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愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ 中公文庫
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愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ 中公文庫

林芙美子(著者)

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愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ 中公文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2022/04/20
JAN 9784122072008

愉快なる地図

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商品レビュー

3.8

8件のお客様レビュー

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2024/10/20

100年近く前の女性バックパッカー(トランクだけど)の旅行記。 戦争の影がつきまとうシベリア鉄道と国家とは何かが見える樺太が特におもしろかった。 ヨーロッパは今とあまり変わらないなあと思った。たぶん、フランスやイギリスはもうその頃には成熟しきった国だったからだろう。 林芙美子には...

100年近く前の女性バックパッカー(トランクだけど)の旅行記。 戦争の影がつきまとうシベリア鉄道と国家とは何かが見える樺太が特におもしろかった。 ヨーロッパは今とあまり変わらないなあと思った。たぶん、フランスやイギリスはもうその頃には成熟しきった国だったからだろう。 林芙美子には感性の柔らかさと意志の強さが常に同居していて、どちらかに傾くことがない。それを自由というのだろうか。

Posted by ブクログ

2024/10/16

本を読んでいると、作家や作品への言及が在る場合が多々見受けられる。そういう記述を読んで、作品に関心を覚えて読んでみるという場合も在るように思う。 他作品で言及が在った樺太への紀行が収録されていると知り、入手して読んでみた文庫であった。なかなかに興味深い一冊であった。 1930年の...

本を読んでいると、作家や作品への言及が在る場合が多々見受けられる。そういう記述を読んで、作品に関心を覚えて読んでみるという場合も在るように思う。 他作品で言及が在った樺太への紀行が収録されていると知り、入手して読んでみた文庫であった。なかなかに興味深い一冊であった。 1930年の台湾、満州、1931年から1932年の欧州、1934年の樺太、1936年の北京と様々な形で発表された紀行が収められている。瑞々しい感性や自由を愛する気概を持った女性が奔放に何処へでも出掛けて行くという様子、その中での思索というような事柄が綴られた本書である。 表紙にトランクを沢山抱えた女性のイラストが在る。これは欧州を目指した旅のイメージなのだと思う。作中、4つのトランクを持参した旨の描写が在った。(序に、4つ持つのではなく、凄く大きいのを1つにして、小物を入れる鞄を持つ程度の方が動き易かったかもしれないというような話しも在った。)そして本書は、文庫本として紀行関係の文章を集めて編んだということらしい。本書の下敷きになる単行本化何かが在るのでも無いようだ。そこは如何でも構わないと思う。多数の作品を精力的に発表し続けた著者の、伝わっている作品を択んで集めて本にするというのは、それ自体が意義深いことなのだとも思う。 本書を手にしようとした契機となった樺太への紀行を最初に読み、以降は最初から順に読んだ。結局、様々な媒体に順次発表した文章が集められているので、余り順序を気にせずに読むことが出来る。一応の内容的纏まりとなっている中、例えば欧州を目指す旅に関する部分では、順次色々な所を通り抜けて目指したパリに到る時系列で文章が積上げられているので、その順を追う方が判り易い。が、そういうことでもないのであれば、眼に留まった順に読めば善いと思う。方々の雑誌のような媒体に発表された記事という形の文章を集めている訳である。実際、自身は本書を手にした切っ掛けの樺太紀行を最初に読み、以下順次読み進めて何ら支障は無かった訳である。 少し驚かされるのは、1930年代前半、昭和の初めの方というような時期、こうした文章が公にされる媒体が色々と在ったことが示唆され、そういう場で活躍する著者のような人達が多く在ったということで、何か凄く「豊かな文化」というような様子を想うのだ。そして欧州辺りへ空路という現在の様子とは異なるが、シベリア鉄道を利用する旅、船旅がなかなかに充実しているようにも見えるということだ。欧州に限らず、台湾、中国大陸、樺太と、何となく思う以上に旅客輸送の色々な事柄が整備されていることに気付かされる。更に言えば、殊にシベリア鉄道での移動の場面等は、かなり時代を下っても雰囲気は変わらないであろうと思う場面が多々在った。そういう辺りに驚きながら本書を読み進めた。 欧州旅行に関しては、下関から釜山へ船で渡り、朝鮮、満州を経てシベリア鉄道に入り、モスクワを経てポーランドやドイツを経由してフランスに着いているようだ。この時代、経路としては敦賀からウラジオストクへ渡る形も在ったらしいが、著者が択んだ経路もよく知られていたようだ。そしてこの経路での旅の感じが活き活きと伝わる文章なのだが、或いはなかなかに貴重であるようにも思った。 樺太を訪ねる紀行で、当時の稚内の様子が描かれる。未だ屋蓋式防波堤(現在の北防波堤ドーム)が竣工する前の時期である。少し冴えない港町という風情が描かれている。樺太への連絡拠点として伸びている最中の感じだ。やがて辿り着く樺太だが、少し複雑な想いを抱かざるを得なかった場面も在ったようではあるものの、新興の街であった敷香に好感を抱くようになったようだ。凄く率直に、何にでも「素」の状態で向き合い、思ったことを綴っているという感じが好い。 こういうく率直に、何にでも「素」の状態で向き合い、思ったことを綴っているという感じは本書の各篇に共通している。何やらロシア語が飛び交っているハルビンの様子から、パリやロンドン迄、何処でも一緒だ。欧州からの帰路、船が寄港したナポリに著者は立寄っている。その中で、ボンベイの遺跡見物よりも、生きているナポリの街を歩いてみたいとしている。結局、この辺りなのだと思う。動いて、辿り着いた場所で、そこに在るモノ、そこに暮らす人々を観たい、それらに触れたい、そして感じたことを綴って伝えたいというのが著者の「在り方」なのであろう。 非常に愉しく、時間と空間を超え、1930年代の世界の旅を疑似体験出来るような内容の一冊だ。広く御薦めしたい。

Posted by ブクログ

2023/10/05

詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください。 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1986.html 林芙美子の名前は知っているけれど、本はちゃんと読んだことはないと思います。 一体どんな話が飛び出すのか、読む...

詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください。 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1986.html 林芙美子の名前は知っているけれど、本はちゃんと読んだことはないと思います。 一体どんな話が飛び出すのか、読むのが楽しみです。 内容が細かいので、TVドラマ化されたらいいなと思いました。

Posted by ブクログ

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