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ゴルギアス 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2022/05/11 |
JAN | 9784334754624 |
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ゴルギアス
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商品レビュー
4.4
5件のお客様レビュー
プラトン著『ゴルギアス』。舞台は古代ギリシャ。哲人ソクラテスと雄弁家たちとの対話。賢人の論理が、弁士たちの誤った説得至上主義を打ち砕く。 ソクラテスによれば、最高の人生とは、純粋さと誠実さを備えた人生だ。雄弁な人間は一見偉そうに見えるが、実際のところその言説は悪人を改心させたりす...
プラトン著『ゴルギアス』。舞台は古代ギリシャ。哲人ソクラテスと雄弁家たちとの対話。賢人の論理が、弁士たちの誤った説得至上主義を打ち砕く。 ソクラテスによれば、最高の人生とは、純粋さと誠実さを備えた人生だ。雄弁な人間は一見偉そうに見えるが、実際のところその言説は悪人を改心させたりすることはない。説教とは人々の社会に変革をもたらし、民衆の命を救って初めて私たちに大きく資するものだ。 すべての人間は死ぬ運命にある。彼自身自らの人生を以て、理想の人生とは何かを示した。21世紀に生きる私たちは一度きりの人生をどのように生きていくのか。彼は、読者の心にそう問いかけている。
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「プラトン怒りの対話篇」などと帯のあおりがついていたが、確かにきびしく論破していくという姿勢が目立つ対話篇。けど前に読んだプロタゴラスよりもはっきり潔く論破に振り切った今作のほうが、かえって読んでいて嫌味に感じなかった。 言論が非常に力を持った古代ギリシアで生まれた「弁論術」なるものはいったいなんなのか、そして人間の生において善と悪とはなんなのかを巡ってゴルギアスやその弟子たちと対峙するソクラテス。三人目の政治家カリクレスは特にホップズの言うような「自然状態」が善で、力を持つものがすべてを支配し欲望のままに生きるのが当然だと開き直って論破されまいとするのだが、快楽と善との違いを指摘することから始まるソクラテスの丁寧な議論の前に敗北してしまう。 刑罰の意義や快楽に良い・悪いを認めるかという点など「プロタゴラス」と矛盾する点もあるけど、プラトンの考え方の発展を意味するのか、ソクラテスが相手に合わせて持ちネタを変えている設定なのかはよく分からない。 魂の善と悪についての議論を補強するためなのか、最後に死後の審判の神話が長々と語られているあたり、当時は欲望のままに生きる価値観のほうがよほど説得力があったのだろうか。まあ、ギリシア悲劇もそんな感じの話が多いしな…。いい年して哲学なんかやってるんじゃない、と途中でソクラテスが説教されていたりもするし、「善い生き方」は思春期で卒業するべき幻想だったということか。その幻想を全力で擁護する話なのだとすると、思ったより熱い話なのかもしれない。
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私はこの本をあまり冷静に読めないんです。自分のまわりにいるカリクレスみたいな奴を思い出して、頭カッカしながら読んじゃうもので。冷静に考えると、読者をそういうふうに思わせるくらい、キャラクターを見事に表現できているんでしょうね。プラトンはすごい。しかも、この本を研究して深堀していく...
私はこの本をあまり冷静に読めないんです。自分のまわりにいるカリクレスみたいな奴を思い出して、頭カッカしながら読んじゃうもので。冷静に考えると、読者をそういうふうに思わせるくらい、キャラクターを見事に表現できているんでしょうね。プラトンはすごい。しかも、この本を研究して深堀していくと、いろんな解釈ができて、そこの奥行も計り知れなくて、単に人物を描いているだけというわけではない。この訳者が書いている『ソクラテスとフィロソフィア』でのゴルギアス論を読むと、その深さがわかります。というか、私はこの『ソクラテスとフィロソフィア』を読んで初めて、この本の深みがわかりました。【2022年10月14日読了】
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