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亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版

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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2022/06/30 |
JAN | 9784000613033 |
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亜鉛の少年たち
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商品レビュー
4.5
24件のお客様レビュー
プラトンが指摘する「高貴な嘘」。パウロが伝える「働かざるもの食うべからず」、それを勤労の美徳としたプロテスタンティズム。しかし、そこに転がっているのは強者に吸い尽くされた弱者の死体。本書では、それが亜鉛の棺に入れられてご帰還だ。帰還兵が持ち帰った土産品を奪い取り私物化する、強者と...
プラトンが指摘する「高貴な嘘」。パウロが伝える「働かざるもの食うべからず」、それを勤労の美徳としたプロテスタンティズム。しかし、そこに転がっているのは強者に吸い尽くされた弱者の死体。本書では、それが亜鉛の棺に入れられてご帰還だ。帰還兵が持ち帰った土産品を奪い取り私物化する、強者としての税関が腹立たしい。 一点、私には判断がつかない。著者は多量なインタビューを基に原書を出版したが、内容に虚偽、創作があると訴えられた。ソ連兵の蛮行には罪が無いとは言わないが、他人に文書化されて客観的に見る自己には嫌悪感があるし僅かな差も気になるだろう。また、本来は忘れたい行為を記録される事で傷口が開く事だって。何より、軍を派遣したのは国家ではないか。薄給で命を使われた上に税関で奪われ、自国で邪険にされ、更に自分たちを売って名声を得た作者がいる。作者の本意ではなかろうとインタビュイーの「許せない」という感情は妥当だろう。 生き延びたものも搾り尽くされ、残された世界は同じ亜鉛の棺の中だった。この世界は、勤労に生きる大衆を棺の中に閉じ込めているのだ。まるでガラスの天井みたいに。戦場で死んでも、仮に生き延びても、日々の暮らしにしても、その中から出られるわけではない。戦場こそ其々に違えど、その囲いは、序列による指定席だ。 さて、ソ連のアフガニスタン侵攻(1979–1989)とアメリカのベトナム戦争(1955–1975)は、いくつかの点でアナロジーが成立する、というのが私の見方。そもそもが、代理戦争である。大国による軍事介入と泥沼化。アメリカもソ連も、冷戦下でイデオロギー的な対立(共産主義 vs. 資本主義・自由主義)の延長として軍事介入を行い、現地のゲリラ戦や長期化する紛争により泥沼化した。また、ベトナムでは、アメリカが南ベトナム政府を支援したが、ベトナム国民の多くは民族的統一を求めており、アメリカは「外国の侵略者」と見なされた。 アフガニスタンでも、ソ連は親ソ派の政権を支援したが、ムジャーヒディーン(イスラム義勇兵)や部族勢力の抵抗を受けた。ベトナムでは、南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)が、北ベトナムや中国・ソ連の支援を受けた。アフガニスタンでは、ムジャーヒディーンが、アメリカ・パキスタン・サウジアラビアの支援を受けて戦った。 本書の範囲で言えば、国内世論の悪化というのが軍人の悲劇である。結局、アメリカでは、ベトナム戦争の長期化により国民の反戦運動が高まり、1973年に撤退。ソ連でも、アフガニスタンでの損耗が社会不安を引き起こし、1989年に撤退。 ー 著者スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ氏はかつて「戦争は女の顔をしていない」ことを世に知らしめた作家である。氏の著作『亜鉛の少年たち』は知られざるアフガン戦争についてドキュメンタリー形式で語る中編だが、これを読んで「許せない」という思いを抱いた読者にとっては、いまだにくすぶるアフガニスタンの戦火が、癒えない傷に障るのだろう。アレクシエーヴィチ氏は、アフガン帰還兵および戦死者の妻や母から提供された資料を故意に改変あるいは恣意的な抜粋をした嫌疑とともに、中傷、反愛国主義、名誉毀損の罪で提訴されている。本件が正式な法廷の場に進められるか、あるいは慰謝料の請求などにより裁判(公開裁判)には及ばないかは未だ定かではない。だが、これは警告とみてまず間違いないだろう。 ー ソ連崩壊の前夜に刊行された本書「亜鉛の少年たち」は、スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチの著書のなかでもっとも「問題視された」小説である。無理もない。「戦争は女の顔をしていない」で扱った第二次世界大戦に比べても、一九七九年から八九年まで十年間も続いたアフガニスタン戦争はあまりに近いだけではなく、「国際友好」とは名ばかりでソ連側は侵略者であったという事実がじわじわと明らかになった。ついには世界中から厳しく批判されるなかで撤退し、九一年ソ連が崩壊したのである。 勤労とは。本来の意味と異なり、支配者に提供されるものとなった。軍役も然り。ならば本質的には、支配者の責任を問うべきだ。しかし、どこまでを〝巻き込まれた民“とするかは難しい。囲いから撃たれずに這い上がれ。出来はしない。そういう者たちに私刑が向くのは、地獄である。
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兵士となり、戦闘に加わり、帰還した少年たちの叫び声 わたしたちは、彼らを目の前にした時、どういう言葉をかけられるのだろう 私にはわからない こういうときだからこそ no more war
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作者は、作中の元兵士や母親などに寄り添おうとしていると思う。 アフガニスタンの元兵士や母親たちの話を同様にまとめる必要があるだろう。
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