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思考を哲学する
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ミネルヴァ書房 |
発売年月日 | 2022/04/25 |
JAN | 9784623093922 |
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思考を哲学する
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商品レビュー
4
5件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
本書は哲学の入り口ではあるが、扱われる学問は物理学や量子力学とその子?である経済学や経営学など多岐にわたる。 中国語の部屋やトロッコ問題などの思考実験を著者とともに考えていくことで、「考える」行為について捉え直すことができた。 巷に流布されている「ロジカル・シンキング」本への痛烈なツッコミも面白く、読んでいて胸がすく感覚と、読む前に私自身も安易な回答を求めていたことを痛感した。 哲学関係の本として読めると同時に、社会についてや生きること(つまり死ぬこと)についても考えるきっかけになると思う。学生にも是非読んでもらいたい。 なぜなら、後半になるにつれて学生向けの具体的な話題へと移っていくからだ。 根っこは「考える」行為について熱情的に語っているところ、誤字があふれるくらい勢いのある文体、そして経済人をホモ・エコノミ「カス」と繰り返し書いているところなど、相当痛快なディスりも面白かった。
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「思考の技術」を金太郎飴とし、ホワイトヘッド曰く19世紀欧州最大の発明とされる「方法論」を否定。そこからイントロダクションがスタートし、最終的には「近代が思考を奪う」とし、西洋近代批判へと議論は展開される。その議論の展開の過程はデカルトの心身問題やカントの認識論等々の純粋哲学から...
「思考の技術」を金太郎飴とし、ホワイトヘッド曰く19世紀欧州最大の発明とされる「方法論」を否定。そこからイントロダクションがスタートし、最終的には「近代が思考を奪う」とし、西洋近代批判へと議論は展開される。その議論の展開の過程はデカルトの心身問題やカントの認識論等々の純粋哲学から、著者専門の理論物理学、さらには思考の源流とされるフランス革命におけるバークの政治思想まで話は幅広い(尚、P149の第三共和政の年号は間違っているように思える)。そこでは理論や理念中心主義の近代性の過剰による民主主義の崩壊までが叫ばれる。 たしかに著者の言うように、現代人は「中国語の部屋」のような「口パク人間」化しており(大学の先生も学者ではなく研究者であり、方法論にしたがって論文という名の業務報告をしているだけという辛辣な指摘)、社会のフォーマットによる無思考化やAIやアルゴリズムにより思考がアウトソーシング化されているのかもしれない。この辺の論旨の展開や指摘は大変興味深く説得力もある。しかしながら、その解決策として身体性(そこに刻まれる文化・歴史)に立脚し、日本古来からの智慧や良識を機能させるべきというのは、保守性が強く反動的であるという印象も受ける。 とはいえ、ロジカルシンキングやクリティカルシンキング等々スキル化された思考にどっぷりつかってしまっているビジネスパーソンや意識体系の学生達にとっては必読の一冊と言えるのかもしれない。
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哲学=知的探求活動全般、学問全般を指す。 正直1ページ目を開いた時、あまりの文字の小ささとその量から読むのをためらったが、 ”思考の標準化” ”グローバル化とは多様化ならぬ一様化をもたらし、あらゆるものの標準化をもたらす” という一文を見て、これは時間をかけてじっくりと読んでい...
哲学=知的探求活動全般、学問全般を指す。 正直1ページ目を開いた時、あまりの文字の小ささとその量から読むのをためらったが、 ”思考の標準化” ”グローバル化とは多様化ならぬ一様化をもたらし、あらゆるものの標準化をもたらす” という一文を見て、これは時間をかけてじっくりと読んでいこうと思った。 結論から言うと、答えが無く難しい内容を仰々しい難しい言葉を用いずに話し言葉で書かれているため、思いのほかスラスラと読める。ただしスラスラと読めるからといって一回で全てを理解できたわけではないので、繰り返し読んでいきたい。 読んでいてふと思ったこと 大学生を例に考えてみる。少し前にSNSで見かけたが、まじめな大学で学問のみを突き詰めた人よりも、ある程度サークル活動や人間関係などを活発にしていた人の方が、企業に採用されやすいのだという。 それは大学での知識の獲得が実は、知識の標準化の元になり、対してサークル活動などの人間関係の構築が結果として個性(多様性)の獲得につながるからではないだろうか? 標準化について”グローバルスタンダード”という言葉も使ってその危険性を述べている。 ようは標準という言葉に安心して思考停止していないか?ということであるが、だからといって天邪鬼になれといっているわけではない。あくまでも考えることを止めてはいけないと一貫していっている。 またそうのような思考の停止(放棄)がカンの衰弱、や一種の洗脳状態ではないのかと述べられていたことが興味深かった。 終盤のリサイクル等についての考察が、なんでもエネルギーや効率についての話にすり替わっており、そこはやや疑問に感じるところではあった。エネルギーの観点では確かにそうなのだろうが、それは資源が無限に使えることが前提なので、私はリサイクルを行うこと自体は有効ではあると考える。(効率については同意だが) また、ネットショッピングの商品の推薦(おすすめ)についての考察が興味深かった。もちろんそれによって新たな出会いを得ることができるが、それこそが何者かに誘導されている結果なのだといわれれば、確かにその可能性は否めない。 話が少しそれるが、人類が皆情報を発信できるようになった現在、他人の主義主張を容易に知ることができ、その中で、自分が今考えていることは、本当に自身で考えぬいたものだと自信をもっていえるだろうか?変に他者の思想が混じったりしたりしていないだろうか?もちろん影響を受けることは必ずしも悪いことではないが、そういうことも含めてきちんと自身の在り方を考えていきたい。 最後に作中で印象に残った文をもう一つ 考えろ!もっともらしい言葉に騙されてはならない
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