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狂気な倫理 「愚か」で「不可解」で「無価値」とされる生の肯定
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 晃洋書房 |
発売年月日 | 2022/08/30 |
JAN | 9784771036550 |
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狂気な倫理
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商品レビュー
3.6
5件のお客様レビュー
後書きで分かったが、本書は立命館の小泉義之門下に集まった人たちの論文集であり、帯に「愚かな人生はある。不可解な生活もある。無価値な生もあるだろう。しかし/だから、狂おしい思いで、その狂える倫理を書きとめる。何かが狂う。何かが正される。そして何かが動きだす。若き友人たちの本ができあ...
後書きで分かったが、本書は立命館の小泉義之門下に集まった人たちの論文集であり、帯に「愚かな人生はある。不可解な生活もある。無価値な生もあるだろう。しかし/だから、狂おしい思いで、その狂える倫理を書きとめる。何かが狂う。何かが正される。そして何かが動きだす。若き友人たちの本ができあがった。」とあるが、まさにそのようん雑多な内容であるが、そのような視点では見なかったと思われる視点で興味深くは読ませていただいた。目次から拾い上げると、「不幸」の再生産――世代間連鎖という思想の闇(小西真理子)、「カサンドラ現象」論――それぞれに「異質」な私たちの間に橋を架けること(髙木美歩)、ケア倫理における家族に関するスケッチ――「つながっていない者」へのケアに向けて(秋葉峻介)、「私の親は毒親です」――アダルトチルドレンの回復論の外側を生きる当事者を肯定する(高倉久有・小西真理子)、生み捨てられる社会へ(貞岡美伸)、狂気、あるいはマゾヒストの愛について――一九五〇年代『奇譚クラブ』における「女性のマゾヒズム」論を読む(河原梓水)、戦後釜ヶ崎の周縁的セクシュアリティ(鹿野由行・石田仁)、ひきこもりから無縁の倫理、あるいは野生の倫理へ(小田切建太郎)、動物と植物と微生物のあいだ――『妖怪人間ベム』があらわす反包摂の技法(山本由美子)、看護再考――〈大人〉たちへのアンチテーゼ(柏﨑郁子)、パラリンピック選手の抵抗の可能性と「別の生」(北島加奈子)、脳・身体・音声言語――「正常/異常」の区別を越えて(田邉健太郎)、今いる子どもと未来の子どもをめぐる光と闇――先天性代謝異常等検査と出生前診断のもたらすもの(笹谷絵里)、と、これだけ見てもバラエティに富むことがよくわかる。
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テーマは面白い! でも論文の内容は至極まともなものが殆どで、全然狂気じゃない・・・ 狂気な倫理とは。
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正常とされる立場、物の見方、価値観に対して、「それ以外の人間(≒狂気?)」の生の肯定。 魅力的なテーマに感じて手に取った。ただ、正常とされていることとそれ以外を考える場合の倫理といった、「正常とされること以外」を概観して分析するような内容を期待したが、いくつかの(小)テーマで、...
正常とされる立場、物の見方、価値観に対して、「それ以外の人間(≒狂気?)」の生の肯定。 魅力的なテーマに感じて手に取った。ただ、正常とされていることとそれ以外を考える場合の倫理といった、「正常とされること以外」を概観して分析するような内容を期待したが、いくつかの(小)テーマで、その中での「その他」に光を当てる批評?群といった構成で、少し期待とはちがっていた。 また、批評の取り扱うテーマもかなり雑多で、それぞれの質もあるが興味をひくものとひかないものもあったことから、つまみ読みした。 記憶に残ったポイントは以下の2つ。 ①症状/問題のラベリングにも、内容によって、効果やアプローチの違いがあるということ。 具体的には、「毒親を持つ」と「アダルトチルドレンである」は類似するラベリングに思えるが、ラベリング対象の子供の治癒/治療的な意味では、毒親は他責を明確化(実際、事実なら他責で問題ない)し、どのような子供にもハードル低く適用でき治癒効果が出しやすいが、アダルトチルドレンは、自分の変容を求めることからハードルがある。ただし、毒親というラベリングだけの問題は、結局、他責し続けても問題解決せず、自身の変化/成長が必要であろうという考えもある。 ケア倫理は、正義論などの自立した男性的な個人を前提にすることを批判から注目浴びているが、ケア倫理自体も、「正常な」家族を前提にしており、おひとり様や問題のある家族などは、スコープに含まれていないという限界がある(=まだ、その他がある)。
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