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ナイス・レイシズム なぜリベラルなあなたが差別するのか?
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ナイス・レイシズム なぜリベラルなあなたが差別するのか?

ロビン・ディアンジェロ(著者), 甘糟智子(訳者)

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ナイス・レイシズム なぜリベラルなあなたが差別するのか?

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 明石書店
発売年月日 2022/08/17
JAN 9784750354224

ナイス・レイシズム

¥1,430

商品レビュー

4

2件のお客様レビュー

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2023/07/05

著者はこれでもか、というほど白人に染み付いた差別の根を深く赤裸々に暴いていく。途中、まるで自虐だと感じて一旦は読むのをやめたが、少しずつ少しずつ読み進めるうちに、ようやく著者の言いたいことが分かってきた。そうして初めて、レイシズムの恐ろしさにようやく気付いた。出口氏の解説がまた、...

著者はこれでもか、というほど白人に染み付いた差別の根を深く赤裸々に暴いていく。途中、まるで自虐だと感じて一旦は読むのをやめたが、少しずつ少しずつ読み進めるうちに、ようやく著者の言いたいことが分かってきた。そうして初めて、レイシズムの恐ろしさにようやく気付いた。出口氏の解説がまた、私たちの隠れた部分を適切に指摘されていて、はっと気付かされます。

Posted by ブクログ

2022/09/01

アメリカの反レイシズム社会学者が、「意識が高い」白人たちによる非白人への無意識の人種差別を暴く著作。題名の「ナイス」はもちろんレイシズムを称揚しているわけではなく、「善良な人々」(ナイス)によるレイシズムがいかなるものかを本書が扱っていることを表している。本文は300ページ弱、全...

アメリカの反レイシズム社会学者が、「意識が高い」白人たちによる非白人への無意識の人種差別を暴く著作。題名の「ナイス」はもちろんレイシズムを称揚しているわけではなく、「善良な人々」(ナイス)によるレイシズムがいかなるものかを本書が扱っていることを表している。本文は300ページ弱、全12章。 著者の反レイシズムの著作として、本作は二冊目とのこと。著者は貧しい家庭を出自とする白人女性である。対象の読者層は、本書で著者によって徹底的な批判にさらされる当の白人たちであって、何度となく「私たち白人は」という形で著者を含む欧米の白人たちのあり方に自己批判をくわえる。差別の対象として主に取り上げられるのは黒人やアメリカ先住民である。 社会学者であり、かつ、反レイシズム活動を実践する著者による本書は、理論による抽象的な議論よりも、実体験からのフィードバックをもとにした具体的なアプローチに拠っている。本書のテーマは非常に明確で、一見して人種差別問題に積極的に取り組んでいるかに見える、高い人権感覚を自認するような白人たちによる偽りの人権意識を引き剥がすことにある。つまり、彼らは人種間の平等を願っているようでいて、彼らの言動をつぶさに分析していけば、そのような理解が誤りであることを白日のもとにさらすことが本書の目的となっている。 著者の目を通すと、レイシズムの問題の根深さはあからさまな差別意識を誇示するレイシストよりも、自身がレイシズムに否定的だとしながらも、その実態は十分に差別的であるリベラルな人々によって裏付けられる。差別の対象となる人種の人々も、あからさまな差別主義者とは普段から付き合う機会がそもそもないのに対し、理解があるはずのリベラル派の白人たちとは交流の機会が多いうえに、言動の端々に差別意識を突き付けられるうえに当事者たちはそのことに気付かないために、嫌悪感を抱き、疲弊していくのだという。 そのようなリベラルな白人たちが、私たちは平等だと言い募る根拠となる「個人主義」「普遍主義」「実力主義」といったイデオロギーは、平等を実現するためよりも、現在の格差を固定、強化するための源になっている。彼らが欲しているのは人種間の差別がない真の平等な社会ではなく、彼らの人権意識に瑕疵がないことを証明するための「免罪符」を入手することが秘められた目的であることが、著者の分析を通して透けて見えてくる。法律上の差別撤廃から長い月日が流れたいまになっても、このように人種差別意識が深く根を張っている根本には、次のように説明される差別の本質が底流しているのだろう。 「レイシズムは初めから、少数エリートへの富の集中を覆い隠す階級的プロジェクトとして利用されてきた。この目的を果たすためには、白人の一般大衆に非白人に対する反感を抱かせるのが効果的だ」 レイシズムに対しては意識的に反対し、それを行動に移さない限りは差別意識は決してなくならないことを、憤りも隠さずにアグレッシブに訴えているのが本書だった。意識されざる人種差別を扱った著作としては、同じく今年読んだ、アメリカの黒人女性による小説『もうやってらんない』が全く同じテーマだった。ただ、同じように無意識の差別に気付かない無神経な白人たちを扱う『もうやってらんない』がコミカルさも交えた微温的な要素もあったのに対し、本書は著者の強硬な姿勢が際立っている。著者が説く反レイシズムも、「反レイシズム道」とでも呼びたくなるようなストイックさと、自己犠牲的とすら呼びたくなる悲痛な雰囲気すら漂う。「ポリティカル・コレクトネス」という言葉に拒否反応を抱く人びとには徹底的に嫌悪されるであろう、読者の反応が別れる本だろう。同じ白人である読者に対して、何度となく謙虚さの重要性を呼びかける著者だが、個人的には著者自身の言葉の端々や過去のエピソードに傲慢さを感じてしまう部分はあった。

Posted by ブクログ