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ウクライナ侵略戦争 世界秩序の危機 『世界』臨時増刊
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2022/04/15 |
JAN | 9784000222426 |
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ウクライナ侵略戦争
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ウクライナ情勢の基礎知識を得るためには、最適な書。多数の識者からの寄稿により、多面的かつ切り口も多様で非常に勉強になる。歴史認識、軍事面、経済影響、資源、国際司法関係、芸術面への影響など。 第二次世界大戦時にウクライナ民族主義者がナチスと手を組んだことがあったのは事実だし、ゼレ...
ウクライナ情勢の基礎知識を得るためには、最適な書。多数の識者からの寄稿により、多面的かつ切り口も多様で非常に勉強になる。歴史認識、軍事面、経済影響、資源、国際司法関係、芸術面への影響など。 第二次世界大戦時にウクライナ民族主義者がナチスと手を組んだことがあったのは事実だし、ゼレンスキーがロシアとの関係を重視する政党の活動を禁止したのも、2014年に親露政権が米国の支援を受けたクーデターによって倒され、ロシア系市民への弾圧が行われたのも事実。しかし、ゼレンスキーは、ホロコーストで祖先を失ったユダヤ人なのだから、プーチンがゼレンスキーをナチズム、ファシズムと指摘するのには違和感がある。 また、他国に対して軍事援助を要請して、初めてその要請を受けた国が集団的自衛権を行使できる。ロシアもこうした要件は認識しており、それゆえ、ウクライナ東部のドネツク人民共和国とルハンスク人民共和国からの要請に応じる形で、集団的自衛権の行使を主張した。ロシアはウクライナがミンスク合意に違反したとして、これら2つの人民共和国を国家として承認する決定を行ったのであり、一応の手続きは踏んだというロシアの言い分についても述べられる。しかし、プーチンはドネツクとルガンスクの人民共和国の独立を承認。それから2日もたたないうちに、ウクライナに宣戦。ドンバスではなくウクライナ全土を対象とした軍事行動を開始したのだ。 更に、1999年の北大西洋条約機構加盟国によるユーゴスラビア空爆や2003年のアメリカやイギリスが指導したイラク戦争など、国際法上の根拠に乏しい武力行使の事例がある事は確かである。ロシアの侵略行為がこれで免責されると言うわけではないが、ロシアが追求されるのはバランスを欠くのではとの意見もある。2008年NATO首脳会議で発表されたブカレスト宣言では、ジョージアとウクライナはNATO加盟国となるとの文言が挿入されていた。このことがロシアに誤ったメッセージとなったとも。 クリミア半島割譲と東部2州の独立をウクライナが承認すれば、実質ウクライナは降伏をしたことになり、この戦争は終わる。しかし、それでは侵略したもん勝ちを国際的に認めるに等しい。 「プーチンの敵は、戦争で大儲けするプロゆえ、ロシアのウクライナ侵攻も、彼らの痛手になるどころか、武器供与、原油高などで巨額の利得を手にするに違いない」というのは、島田雅彦氏。かなり踏み込んだ発言だと思う。 結果を見てから、構造的な帰結だとか仕組まれたものだったと後付けするのは簡単かもしれないが、事実を眺めてみて、これからを考えていくしかないのだろう。
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ロシア、東欧方面を専門とする学者など25人の対談と寄稿文。連日テレビなどで見る識者以外の、いろいろな考え方や、ウクライナ、ロシアについての多面的な背景などを知ることができた。 またケニアの国連大使の発言が興味深かった。我々アフリカ諸国は宗主国によって引かれた、古い同質性を無視し...
ロシア、東欧方面を専門とする学者など25人の対談と寄稿文。連日テレビなどで見る識者以外の、いろいろな考え方や、ウクライナ、ロシアについての多面的な背景などを知ることができた。 またケニアの国連大使の発言が興味深かった。我々アフリカ諸国は宗主国によって引かれた、古い同質性を無視した国境線を受け入れたが、それは全大陸的な政治経済、法的な統一をめざし、より偉大な何かを平和的に実現したいと思ったからなのだ。 メモ ○「未完の国民、コンテスタブルな国家」~ロシア・ウクライナ戦争の背景 松里公孝(東大大学院法学政治学研究科教授1960生) ①今回の戦争はソ連解体の後始末としての性格を帯びている ②この戦争は、一極世界の終焉に伴う国際秩序の再編と結びついている ③今回の戦争の遠因は、2014年のユーロマイダン革命である。・・ユーロマイダン革命では暴力的で、革命派(反親ロ派?)は凄惨な場面をネット上に流した。市民は恐れをなし、2014.3.16の住民投票でクリミア住民はロシアへの併合を要求し実現された。ウクライナにおける法治主義の衰退がプーチン政権にウクライナ侵略の口実を与えた。 ○「戦争を終わらせるために」平和構想研究会 政府レベル・市民レベルの双方でロシアの侵攻の不当性を明確にしていくこと。 人道問題と国際問題のジレンマ・・軍事支援を続ければ戦闘は長引き、人道上の被害は増え続ける。しかしウクライナを支援しなければ、一方的な軍事侵攻による国家の主権や領土の侵害を許すことになってしまう。 今回明らかになったこと・・軍事大国が無謀な軍事行動を開始したとき、これを止めるのはきわめて困難。紛争予防が大切。多元的な外交チャンネルを持つことが紛争予防力となる。相手に軍事行動を起こさせないためには、相手の動機を考えること。 ○「ウクライナと第三次世界大戦」スラヴォイ・ジジェク(1949生まれ。スロベニアの哲学者) プーチンはイワン・イリイン(1883-1954)の学説を公式に知的指針としている。イリインはロシア出身の哲学者、政治神学者で、「哲学者の船」として知られる措置で1920年代初めにソ連を国外追放されたのち、ソ連の共産主義にも西側の自由主義にも反対しつつ、独自のロシア・ファシズムを唱えた。国家とは、父権的な君主に指導された有機的共同体だ、というもの。民主主義はひとつの儀式にすぎない。 今日プーチンが行っているのは、かつて西側で遂行された帝国主義的拡張主義の、時代遅れのコピーだ。だからこそ、ほんとうにプーチンに反対しようと思うなら、第三世界諸国への橋を架けるべき。あらゆる形の新植民地主義を断固として根絶すること。 ○資料と解説「異なる視点」第三世界とウクライナ危機 栗田偵子(日本中東学会会長) ケニア、インド、キューバ。南アフリカなどの国連大使の発言などを紹介。 ○国連安保理におけるケニア国連大使の発言。2022.2.21 アフリカの国境線は植民地宗主国によって古い諸国家などまったく考慮せずに引かれたものだ。だがその国境線を受け入れた。古い同質性を基礎とする国家をめざしていたらいまだに紛争中だろう。我々は引かれた国境線を受け入れることにするが、それでもなお全大陸的な政治的・経済的・法的な統一をめざすことにしよう、と合意したのだ。しかしその引かれた国境線に満足したのではなく、それよりもっと偉大な何かを、平和的に実現したいと思ったのだ。 ケニアはウクライナのその国際的に承認された国境線の中での領土的一体性を尊重することを改めて確認する。 2022.4.14第1刷 購入 「北海道大学 スラブ・ユーラシア研究センター」ロシアのウクライナ侵攻 緊急特集コーナー があり研究員の仕事の最前線が載っている。(この雑誌で対談している宇山智彦氏が所属) https://src-h.slav.hokudai.ac.jp/center/essay/20220302_j 「公研」4月号 緊急対話 「プーチンの戦争」が揺らす世界の秩序 【鈴木一人】【奈良岡聰智】【細谷雄一】【小泉 悠】 https://koken-publication.com/archives/1412
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