銀河帝国の興亡 新訳版(3) 回天編 創元SF文庫

アイザック・アシモフ(著者), 鍛治靖子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 東京創元社
• 発売年月日: 2022/05/31
• JAN: 9784488604134

商品レビュー

2024/05/26

「え！？　これで終わりじゃね～の？」
とつい言ってしまう程に何も終わらなくてびっくり。
昔のファンはこっから30年も続編を待っていたのか・・・

第二ファウンデーションの設定（どこに居るか分からず、知らぬ間に精神を操ってくる）は今読むと陰謀論めいているが、逆に言えばここ70年程ずっと見えないものに操られているかもしれないという事が現代社会の恐怖としてあるのだろうなと考えると、アシモフの的確で射程の長い設定なのかもしれない。
ただし個人的には一つの設定を使った話にちょっと紙幅を取りすぎだし、普通に面白いくらいのSFにスケールダウンしてしまった感は否めない。

2024/05/16

一気に読めました。ついに第2ファウンデーションの真実が明らかになりますが、SF作品というよりも銀河が舞台の推理小説を読んでいるような感覚でした（しかもアガサ・クリスティー並みに展開が読めない）。第2巻の書評にも書きましたが、本作品の重要なモチーフとして、物質世界と精神世界というキーワードが背後にあります。この２つの世界がどう融合・共存するのか（できるのか）、という視点でも興味深く読めました。解説にも少し言及されていましたが、本作品を壮大なSFロマン小説とみるか、ディストピア小説とみるかは意見がわかれる気もしますが、私はロマン小説として見ました。さらに本書のもう１つの楽しみ方として、我々人類の未来の社会像・政体を本書から想像してみることがあります。脱物質化、脱科学化した社会とはどんな社会なのか、はたしてそんなことが本当に実現できるのか、想像力が膨らむ本でした。

2023/10/22

一部のラストでまったく間違った予測をしたにも関わらず「わかった！」と鳥肌を立ててしまったので後々自分が恥ずかしいことに笑