー

3.9

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2025/01/20

12人もの兄弟姉妹を持ち、そのうち6人までもが統合失調症を発症したというギャルヴィン一家を描いたノンフィクション作品。一家の両親ドン、ミミの出生が共に1924年、末娘リンジー(出生時の名前メアリーから改名)が1965年であり、時代背景はその頃から現在までのアメリカになる。 全4...

12人もの兄弟姉妹を持ち、そのうち6人までもが統合失調症を発症したというギャルヴィン一家を描いたノンフィクション作品。一家の両親ドン、ミミの出生が共に1924年、末娘リンジー(出生時の名前メアリーから改名)が1965年であり、時代背景はその頃から現在までのアメリカになる。 全45章を3部に分けた構成で、ギャルヴィン一家それぞれに焦点を当てて丁寧に進行していく。父ドンと母ミミの生い立ちや幼少期の話から始まり、12人もの子どもたちが次々と生まれ、そして一人、また一人と統合失調症を発症していく過程が描かれる。発症した兄弟の発言もあるが、とても荒唐無稽。これが実話を基にしていると知らなければ意味不明な文と流してしまう。事実は小説より奇なり。エピソードそれぞれにノンフィクションの凄みを感じる。 一家の数々のエピソードの合間に、統合失調症の研究者のエピソードや精神医学の歴史も描かれる。  - ダニエル・パウル・シュレーバーの『ある精神病者の回想録』(フロイトとユングの対立。この頃から遺伝か育ちかの論争があった)。  - 統合失調症患者への非人道的な扱い。ロボトミー手術、優生学思想、不妊手術。  - 統合失調症の原因が患者の育ち、つまり母親だとする説(「ダブルバインド理論」、「統合失調症誘発性の母親」)。→母親に責任を負わせる風潮。  - 統合失調症を発症した、一卵性の四つ子ジェネイン四姉妹の症例研究(統合失調症の原因は遺伝か環境かのいずれかではなく、両方に目を向けるべきである)。 作品全体を通して、リンジーの描写が印象的。発症した兄たちや、そこからくる家庭環境によって大きな困難を強いられた。しかし、家族の特定の一人ではなく章ごとにそれぞれの視点で書かれているため、家族の困難、葛藤やすれ違いが見えてくる。発狂した兄弟たちを抱えた大混乱の家庭が想像できる。 家庭内の問題を外の者が知る機会は多くないと思う。おぞましくも感じるその境遇を受け止め、書籍として発表するに至った一家の思いは統合失調症の患者や研究者の助けになるように思う。読了した後に、改めて冒頭の引用文『忍耐力をこの上なく明確に示したければ、家族を決して見放さないことだ。(アン・タイラーによる)』を見ると、とても重く響く。 統合失調症の原因は何なのか、本書のテーマである「遺伝か環境か」について、ギャルヴィン一家の事例や遺伝子サンプルが研究に貢献した。しかし、現代においてもその明確な答えは出ていない。統合失調症は100人に一人が発症する、決して稀ではない疾患という。多くの研究者が長年に渡って尽力し、それにも関わらず未だに解明されないというところに人間の複雑さと神秘を感じる。

Posted by ブクログ

2025/01/10

映画「どうすればよかったか?」鑑賞をきっかけに再読。統合失調症研究の歴史とギャルヴィン家の歴史をたどりながら、ギャルヴィン家が研究の進歩にどのように多大に貢献したのかがわかった。文章も小説に近い読みやすさだった。

Posted by ブクログ

2025/01/06

統合失調症について前提知識なしで読んだが、原因や治療法の解明がこんなにも進んでいないのかと驚いた。 ノンフィクションと思えないほど壮絶な家庭環境だが、血縁関係とは呪いのようなもので、捨てきれないのだよなあと、複雑な感情に振り回される子どもたちに同情を禁じ得なかった。終盤でリンジー...

統合失調症について前提知識なしで読んだが、原因や治療法の解明がこんなにも進んでいないのかと驚いた。 ノンフィクションと思えないほど壮絶な家庭環境だが、血縁関係とは呪いのようなもので、捨てきれないのだよなあと、複雑な感情に振り回される子どもたちに同情を禁じ得なかった。終盤でリンジーが口にした、皆んなそれぞれの人生だから、それぞれの家族との関わり方があり、過去からの立ち直り方がある、といったありがちな言葉から、修羅場を生き抜いた者にしか出せない重さを感じた。

Posted by ブクログ