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吉岡実詩集 現代詩文庫14巻
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 思潮社 |
| 発売年月日 | 1968/09/01 |
| JAN | 9784783707134 |
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吉岡実詩集
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【感想】 「なんのメッセージもない言葉|古田徹也さんが選ぶ「絶版本」」という記事を読んで気になっていた、吉岡実の詩。 一読してわかるのは、わかりやすさや意味とは無縁の詩風だということ。「作品には必ずメッセージがある」と素朴に信じている人は、無意味の陳列のような詩群に面食らうだ...
【感想】 「なんのメッセージもない言葉|古田徹也さんが選ぶ「絶版本」」という記事を読んで気になっていた、吉岡実の詩。 一読してわかるのは、わかりやすさや意味とは無縁の詩風だということ。「作品には必ずメッセージがある」と素朴に信じている人は、無意味の陳列のような詩群に面食らうだろう。むきだしの「言葉のかたち」を面白がれる人なら、刺さる一篇が見つかるかも。 個人的には、四人の僧侶が別々に行動しつつ不穏な情景を紡ぎあう「僧侶」、冒頭の「ぼくは下痢する」の唐突な不潔さがめぐりめぐって新たな健康へと転生する「下痢」、などが好み。 【引用】 下痢 ぼくは下痢する のぞむところでなく 拒む術もなく 歴史の変遷と個人の仕事の二重うつしの夜にまぎれて ぼくは下痢する 紅いろの花と 薄明の空をそめる痰の吐かれる地下室の水 それはぼくだけの現象だろうか 今日もそれをする昨日もしたんだ 考えれば昔の記憶のなかの青い膚のとうがんの内房を覗きながら 下痢はぼくらの日常の習慣 洗いたての世界の便器が集められる ぼくの下痢はぼくの精神を飲みくだし 他人の多くの心へ伝達され 飢えの大衆の糧を腐らせてゆく そのときから寝そべる老若男女のむれ そのささやかな声 そのいじらしい手足の運動 それらの生きている証拠の排泄の愛 誰もが流木の位置 ぼくはどこかもう少し高いところから 直接灰をかぶる 被虐的な食事をするため 馬や犬の経験もしないであろう 滑稽な形而上の下痢をする 力なくむしろ生きることを認証する 痛みの導くところ 雷の格闘の終りの空間に聳える塔をみる ぼくの死すべき肉体の鳴りひびく殉教の血のながれの高まる時 ぼくは下痢する 耕される傾斜の土地に 汲まれる泉の絶えざる岩や石の下に 永久に心の内乱の契機の腸を断つ ぼくは忘れられる ぼくは人と物を忘れる 仮設のなかにめぐりあつた交友だから 寒冷な下痢する近代の醜悪なかがまる催眠状態をぬけ 回復する驚異な暗が次元を替える 中心に自然の光の接触をくりかえす 二十世紀の庭に ぼくは総合体として健康な男の一人になる まず梨から食いはじめる ここに新しい関係・対話がはじまる
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