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川端康成異相短篇集 中公文庫
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川端康成異相短篇集 中公文庫

川端康成(著者), 高原英理(編者)

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川端康成異相短篇集 中公文庫

定価 ¥990

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2022/06/22
JAN 9784122072169

川端康成異相短篇集

¥935

商品レビュー

4.3

12件のお客様レビュー

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2023/09/11

川端康成といえば、 『雪国』や『伊豆の踊り子』のように、 揺れ動く繊細な恋愛心理を端的かつ美しい文章で表現する作家のイメージだったが、 本作は「人間の不気味さ」が同じ手法で描かれている。 性愛の変態的嗜好や、霊的な恐ろしさがありつつも、後味が悪いわけでは全くない。 不気味なの...

川端康成といえば、 『雪国』や『伊豆の踊り子』のように、 揺れ動く繊細な恋愛心理を端的かつ美しい文章で表現する作家のイメージだったが、 本作は「人間の不気味さ」が同じ手法で描かれている。 性愛の変態的嗜好や、霊的な恐ろしさがありつつも、後味が悪いわけでは全くない。 不気味なのに、美しい。面白い。

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2023/05/12

111108さんのレビューで出会うことができました。ありがとうございます! 死の世界への渇望が溢れ出ていて、美しい文体なので更に怖さと不安がじんわり広がる。現実味があるような非現実的な構造で「異相」の不思議な世界。 「私は七年前に死んでいるが、生き残っている友人の西寺とときどき怖...

111108さんのレビューで出会うことができました。ありがとうございます! 死の世界への渇望が溢れ出ていて、美しい文体なので更に怖さと不安がじんわり広がる。現実味があるような非現実的な構造で「異相」の不思議な世界。 「私は七年前に死んでいるが、生き残っている友人の西寺とときどき怖い話をする」『地獄』、「新平が奇麗な着物だねと珍しいことを言ってくれた梅の小紋縮緬」が見たいと思う『冬の曲』、「あの方の美しい幻が浮かんで胸苦しくなると、私は鏡の前に座って自分の美しさをさがした」女学生の『朝雲』、大黒帽をかぶった耳のうしろに鉛筆を一本挿している女車掌のユキ子さんの持っていた男女のけしからん写真が気になる『死体紹介人』、玉虫色ってなんだろうとおもった『蛇』、九州の弓浦市を探してみた『弓浦市』、「今日もまためずらしい人に会ったよ」という父の言動にふりまわされる『めずらしい人』、「たまゆらに昨日の夕見しものを今日の朝は恋ふべきものか たまゆらに露も涙もとどまらず亡き人恋ふる宿の秋風」『たまゆら』、「新年に際し、自分と同じ星の人々の興奮を祈るは人情である」『ニ黒』、睡眠薬服用時の怪談のような体験の『眠り薬』 どの作品も短編なのに長編のような濃ゆさ。

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2023/03/04

常識的な認識からはずれた「異相」をテーマに、小説16編、随筆3編を集めたアンソロジー。幻想的な作品、不気味な作品、心霊的な作品が多い。川端康成は、既読作品では「死体紹介人」以外ではあまり好きなものはなかったが、短編では面白い作品が見つかりそうだと思いなおした。 以下は印象的だ...

常識的な認識からはずれた「異相」をテーマに、小説16編、随筆3編を集めたアンソロジー。幻想的な作品、不気味な作品、心霊的な作品が多い。川端康成は、既読作品では「死体紹介人」以外ではあまり好きなものはなかったが、短編では面白い作品が見つかりそうだと思いなおした。 以下は印象的だった作品。 「地獄」 死んだ友人と、その自殺した妹について会話をする。 「離合」 結婚の許可をもらいにやってきた娘の恋人に連れられて上京した田舎教師は、娘との再会を喜ぶが… 「死体紹介人」 時間帯を分けて同じ部屋を借りていた相手の女が死に、葬式を挙げる金がないので解剖用に遺体を大学に提供してしまうが、遺骨を受け取ろうとその妹が現れて… 「犬」 犬が「死の使い」と恐れられ、死人が出た家の犬を殉死させる風習のある村での話。 「弓浦市」 三十年前に会ったことがあると女性が訪ねてきたが、どうもそんな覚えはない。 「めずらしい人」 「今日はめずらしい人に会った」と頻繁に話す父を怪しみ、陰から様子をうかがってみると… 「無言」 幽霊が出ると噂のトンネルを通って、身体が不随になった老作家の家を訪問する。いくら話しかけても言葉は返ってこない。 「眠り薬」 眠り薬を常用している作者の失敗談を描いた、滑稽味のある随筆。

Posted by ブクログ

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