中国共産党世界最強の組織 1億党員の入党・教育から活動まで 星海社新書218

西村晋(著者), 井上純一(イラスト)

• 販売会社／発売会社: 星海社/講談社
• 発売年月日: 2022/04/27
• JAN: 9784065277546

商品レビュー

2023/04/03

現代の中国は分からない。
たしかに中国のコロナ政策は、一党独裁だからね〜と思っていました。
が、それだけじゃないんですね…。

2023/01/29

中国共産党末端の組織についての解説。「世界最強」かどうかはともかく、確かに強そうだ。

本書ではそうとは述べていないが、農村の組織化形態が中国共産党のベースになっていることが伺える。
感心するのは、その農村組織化の手法を改革開放後の企業（主に国営企業）や大学、もっといえば社会の都市化に対応させていること。そうやって現実社会の変化に対応して、組織の弱体化を防いでいる。

中国に特有と思われるのは、（国営）企業や大学の組織図と対応させる形で共産党の組織も存在していて、しかも、企業のある部門のトップが、その部門に対応する共産党支部のトップを兼ねることを志向してるという点。
日本企業で、社長と労働組合長が同一人物ということはありえないが、その種の話である（正確な表現ではないけど）。
そして、共産党員として所属組織（企業や大学）を発展させることが美徳とされているという。なんだか共産党思想やらマオイズムやらは吹っ飛んでいるかのように、所属組織の発展に邁進していくということなので、「プロ倫」を読んでいるような気分になった。
所属組織の発展の中に労働者の権利向上やらコンプライアンスの徹底なども含まれているから有耶無耶になっているけど、コミュニズムはもはや関係ないように見える。

というわけで、興味深い内容でした。
外資系企業も中国では企業内に共産党組織をつくることを受け入れざるを得ないというので、ビジネスで中国に関わるような人は必読なんじゃないかな。

2022/09/04

党中央以外の中国共産党の活動について教えてくれる好著。興味深い点は次のとおり。
・入党プロセスは、入党申請→入党積極分子（一年間の教育）→党員発展対象→予備党員
・プロパガンダは群衆に、教育は党員に行うもの
・国有大学や国立大学では政治的面貌が名簿に記されるが、民間企業はそうではない
・JICAが中国の会社法改正を支援