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緑の歌 ―収集群風―(上) ビームC
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緑の歌 ―収集群風―(上) ビームC

高妍(著者)

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緑の歌 ―収集群風―(上) ビームC

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2022/05/25
JAN 9784047370777

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商品レビュー

4.2

18件のお客様レビュー

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2025/08/11

「風をあつめて」は聞いたことがなかった。 「ノルウェイの森」は読んだことがなかった。 ゆらゆら帝国は聞いたことがなかった。 でも私にも楽しめた。 コマごとに構図に変化がつけられていて、その写実的な絵柄とあわせて、まるで映画を見ているよう。それも場面場面を写真のトレースでつなぎ合...

「風をあつめて」は聞いたことがなかった。 「ノルウェイの森」は読んだことがなかった。 ゆらゆら帝国は聞いたことがなかった。 でも私にも楽しめた。 コマごとに構図に変化がつけられていて、その写実的な絵柄とあわせて、まるで映画を見ているよう。それも場面場面を写真のトレースでつなぎ合わせたようなカクカクした感じではなく、緑や南峻などの登場人物の心の動きとのシンクロが緻密に計算されているかのように自然な感じで読み進められる。だから私が知らない台湾の風景や、緑や南峻の部屋の中などの描写が、まるで訪れたことがある場所のように瞼の裏に広がっていく。それはまさに「風をあつめて」を聞き通したときに感じた“風”のよう。 それと著者は私よりかなり若く、その若い感性を私のような年代の者でも触れられたのがうれしかった。同じ内容でこれが小説ならば、場面や情景を自分の頭の中で変換して読まなければいけないので、正直に言ってかなりつらかったはず。でも漫画ではビジュアルとしてそのままの形で受け入れられた。それに私にも若いときはあったしね(笑)。 私が好きな場面を紹介したい。 1 泣いていた緑を南峻が「いい所に連れていってあげる」といって、自転車の後ろに乗せて河川敷まで走って「風」を感じさせる場面。「風」は、緑が高校生の時に偶然聞いた「風をあつめて」の記憶につながるものだし、男の人に知らないところへ連れていくと言われたときの緑の期待と不安とが混じる微妙な心理がこまやかに描かれているのもいい。 2 南峻の部屋に招かれた緑は、彼が飼っているピーターという名前の黒猫と対面する。2人の会話の途中に、2人の表情は描かれずにあくびするピーターなどのコマが挟み込まれているページがある(P162)。私は映画「ドラゴンへの道」で、ローマの闘場で空手技を応酬するブルースリーと対戦相手のアップに続き、闘場に迷い込んだ猫のカットが挟み込まれていたのを思い出した。そのネコの1カットが二人の緊張感が連続する場面で一種のアクセント効果をもたらしているのと同様に、ぎこちなくなりがちな緑と南峻との2人の会話を読み流されないように工夫されている。 3 南峻が緑に、かつて日本で細野晴臣のソロライブを見たときの話をするシーン(P228)。ライブが始まると細野と矢野顕子がステージに出てきて「恋は桃色」を歌ったが、実は2人とも前座のモノマネ歌手で本人ではなかったと笑いながら南峻は話す。これって、矢野顕子さんのモノマネはどう考えても清水ミチコさんでしょ?たぶん。南峻も「僕はてっきり本物だと思って興奮して拍手したよ」と話しているし。さすが清水ミチコさん(笑)。

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2025/03/22

台湾の作家によるマンガ作品「緑の歌」の上巻。 本作は、下記のように紹介されている。 【引用】 はっぴいえんど『風をあつめて』、村上春樹『ノルウェイの森』『海辺のカフカ』・・・。台湾・台北で暮す少女・緑(リュ)は、日本の文化を通じて新しい世界と出逢う。見たことにない景色、初めての...

台湾の作家によるマンガ作品「緑の歌」の上巻。 本作は、下記のように紹介されている。 【引用】 はっぴいえんど『風をあつめて』、村上春樹『ノルウェイの森』『海辺のカフカ』・・・。台湾・台北で暮す少女・緑(リュ)は、日本の文化を通じて新しい世界と出逢う。見たことにない景色、初めての感情、そして不思議な少年と夢に。 【引用終わり】 主人公の少女・緑は、台北近郊の街から、大学入学のために台北にやってくる。そして、多くの新しい経験をする。バンドをやっている少年に出会ったり、少年の影響で日本に旅行に出かけたり、はっぴいえんどに続き、細野晴臣に出会ったり、村上春樹の小説を読み始めたり。とても瑞々しく緑は描かれている。それは、緑の感情や行動もそうだけれども、マンガのトーンがとても瑞々しい。

Posted by ブクログ

2025/02/22

出張の際に表紙と帯に惹かれて上下巻で買ったもの。若い時にしか描けない瑞々しい感性が詰まっている作品。音楽や文学は国境関係なく共鳴できるものだなぁと改めて。人物より風景や物などの描きかたが好みだった。

Posted by ブクログ