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水俣病闘争史
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2022/08/11 |
JAN | 9784309228624 |
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水俣病闘争史
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商品レビュー
4.7
5件のお客様レビュー
【鹿大図書館の所蔵情報】 https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC16311380 【選書ツアーコメント】 水俣病という単語だけ、何が原因であるのかだけしか知らない人は多く、 その歴史も風...
【鹿大図書館の所蔵情報】 https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC16311380 【選書ツアーコメント】 水俣病という単語だけ、何が原因であるのかだけしか知らない人は多く、 その歴史も風化しつつある。 そんな水俣病に関して、人々がどのように闘ってきたのかを知ることができる一冊。
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題名通り、水俣病に関しての闘争の歴史を通史的・俯瞰的に整理した書籍だ。「水俣病闘争に興味をもった人がすぐにアクセスできて、闘争を見渡すことができる簡便な一冊」をつくることが執筆動機であり、それは成功していると思う。 水俣湾周辺の漁村で水俣湾からとれた魚を食べた猫たちが多数死んで...
題名通り、水俣病に関しての闘争の歴史を通史的・俯瞰的に整理した書籍だ。「水俣病闘争に興味をもった人がすぐにアクセスできて、闘争を見渡すことができる簡便な一冊」をつくることが執筆動機であり、それは成功していると思う。 水俣湾周辺の漁村で水俣湾からとれた魚を食べた猫たちが多数死んでいっていることが分かったのが1953年のことである。後にチッソ水俣工場から排出される廃液に含まれる有機水銀が原因であると分かるが、当時は、原因不明の中枢神経系疾患とされた。そして、患者は猫だけではなく人間も含まれるようになる。この年の12月に、水俣病認定第一号患者の方の発症が記録されている。 その後、原因をめぐって、また、補償をめぐって闘争が繰り広げられていく。1968年になって政府が水俣病を公害病と認定し、この年に、水俣工場からの有機水銀の流出が止まる。法廷闘争の方は、初の判決が1973年に熊本地裁で下され原告・患者側が勝利する。 闘争は順調に進んだわけではもちろんない。会社側・国・行政との闘いに加え、市民からの差別や、市民の一部は、町唯一の大企業であるチッソがなくなると困るために患者側の闘争を支持せず、時に妨害をしようとした。また、患者側も一枚岩ではなく、6派に分かれており、患者を支援する団体の間でも対立があった。 そして、闘いは今も続いている。2021年8月末現在、認定患者は2283人(うち死亡1988人)。約1400人が認定申請中。また、約1700人による損害賠償訴訟なども各地で継続中である。 以上が、ごく簡単に整理した闘争の歴史である。 1973年の判決の骨子は下記の通りだ。 ①水俣病の発症は、被告チッソ水俣工場から放流されたアセトアルデヒド製造設備排水中の有機水銀化合物の作用によるものである ②被告チッソ水俣工場では、この廃水を工場外に放流するにあたり、合成化学工場として要請される注意義務を怠ったから、被告に過失の責任がある ③よって、被告は原告らに対し、不法行為に基づく損害賠償の義務がある 私の理解では、争点となったのは「過失の有無」であった。 チッソ側は、水銀化合物の生成・流出と、それによる発症を予知・予見できなかった以上、過失はないと主張した。自分たちには工場操業により、有機水銀が発生し、それが水俣病を発症する等ということは、事前には分からなかったし、技術的にも分かりようがなかった、ということだ。 一方で、判決は、いやしくも化学工場を操業し、外部に何らかの廃水を流している者は、リスクを予知し、対策を講じるべき義務を負うという考え方に立っており、それは、今の公害防止の考え方と同じだと理解した。 このようなことが認められるために、1953年の最初の発症患者の発生から判決まで20年が必要であった。 それも、スムーズな道のりではなく、上記したような色々な対立や紛争、対立を経たうえのことであり、事件は未だに終わっていないということだ。 とても、重い本を読んだというのが感想だ。
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「事件」、「闘争」の次世代が、当事者に聴き取りをしながら、資料を調べて書いているところに一番心を惹かれました。今、「水俣病闘争」を書くことの意味は、米本浩二には当然あるのでしょうが、読み手は読み手で見出さない限り「未来」はないのではないでしょうか。米本浩二が問いかけているのはそ...
「事件」、「闘争」の次世代が、当事者に聴き取りをしながら、資料を調べて書いているところに一番心を惹かれました。今、「水俣病闘争」を書くことの意味は、米本浩二には当然あるのでしょうが、読み手は読み手で見出さない限り「未来」はないのではないでしょうか。米本浩二が問いかけているのはそういうことだと思いました。 そうは言いながら、思い出に浸ってしまった読書でした。ブログにはなんとなくな思い出を綴りました。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202210230000/
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